第70回 黒鷲旗大会 全日本男女選抜バレーボール大会 準決勝
- 開催日時
- 2022年5月 4日(水) 14:00
- 会場
- 丸善インテックアリーナ大阪(大阪市中央体育館)
3
- 31-29
- 25-20
- 25-18
WIN
0
リザーブメンバー
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デ アルマス アライン
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秦 耕介
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佐藤 謙次
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栗山 雅史
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鍬田 憲伸
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柏田 樹
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髙橋 結人
試合経過
黒鷲旗全日本選抜バレーボール大会5日目・準決勝。サンバーズは決勝進出をかけて、東レアローズと対戦した。
第1セットは彭のクイックやムセルスキーのスパイクなどでサイドアウトを重ね、ムセルスキーが好守備を自ら得点につなげて先行。その後、東レの強力なサーブに崩されて切り返され5-6と逆転されるが、柳田の強力なサーブでプレッシャーをかけ、相手の攻撃をブロックにかけて藤中のスパイクで切り返し8-7と逆転した。その後も一進一退の攻防が続く。サンバーズはミスが出て逆転されるが、小野が鋭いサーブを打ち込んでチャンスを作り、藤中がダイレクトスパイクを決めて10-9と再び逆転。サービスエースを奪われて逆転されても、西田のサーブで揺さぶり、柳田のブロックで15-14と逆転。さらに、ブロックで相手のクイックを阻んでミスを誘い16-14と抜け出した。終盤にはリリーフサーバーの佐藤のサーブで崩し、ムセルスキーがカウンターアタックを決めて19-16と点差を広げる。ミスが出て追い上げられるが、小野のクイックで流れを取り戻し24-22とセットポイントを握った。
その後カウンターアタックを決められてデュースに持ち込まれるが、サンバーズはセッターの西田が、ムセルスキーのスパイク、柳田のパイプ攻撃、彭や小野のクイック、と的を絞らせない攻撃でサイドアウトを重ねていく。そして30-29から、柳田の強烈なジャンプサーブで崩し、ムセルスキーが豪快にカウンターアタックを決めて締め、大接戦の第1セットを制した。
第2セットは柳田のパイプ攻撃で勢いよくサイドアウトを奪うと、藤中の好守備をムセルスキーが得点につなげて先行。東レの強力なサーブもサーブレシーブ陣がしっかりと返し、柳田がスパイクを決めたり、西田がミドルブロッカーを積極的に使いサイドアウトを重ねる。しかし中盤、東レの強烈なサーブで3本のサービスエースを奪われて11-13と逆転された。その劣勢の場面で、柳田のサーブが火を吹く。立て続けに強烈なサーブを打ち込み、ムセルスキーが連続ブロックを決めて16-15と逆転。さらに、柳田が緩急をつけながら連続エースを奪い18-15と引き離した。流れをつかんだサンバーズは終盤も小野のサーブで崩し、ムセルスキーが得点につなげて21-16と点差を広げ、セットを連取した。
第3セットは彭のブロックで好スタートを切る。東レのブロックで先行されるが、相手のミスで逆転すると、西田がエンドラインぎわにノータッチエースを決めて6-4とリードした。柳田が巧みなショートサーブでエースを奪い8-5と点差を広げる。中盤も、小野の好守備をムセルスキーが得点につなげて10-6と引き離す。サンバーズはブロックとディグが機能し、その後もリードを広げていく。終盤には、ムセルスキーのサーブで崩し、彭のブロックで19-13と引き離した。その後はムセルスキーのスパイクで得点を重ね25-18でゲームセット。セットカウント3-0で勝利し、サンバーズが決勝に進出した。
この日は終始好調だった柳田のサーブで試合の主導権を握った。「公式練習の時からサーブが走っていたので、攻められるかなというところがあった。リラックスしてできたというか、いつも通り準備して、いいかたちでゲームに臨めていた」と柳田。
特に第2セット中盤、相手にリードされる中、柳田のサーブからの4連続得点(ムセルスキーの連続ブロック、柳田の連続サービスエース)で一気に形勢が逆転した。
「(サーブは)自分の得意なところだし、ボールが走っていたので、深く考えずシンプルに、いいトスを上げていつも通りスイングができれば、と考えていました。あそこでディマ(ムセルスキー)が2本、東レのパダル選手を止めてくれたことで、自分が連続でサーブを打つ機会が増えたので、それもいい時間になって、ショートサーブを打ってみたり、いろんな引き出しを使ってみようかなと。相手にサーブレシーブを返されても、チームとしてブロックディフェンスを組めるという自信もあったので、ポジティブな考えでサーブを打つことができました」
柳田は前日の試合に続き、パイプ攻撃でも6本中5本を決め存在感を発揮した。セッターの西田は「マサさん(柳田)は『いつでも使っていいよ』と言ってくれる。ブロックが2枚つこうがしっかりかわして打ってくれるのですごく安心感があります。ディマだけに頼らず、しっかりマサさんに頼るところは頼って、しっかり得点につなげられた」と振り返る。
その西田は、クイックも積極的に絡め相手に的を絞らせないトスワークが光った。初戦の試合後は「攻撃が単調になってしまった」と語っていたが、その反省を生かし、着々と攻撃の幅を広げている。
「自分はもともとクイック、パイプを上げるのが得意じゃなかったんですけど、グループ戦で、サイドだけじゃダメなんだと痛感したので、この数試合クイック、パイプにチャレンジしてみたら、意外と通ったし、自信になりました。ただ3セット目はちょっと読まれていたので、しっかりブロッカーも見て上げなきゃいけない。また一つ課題が見つかりました」
今大会は、課題を見つけては一つ一つクリアし、1試合ごとに目に見えて成長している。初戦は顔をこわばらせてトスを上げていたが、この日は、「すごく今楽しい」と晴れやかな笑顔で言った。
「リーグ中は思うようにいかなくて、結構苦しいこともあったんですけど、覚悟を決めて取り組むことと、経験することで、克服できるもんなんだなと、新たな発見がありました。試合の中でトライしていかないと、相手の思うツボになる。逆に、見えた課題に対してしっかりトライしていけば、スパイカーはすごい選手が揃っているので、皆さんが助けてくれる。そういう気持ちで試合に臨んでいます。今バレーボールを楽しめています」
吹っ切れたセッターとともに勢いに乗り、勝ち上がったサンバーズ。決勝の相手はジェイテクトSTINGS。今シーズン二冠目と、3年越しの黒鷲旗連覇まで、あと1勝だ。