第70回 黒鷲旗大会 全日本男女選抜バレーボール大会 グループ戦 中央大学戦
- 開催日時
- 2022年4月30日(土) 16:00
- 会場
- 丸善インテックアリーナ大阪(大阪市中央体育館)
2
- 17-25
- 25-22
- 25-17
WIN
1
リザーブメンバー
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小野 遥輝
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藤中 謙也
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秦 耕介
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佐藤 謙次
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ドミトリー ムセルスキー
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栗山 雅史
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髙橋 結人
試合経過
Vリーグ連覇から2週間。サンバーズは3年ぶりに開催された黒鷲旗全日本選抜バレーボール大会に出場した。3年前の今大会で優勝したのはサンバーズ。リーグに続く連覇を目指し、グループ戦の初日は中央大学と対戦した。
第1セットの序盤、サンバーズは久しぶりにオポジットで先発出場したアラインのスパイクでサイドアウトを重ねるが、中央大の強力なサーブに崩されて切り返され、2-4と先行された。その後、ブロックに捕まり5-9とリードを広げられる。それでも、柳田のサーブでエースを奪って追い上げ開始。相手のスパイクミスで9-10と迫る。さらに、彭のクイックで切り返して11-11と追いついた。しかしサンバーズのスパイクを拾われて切り返されたり、連続でサービスエースを奪われ11-15と再び引き離された。終盤も中央大の堅い守備に拾われて点差を広げられる。初めて先発出場したミドルブロッカーの樫村が鋭いクイックで連続失点を食い止めるが、相手の好サーブに押されて追い上げのきっかけをつかめず、サンバーズがセットを先取された。
第2セットはオポジットにムセルスキー、ミドルブロッカーに小野が入り仕切り直す。セットの立ち上がり、柳田の強力なサーブで崩し、ムセルスキーのブロックで得点を奪う。サービスエースを奪われ先行されるが、柳田やムセルスキーのバックアタックでサイドアウトを奪ってリズムを立て直すと、柳田のサーブで崩してミスを誘い8-8の同点。さらに、柳田がサービスエースを奪い9-8と逆転。その後も柳田がサーブで攻めてパイプ攻撃を打ち込み10-8とリードした。中盤も、彭のサーブで崩し、ムセルスキーがカウンターアタックを決めて16-12と点差を広げる。
ところがその後、中央大のブロックに捕まったり、スパイクミスが続いて16-16と追いつかれた。それでも、西田のツーアタックで連続失点を断ち切ると、柳田のサーブで崩し、ムセルスキーが得点につなげて19-17と再び先行。終盤、スパイクミスが出て21-21と再び追いつかれるが、彭の強烈なクイックで流れを引き寄せると、彭がサーブで崩し、小野のブロックや柳田のダイレクトスパイクで連続得点を奪って締め、セットを取り返した。
今春、中央大を卒業したばかりの鍬田は、早速母校と対戦することになり、「すごく楽しみでワクワクしていたんですけど、決めよう決めようと力が入ってしまった」と反省する。それでも第2セットからは、「自分の役割はまずサーブレシーブの中心となること。相手を意識しすぎて、スパイクで点を取りたいと力んでしまっていたので、まず自分のやるべきことを思い起こし、サーブレシーブをしっかり返して、チームの攻撃を楽にするということに集中しました」と振り返る。
第3セットもサンバーズは柳田のサーブで攻め、小野がブロックで仕留めて2-0と好スタートを切った。追いつかれても、彭のブロックで4-2と再び先行。中央大の好守備でラリーに持ち込まれるが、長いラリーをムセルスキーのブロックで制して流れを渡さない。サーブレシーブが崩れても、ムセルスキーや柳田のスパイクでサイドアウトを重ねていく。中盤、西田のサーブで崩し、ムセルスキーのスパイクで連続得点を挙げ10-6とリードを広げた。ミスで追い上げられるが、小野のBクイックで流れを切ると、彭のサーブで崩して16-12と再び引き離す。サーブレシーブを崩されても、柳田が強烈なスパイクを叩き込んで相手にブレイクを許さず、彭の高いブロックなどで22-16と点差を広げた。終盤も鍬田のサーブで崩し、彭が立て続けにブロックで仕留めてゲームセット。セットカウント2-1(グループ戦は3セットマッチ)でサンバーズが初戦に勝利した。
奪われた第1セットについて、山村監督は「練習でできていることができていなかった。隣のコートでも同時に試合を行なっているなど、リーグの時とは違う環境という難しさもあったと思う」と語った。
久しぶりに先発出場したセッターの西田は、「いいイメージで取り組んできていたんですけど、やっぱり練習と本番は違うなと実感しました。監督は信じてあのメンバーを(先発に)組んで送り出してくださったと思うので、(先発のメンバーで)セットを取れなくて、申し訳ない」と悔しそうに語った。
セッターの大宅が日本代表合宿に招集されているため、今大会、セッターは西田ただ1人。そのプレッシャーものしかかる。
「リーグのファイナルが終わってから、黒鷲は自分がやらなきゃいけない、と覚悟を決めて取り組んできましたが、今日は実力不足を感じました。序盤は足が動いていなかったし、攻撃が単調になって、上げやすいアラインやディマ(ムセルスキー)に集めてしまった。もっとバリエーションを増やして、Bパスからの真ん中の攻撃を増やすだけでも、サイドの負担は減ると思う。今日はちょっと割り切って上げられなくて、置きにいってしまった部分があった。置きにいったらこういう展開になるんだよ、ということを学ぶことができました」
西田は何度も"覚悟"という言葉を繰り返した。今大会への強い思いがあふれる。
「この黒鷲旗という大会は、自分の成長に絶対に欠かせないものになると思っています。もちろん結果を求められるし、自分自身の姿勢や、勝つために何をどう工夫してチームに貢献するか、ということを大事にしていきたい」
山村監督は「今大会の6日間を彼1人で戦うことは、ものすごくいい経験になる」と期待する。
西田の成長は、今大会だけでなく、来シーズン以降のサンバーズにとっても大きな光となる。