試合日程・結果

GAME

2022年アジアクラブ選手権大会 準決勝

開催日時
2022年5月19日(木) 19:00(現地時間)
会場
イラン・テヘラン
サンバーズ
サンバーズ

3

  • 22-25
  • 25-22
  • 25-20
  • 25-21

WIN

1

イランB

スターティングメンバー

髙橋 結人

リベロ

試合経過

 2022アジアクラブ選手権準決勝。サンバーズは、決勝進出をかけて、イランのシャダヤズドと対戦した。

 第1セット序盤、地元・イランの観客から激しいブーイングを浴びる中、小野が鋭いサーブでエースを奪い好スタートを切る。ムセルスキーのスパイクや柳田のパイプ攻撃でサイドアウトを重ねていくが、中盤、サービスエースを奪われたり、カウンターアタックを決められ8-11とリードされた。それでも、ムセルスキーが好守備から自らカウンターアタックを決め11-12と追い上げ、彭が速いフローターサーブでエースを奪い13-13と追いついた。サーブレシーブが崩れてもセッターの大宅が巧みなプレーでカバーし、ムセルスキーのカウンターアタックで16-15と逆転。相手のミスで17-15とリードした。しかしブロックに捕まって逆転され、スパイクミスが出て18-20と先行された。終盤は彭のクイックや柳田のパイプ攻撃でサイドアウトを重ねるが、最後はサーブレシーブにミスが出てセットを失った。

 第2セットは0-2と出遅れるが、つなぎのミスを柳田が巧みなリバウンドでカバーして粘り、相手のミスを誘って2-2と追いつく。しかしサンバーズのコンビが合わず切り返されたり、ミスが出て再び3-6とリードされた。ムセルスキーや柳田が好サーブを打ち込むがシャダヤズドの堅いサーブレシーブに返されブレイクにつながらない。それでも、藤中が相手のパイプ攻撃をブロックして追い上げ、ムセルスキーの好守備を柳田のパイプ攻撃で得点につなげ8-9と迫った。相手のブロックで再び引き離されるが、中盤、柳田が強烈なサーブでエースを奪い14-15。2本目は意表を突くショートサーブがノータッチエースとなり15-15と追いついた。
 さらに、彭のサーブで崩し、小野のスピードあふれるクイックで切り返して17-16と逆転。相手のミスで18-16と先行した。終盤、ミスが出て20-21と逆転されるが、リリーフサーバーの鍬田が強力なサーブを打ち込み、高橋結の好守備から柳田がカウンターアタックを決めて22-21と逆転。さらに、鍬田のサーブで崩してムセルスキーがスパイクを決め23-21と抜け出した。最後はリリーフサーバーで入った西田や大宅が好守備で粘ってチャンスを作り、柳田が相手コートの真ん中に巧みにスパイクを落として得点し、25-22でセットを奪い返した。

 第3セットはムセルスキーのスパイクや柳田のフェイントでサイドアウトを重ね、柳田の強烈なサービスエースで4-3と先行。1本で決まらなくても粘り強く攻め、藤中、ムセルスキーのスパイクなどでサイドアウトを重ねていく。中盤、小野が立て続けに鋭いサーブを打ち込んで崩し、柳田のブロックなどで10-7とリード。さらに、小野がサイドラインぎわを狙ってエースを奪い11-7と点差を広げた。相手のネットインサーブを彭が体を投げ出して拾うと、柳田も相手コート側に飛び込みながら必死につないでブレイクを許さない。サンバーズはブロックとディグも機能し、藤中の好守備をムセルスキーが得点につなげたり、ムセルスキーがクイックをシャットアウトして18-12と引き離す。終盤、連続でサービスエースを奪われ20-17と追い上げられるが、彭のサービスエースで再び引き離し、サンバーズがセットを連取した。

 第4セットは好守備から小野のクイックで切り返したり、ムセルスキーのブロックで3-0と好スタートを切る。追い上げられても、小野のサーブで崩し、ムセルスキーのカウンターアタックで5-2と再びリード。その後も彭のクイックで切り返し9-4と点差を広げた。藤中が巧みにリバウンドを取るなど、確実にチャンスを作って最後はムセルスキーが決めるという流れで13-6とリードを広げていく。その後は柳田のスパイクや彭、小野のクイックでサイドアウトを重ねる。終盤、シャダヤズドのサービスエースやブロックなどで23-20と追い上げられるが、最後はムセルスキーのスパイクで逃げ切り、セットカウント3-1で逆転勝利。サンバーズが決勝進出を決めた。

 シャダヤズドは、今シーズンのイタリア・セリエAのルーベで優勝に貢献しMVPに輝いたキューバ代表のミドルブロッカー、ロベルランディ・シモンや、カナダ代表のジョン・ぺリンなど高さのある代表経験者が揃うが、サンバーズはサーブで揺さぶり、堅いブロックとディグから好機を広げていった。
 柳田は「僕とディマ(ムセルスキー)と(小野)遥輝のサーブの時に、シモン選手が前衛だったので、シモン選手のクイックを使わせないためにも、自分たちがしっかりとサーブを攻めて、ミドルを消す、という戦略をしっかり遂行したかった」と明かす。
 その狙い通りに、柳田と小野が計5本のサービスエースを奪うなどサーブで崩し、シモンの打数を抑え、サイドの攻撃を拾って切り返す展開に持ち込んだ。
 小野は今大会の初戦後、「まだ会場に慣れていなくてサーブをハードヒットできず、ショートサーブばかりになって読まれてしまった」と反省していたが、日に日にサーブの状態を上げ、この日も鋭いサーブを次々に打ち込んで連続得点につなげた。
 地元・イランの観客からはサーブの際に激しいブーイングを浴びせられたが、その中で小野は2本のエースを奪ってみせた。
「ブーイングはあまり気にならないですね。自分は自分のサーブを、ルーティンからしっかり集中して打てばいいだけかなと。サーブは自分との戦いだと思っているので」
 攻撃でも、相手の強力なミドルブロッカーと対峙しながら、小野、彭の両ミドルがクイックを高い確率で決めた。小野は「シモン選手もその対角の選手も、ブロックの手がすごく前に出てくるのが見えたので、とにかく下に打たないことと、いつも以上にスピード、打ち方の工夫が必要だと感じました」と、普段にも増して厳しいコースに間違いなく打ち分けた。
 サイド陣もムセルスキーがスパイク、ブロックで29点を叩き出し、柳田も巧さの光るプレーで得点を重ねた。
 予選リーグのテヘランペイカン(イラン)戦の後、柳田は「久しぶりにこういう(世界トップレベルの選手が揃う)チームと試合をして、(海外や代表で)キャリアを積む前の自分の課題が出てしまった」と語っていたが、この日はハイレベルなブロックを相手に、正確にコースを打ち分けて遅れてきたブロックに吸い込ませたり、絶妙な力加減でブロックを利用したり、コートの真ん中に落としたりと、多彩な技のオンパレード。豊富な経験の中で習得した視野の広さと選択肢の多さを取り戻し、存分に発揮した。
「ペイカン戦の後から徐々に、うまくやれる場面が増えてきていた。今日も、多少シャットされる場面もありましたが、それ以外は自信を持ってできていた。もう少しクオリティを上げたいところはもちろんありますが、もうあの時(ペイカン戦)のステップには立っていないかなと感じています」
 決勝は、予選リーグで敗れたテヘランペイカンとの再戦。「前回の試合よりもいいかたちの自分を見せられたらいいなと思いますね。うちは、ディマがライトに構えている時点で、相手にとってある程度の引力になる。そこをしっかりと理解した上で、クイック、パイプや、レフトの攻撃を展開できるよう持っていければ」と柳田。
 Vリーグ、黒鷲旗に続き、今季3度目の決勝の舞台にたどり着いたサンバーズ。ここでも勝って、アジアの頂点に立つ。

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