第70回 黒鷲旗大会 全日本男女選抜バレーボール大会 グループ戦
大分三好ヴァイセアドラー戦
- 開催日時
- 2022年5月 1日(日) 16:00
- 会場
- 丸善インテックアリーナ大阪(大阪市中央体育館)
2
- 25-16
- 25-20
WIN
0
リザーブメンバー
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小野 遥輝
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彭 世坤
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柳田 将洋
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秦 耕介
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栗山 雅史
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鍬田 憲伸
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喜入 祥充
試合経過
黒鷲旗全日本選抜バレーボール大会グループ戦2日目。サンバーズは大分三好ヴァイセアドラーと対戦した。
初戦とは大幅に先発メンバーを変えてスタートしたサンバーズ。得点が決まるたび、セッターの西田とリベロの高橋結人が両手を広げて走り回る。初戦の後、「攻撃が単調になってしまった」と反省していた西田は、この日は序盤からミドルブロッカーの柏田、佐藤のクイックを使ってサイドアウトを重ねる。すると中盤、ムセルスキーが強力なサーブでエースを奪ったり、ムセルスキーのサーブで崩し、高橋結の好守備をムセルスキーが得点につなげたり、柏田が連続ブロックを決めて13-7と一気に引き離した。その後も、柏田のサーブで揺さぶり、藤中やムセルスキーの好守備で粘り、ムセルスキー、藤中がカウンターアタックを決めて17-9と引き離す。チームとして全員の守備が機能し、終盤にも点差を広げ、セットを先取した。
第2セットはムセルスキー、佐藤のブロックで2-0と好スタートを切るが、大分三好のサービスエースで5-6と逆転され、その後、スパイクを拾われて切り返され6-8と先行された。それでも、佐藤のCクイックで流れを切ると、中盤、ムセルスキーのサーブで崩し、自らカウンターアタックを決めて12-11と逆転。さらに、藤中が巧みなショートサーブでエースを奪い14-12とリードした。その後も柏田の巧みなフローターサーブで揺さぶり、アラインがカウンターアタックを決めたり、柏田がサービスエースを奪うなど5連続得点で19-13とさらに点差を広げた。終盤も、西田のサーブで崩して相手のミスを誘い、22-14と大差をつける。マッチポイントを握ってからミスが出て追い上げられるが逃げ切り、セットカウント2-0で勝利。2勝を挙げたサンバーズは、グループ戦突破を決めた。
この試合は入団3年目の4人、セッターの西田、リベロの高橋結、アウトサイドのアライン、ミドルブロッカーの柏田が先発出場し、初めて揃ってコートに入った。
リベロの高橋結は、試合の立ち上がりから得点が決まるたびにコートを走り回り、チームのムードを高めた。「そこが自分の良さでもあるし、コントロールできる部分。ニッシー(西田)とかも一緒に走ってくれたり、みんなも応えてくれました」
サーブレシーブも安定し、落ち着いた試合運びに導いた。今季のリーグでは先発出場の機会もあったが、ファイナルはベンチの外から見届けた。
「ファイナルの景色を見させてもらって、やっぱりあの舞台でみんなとバレーしたいなって、めちゃくちゃ思いましたし、挑戦する価値のある舞台だなと感じた。簡単なことじゃないというのもわかるんですけど、諦めずにやるしかないと思いました」と成長の原動力にする。
ミドルブロッカーの柏田は、昨シーズンのVリーグはV2のサフィルヴァ北海道、今シーズンはV2のヴォレアス北海道にレンタル移籍していたため、この試合がサンバーズでのデビュー戦となった。
「2年越しでの初試合。長かったですね」と喜びを噛みしめた。
出場機会をより多く得るためのレンタル移籍だったが、この2年間は葛藤もあった。
「サンバーズのユニフォームに袖を通せないのは、自分の力不足だったりいろいろな理由があるはず。袖を通すためには、何をすればいいのか、この2年は自分に足りないものを見つけにいく期間だったのかなと思います」
2年間、V2で試合に出場しながら、すべてのスキルにおいてレベルアップしたが、特に今シーズン、ヴォレアスで磨き、手応えを得たのがブロックだった。
「ヴォレアスのエド・クライン監督からブロックの戦術的な部分を徹底的に教えてもらい、それを自分の中で整理して、落とし込めた。試合を重ねるごとに感触が良くなって、数字も残せた。サンバーズに帰ってきてからも、試合形式の練習の中でそれを活かせて、昨年に比べるとワンタッチやシャットが増えていたのですごく自信になっていました」
この日の試合でも、V1の大分三好相手に2セットで4本ものブロックポイントを挙げ、さらに自信を確かなものにした。また、サーブでも高い効果を発揮し、連続得点につなげた。
それでも柏田は「スパイクに関してはもう少しセッターとコンビを合わせて、打数も決定率も残していきたいし、(ネットぎわでの)サーブレシーブも課題」とまだまだ満足はしない。
柏田がレンタル移籍していた2シーズン、サンバーズはリーグ2連覇を果たした。「北海道にいながらサンバーズの試合の結果を見ていましたけど、常勝チームになっていたので、そこに自分が戻って活躍するのは並大抵のことじゃない、と毎日刺激を受けていました」と振り返る。
チャンピオンチームでミドルのポジションを奪い取る。柏田の新たなチャレンジが、さらにサンバーズのチーム内競争を熱くする。