2021-22 V.LEAGUE FINAL3 ゴールデンセット vs パナソニックパンサーズ
- 開催日時
- 2022年4月 9日(土) 18:40
- 会場
- このはなアリーナ(静岡県草薙総合運動場体育館/静岡市)
![サントリーサンバーズ大阪](/culture-sports/sunbirds/game/img/ico/ico_sunbirds.png)
1
- 25-21
WIN
0
![](/culture-sports/sunbirds/game/img/ico/ico_panthers.png)
リザーブメンバー
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デ アルマス アライン
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秦 耕介
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佐藤 謙次
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小川 猛
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西田 寛基
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鍬田 憲伸
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喜入 祥充
試合経過
![](https://www.suntory.co.jp/culture-sports/sunbirds/game/detail/img/EAR_9877.jpg)
ゴールデンセット開始までには15分間あったが、サンバーズはほとんどの選手が控え室に戻らず、コートに残ってストレッチをしながら思考を整理し、勝負の1セットに備えた。
大宅は「疲れていたので、控え室に戻るより、その場でストレッチをしたかったし、5セット目終盤、ちょっとイライラというか、感情的になっていたので、自分を落ち着かせるためにも少し1人になってリスタートしたかった。うまく切り替えられたのでよかった」と振り返る。
第5セットの最後はムセルスキーとのコンビが合わず、スパイクミスで終わるかたちになったが、「1本ミスしてから、お互いに合わせにいってしまっていた。ディマ(ムセルスキー)は気を使って『トスは良かったよ』と言ってくれたんですけど、僕は上げた瞬間にちょっと(トスが)浮いたとか、遅いというのがわかっていたので、ゴールデンセットはとにかくスパイカーを信じて上げることだけを考えました」
15分後、ファイナル進出をかけた最後のセットが始まった。サンバーズはムセルスキー、小野のスパイクでサイドアウトを重ねる。パナソニックのカウンターアタックで先行されるが、ムセルスキーがコートエンドにノータッチエースを決めて5-4と逆転。再びサーブで崩し、柳田がレフトから鋭いカウンターアタックを決めて6-4とリードする。その後、追いつかれるが、彭のサーブで揺さぶり、大宅のブロックで仕留めて9-7と再び先行。藤中の好守備で粘り、小野が相手のパイプ攻撃をシャットアウトし11-8とリードを広げた。相手のブロックで追い上げられるが、ムセルスキーが強烈なサーブでエースを奪い15-12と再び引き離す。
終盤、相手がネットぎわに落としてきたツーアタックを、藤中が懸命に体を投げ出して拾うと、そのボールが相手コートに返って得点に。18-14と点差を広げるビッグプレーとなり、柳田は思わず藤中に抱きついて讃えた。終盤は小野のクイックを中心にサイドアウトを重ねていく。リリーフサーバーの西田のサーブで崩し、彭がダイレクトスパイクを決めて22-17とリードを広げる。追い上げられても、藤中がノーマークでスパイクを決めて23-19と流れを切る。パナソニックの巧みなサーブをサーブレシーブ陣がしっかりと返し続け、最後はムセルスキーがスパイクを決めて締め、25-21でゲームセット。サンバーズは勝負の1セットをものにし、2年連続のファイナル進出を決めた。
パナソニックにはレギュラーラウンドでは緩急をつけた巧みなサーブに揺さぶられ、一方的な展開になることが多かったが、この日はサーブレシーブ陣がしっかりと連携を取りながら踏ん張った。相手に与えたサーブポイントは6セットで3本だけ。崩されたとしても、2本目のつなぎでカバーし、ムセルスキーを中心に得点につなげてしのぎ、連続失点を抑えた。サーブレシーブを統率したリベロの鶴田は、納得の表情でこう語った。
「パナソニックは本当にいろんなサーブを打ってくるし、特に(ネットに近いところを狙う)ショートサーブをうまく使ってくるので、サーブごとに1本1本、ミドルブロッカーに『前に来るから頼む』と声をかけたり、(藤中)謙也とマサ(柳田)と3人で毎回確認しながらやれていた。今日は、本当にどうしようもないようなサーブでポイントを取られた場面はありましたが、連携のところはうまくいって、それが結果につながった。最後のゴールデンセットで、このチームがずっとやってきた集大成が出せた。負けていれば僕自身は引退だったので、勝って、明日も、来週もバレーができることが本当にありがたい。そのことに感謝して、明日のファイナルに臨みたいと思います」
この日は攻撃の柱であるムセルスキーが本領を発揮し、両チームトップの45得点を獲得した。藤中は安定したサーブレシーブやつなぎでコート内をうまく循環させ、好守備を連発してチームにチャンスをもたらした。数字には現れにくい部分での存在感の大きさを改めて示した。柳田は特にパイプ攻撃で高い決定率を残し、試合後半は持ち味のサーブでも流れを引き寄せた。セッターの大宅は、少々乱れた返球からでも積極的にクイックを使い、ミドルブロッカーの小野と彭が高い決定率で応えた。1人1人がそれぞれの役割を果たし、ミスが出てもカバーしあった。
喜入が「ショートサーブあるぞ!」と注意を促すなど、ベンチからも声をかけ、チーム全員が一体となって、ファイナルへの切符を勝ち取った。
山村監督は試合前、選手たちに「このような、1点の重みが他の試合と違うような緊張感のある試合というのは、すごく充実していて楽しいもの。僕も選手時代は、終わってほしくないと思いながらやっていた。そういうものを最大限楽しんで欲しいし、こういう試合こそが自分を一番成長させてくれる試合だよ」と言って選手たちを送り出した。
試合後は「本当にレベルの高い試合でしたし、見ている方もおそらくドキドキするような内容だったと思います。そういう試合を実現してくれた選手に感謝しています」と選手たちを讃えた。
トータル6セットを全力で戦い抜いたサンバーズ。疲労感は否めないが、選手たちはそれよりも大きな充実感と自信を漂わせ、10日に行われるウルフドッグス名古屋とのファイナルを見据えた。