2022年アジアクラブ選手権大会 予選リーグ
- 開催日時
- 2022年5月14日(土) 10:00(現地時間)
- 会場
- イラン・テヘラン
3
- 25-19
- 25-21
- 25-16
WIN
0
試合経過
5月14日、2022アジアクラブ選手権がイランで開幕した。日本代表として出場したサンバーズは、予選リーグの初戦、タイ代表ナコンラチャシマと対戦した。
第1セットの序盤、サンバーズは硬さが見られ、サービスエースを奪われたりブロックに捕まって3連続失点し1-3と先行された。それでも、柳田が勢いよくいつも通りのパイプ攻撃を決めて流れを切ると、ムセルスキーがサービスエースを奪い4-4と追いついた。彭のクイックで攻撃のリズムを作り、相手のミスで7-6と逆転する。ミスが出て逆転されるが、大宅がサービスエースを奪って9-8と再び逆転。互いの特徴がわからない中、サーブで揺さぶり合う展開が続く。ナコンラチャシマのサーブがネットに当たって落ち、10-11と逆転されるが、小野が巧みなショートサーブでエースを奪い返し12-11と逆転。その後、大宅の好守備などで粘り、ラリーを柳田のスパイクで制して16-13と抜け出した。追い上げられても、終盤、小野のクイックで切り返したり、ムセルスキーのブロックで20-16と再びリード。柳田の強力なサービスエースで引き離し、サンバーズがセットを先取した。
第2セットは小野のクイック、ムセルスキーのブロックで先行。彭のクイックでサイドアウトを重ねていき、小野のブロックで8-5とリードした。中盤も小野のクイック、柳田のパイプ攻撃でサイドアウトを重ねる。サーブレシーブを崩されて切り返され10-10と追いつかれるが、ムセルスキー、柳田のスパイクでリズムを取り戻すと、柳田のフェイントや小野のブロックで連続得点を奪い15-12とリードした。サービスエースを奪われ17-16と追い上げられるが、終盤、リリーフサーバーとして入った佐藤のサーブで崩し、ムセルスキーのカウンターアタックや小野のブロックなどで連続得点を挙げ23-18と引き離す。ミスが出て追い上げられるが、最後は柳田のカウンターアタックで締め、サンバーズがセットを連取した。
第3セットはムセルスキーのサービスエースや相手のミスで6-2と好スタートを切る。第2セット終盤からコートに入った鍬田のサーブで崩し、鍬田の好守備をムセルスキーが得点につなげたり、彭のブロック、鍬田のサービスエースでなどで5連続得点とし11-3と一気にリードを広げた。相手にカウンターアタックを決められたり、ブロックに捕まり11-7と追い上げられるが、柳田のサービスエース、鍬田のカウンターアタックで16-9と再び点差を広げる。終盤には、鍬田が強力なジャンプサーブでエースを奪い21-13と引き離す。二枚替えでオポジットの栗山、セッターの西田が入り、栗山がライトからスパイクを決めたり、西田がブロックを止めて大差をつけ、ゲームセット。サンバーズが3-0で初戦を白星で飾った。
環境の違う異国の地での大会。長時間の移動を経て、会場練習も短時間しかできないまま初戦を迎えたが、それでもセットを落とさずスタートを切ることができた。
ミドルブロッカーの小野は「まだ環境に慣れていなくて体がうまく動かない部分もあったんですけど、対応しながらプレーできた」と振り返る。
まったくデータのない相手との対戦で、小野はブロックを量産してチームを助けた。
「やってくることがわからなかったし、最初はセッターの上げ方がわかりづらくて振られる場面が多かったんですけど、途中からは、どのスパイカーがメインで打ってくるとか、よく決まっているスパイカーに上がるという傾向が見えたので、そのあたりを意識しました。ただ、我々の実力が出せたかというと、まだまだ出せていない。もっと上げていきたい」
山村監督は「海外を経験したことのない選手もいますが、ユースやジュニア時代などにイランでの大会を経験している選手も結構いる。いつもの力を出せたわけではないけれど、自分たちがやるべきことはできていた。セッターの大宅も長丁場の大会を考えて、かなりディマ(ムセルスキー)の打数を抑えていた」と評価した。
イランでの大会は3回目だという大宅は、クイック、パイプを積極的に使ってリズムを作った。
「今日はとにかく実戦の中でコンビを合わせようと思った。明日の試合のためにも、自分が課題としている部分を多く使っていこうと。真ん中のクイック、パイプを、高さを出しつつ、スパイカーがしっかりたたけるところに上げることを意識しました」
予選リーグ第2戦は、東京五輪金メダリストのイアルバン・ヌガペト(フランス)やオランダ代表のニミル・アブデルアジズ、世界を代表するセッターのミルサイード・マルーフラクラニ(イラン)など、世界トップレベルの選手を揃えたイランのテヘランペイカンとの対戦。
大宅は「スター選手が集まっていますけど、急造チームでもあるので、隙はどこかにあると思う。僕らがずっとこのメンバーで積み上げてきたバレーが、どれだけ通用するか、予選リーグで試せる機会なので、萎縮することなく、自分たちのバレーを出せたらと思っています」と対戦を楽しみにしている。
山村監督も「長い試合になってもいいので、世界トッププレーヤーのバレーを体感してほしいし、同じただのバレーボール選手なんだな、という感覚になれば、チャンスはある」と期待する。アジア制覇を狙うサンバーズにとって、試金石の試合となりそうだ。