2022年アジアクラブ選手権大会 予選リーグ
- 開催日時
- 2022年5月15日(日) 16:00(現地時間)
- 会場
- イラン・テヘラン
1
- 25-22
- 19-25
- 19-25
- 21-25
LOSE
3
試合経過
2022アジアクラブ選手権予選リーグ第2戦、サンバーズはイランのテヘランペイカンと対戦した。
サンバーズのサーブに激しいブーイングが浴びせられるアウェイの雰囲気の中、試合の立ち上がりはペイカンのカウンターアタックで0-2と先行されるが、ムセルスキーがブロックの上からスパイクを叩き込み、小野が持ち前のスピードあふれるクイックで攻撃の流れを作る。小野が鋭いサーブを打ち込んで相手のミスを誘い、ムセルスキーのブロックで6-5と逆転。さらに、小野のサーブで崩し、柳田がパイプ攻撃を叩き込み7-5とリードした。中盤にはムセルスキーのサーブで崩したり、彭が相手のクイックをシャットアウトして10-6と点差を広げた。しかし、フランス代表のイアルバン・ヌガペトのサーブに立て続けに崩され、ブロックに捕まったり、エースを奪われ10-10と追いつかれた。その後、カウンターアタックを決められて逆転され、オランダ代表ニミル・アブデルアジズのサーブにエースを奪われ12-15とリードされた。
それでも、ムセルスキーのカウンターアタックで追い上げ、藤中がニミルをブロックして17-17と追いつき、相手のミスで18-17と逆転。終盤、ブロックに捕まり20-21と逆転されるが、リリーフサーバーとして入った西田のサーブから、藤中の好守備をムセルスキーが得点につなげて22-21と再び逆転。さらに、柳田がニミルをシャットアウトして23-21と抜け出した。セットポイントを握ると、柳田のブロックや藤中の好守備で粘り、最後はムセルスキーが巧みに相手ブロックを利用して得点につなげ25-22。サンバーズがセットを先取した。
第2セットは相手のサーブに崩され、速い切り返しを決められて1-3と先行されるが、相手のパイプ攻撃をムセルスキーと彭がブロックし6-6と追いついた。しかし中盤、クイックがブロックに捕まったり、スパイクミスが出て8-11とリードされた。柳田のスパイクで流れを切るが、その後、サービスエースを奪われたり、スパイクをブロックに阻まれて切り返され10-15と点差を広げられた。それでも、柳田のサーブで崩し、ムセルスキーが得点につなげて追い上げ開始。小野が好サーブを打ち込み、大宅のディグから柳田がツーでバックアタックを決め14-16と迫る。セット途中から入った鍬田もレフトから鋭いスパイクを決め、引き離されても、鍬田が強力なサーブで崩し、柳田の好守備をムセルスキーが得点につなげて17-19と再び追い上げる。しかし終盤、ミスが続いて連続失点し、点差を広げられセットを奪われた。
第3セットは小野のクイックやムセルスキーのスパイクでサイドアウトを取り、柳田が好守備からすぐに立ち上がって自らパイプ攻撃を決め3-2と先行。しかしつなぎのミスが出て逆転されると、中盤もミスが続いたり、サーブレシーブが乱れて6連続失点し5-11と一気に引き離された。その後もフローターサーブに揺さぶられ、スパイクを拾われて切り返されたり、相手のブロックやサービスエースで連続失点し7-16と大差をつけられる。柳田やムセルスキーのサービスエースで13-19と追い上げ、終盤、鍬田がサーブで攻め、ペイカンにミスが続き16-21とした。しかし続くブレイクチャンスをブロックに阻まれ、追い上げもここまで。セットを連取された。
第4セットは立ち上がりからペイカンの巧みなフローターサーブに崩されたり、クイックがブロックに捕まり1-5と出遅れたが、ムセルスキーのサーブで崩してミスを誘ったり、鍬田のブロックで5-6と追い上げる。その後は柳田のパイプ攻撃、鍬田のレフトスパイクでサイドアウトを重ねるが、中盤、スパイクのミスや相手ブロックで連続得点を奪われ8-13と引き離された。それでも彭が相手のクイックを止めて食い下がる。引き離されても、終盤、鍬田がカウンターアタックを決めて再び追い上げ、ムセルスキーが相手のクイックをシャットアウトして18-20と迫った。しかしそこからブレイクすることができずに逃げ切られ、ゲームセット。セットカウント1-3で敗れた。
主将の大宅は「試合の入りはすごく良くて、サンバーズの持ち味を出せていたんですが、2セット目以降、相手のサーブに押され、思うような攻撃ができなかった」と悔やむ。
ペイカンはセッターのミルサイード・マルーフラクラニをはじめとするイラン代表経験者や、東京五輪金メダリストのヌガペト、オランダ代表オポジットのニミルといったスター選手が揃うチームだが、豪快で派手なプレーというより、相手の弱点を素早く見抜いて徹底的にそこを突く、巧さと対応力でサンバーズを上回った。第2セット以降、サンバーズはサーブレシーブを揺さぶられて攻撃の選択肢を減らされ、じわじわと追い詰められた。ミスの多さやコンビの精度も課題だった。
柳田はこう振り返る。
「ジャンプサーブ、フローター両方にサーブレシーブがかなり苦しめられた。特にフローターサーブの質が日本とは違っていて、みんな一つ一つのボールの処理にものすごいエネルギーを使って戦っていました。直接失点も多かったし、上がったボールも、全体で攻撃しにくいような質になってしまった。なんとかディマ(ムセルスキー)が耐えてくれていたし、パスが返った時は彭や(小野)遥輝が頑張ってくれていたんですけど。自分はレフトからの攻撃が通らなすぎたので、そこは改善しなければ」
柳田にとっては、代表チームで対戦したことのある各国の選手たちと、クラブチームというかたちで対戦する新鮮さと難しさを感じた試合でもあった。
「いろんな国の人が一堂に会してプレーするというのは、代表とはまた違ったクラブの醍醐味というか、面白さなんですけど、対戦するのはかなり厄介です(苦笑)。特に今回は、セッターのマルーフ選手やサイドのヌガペト選手という、いろんなことができる選手がいるので。僕らが1セットを取ってからの、彼らの対応がすごく早かった。トランジションの時にヌガペト選手がすごく速い展開でプッシュをしてきたり、セッターとコミュニケーションを取りながら、引き出しをどんどん使って、僕たちが対応しきれていない攻撃を仕掛けてきた。
僕は久しぶりにそういった選手たちと試合をしたんですけど、余裕がなかった。これまでいろんなことを経験してきたつもりでいましたが、足りないところが浮き彫りになりました。今日は少し焦ってしまった。コンビの関係だけでなく、自分自身がしっかりと球とブロックを見て打っていかないと。いい状況じゃなくても、焦らないでうまくやれたら、もっと自分らしいプレーができるんじゃないかと感じた。今日は久しぶりで試合中に修正できず、(代表や海外で)キャリアを積む前の課題が出てしまったところもあるので、そこは自分にまだまだ足りないところ、まだ成長できる点だとプラスに捉えて、明日以降改善していきたいと思います」
ペイカンとは、勝ち上がれば準決勝以降に再び対戦する可能性もある。
「今後の試合を全部勝って、ペイカンにリベンジしたい」と山村監督。
今シーズンは残すところ今大会での4試合のみとなった。敗戦で火がついたサンバーズが、残りすべてを勝ちにいく。