試合日程・結果

GAME

令和3年 天皇杯全日本バレーボール選手権大会 準々決勝

開催日時
2021年12月12日(日) 10:00
会場
高崎アリーナ
サントリーサンバーズ大阪
サントリーサンバーズ大阪

1

  • 21-25
  • 25-23
  • 22-25
  • 19-25

LOSE

3

JTサンダーズ広島

スターティングメンバー

髙橋 結人

リベロ

リザーブメンバー

試合経過

 天皇杯全日本バレーボール選手権大会準々決勝。サンバーズはJTサンダーズ広島と対戦した。

 第1セットは互いにサイドアウトを奪い合う緊迫した立ち上がり。サンバーズはアラインのスパイクや彭のブロック、クイック、藤中のスパイクでサイドアウトを重ねていく。サンバーズは力強いサーブを打ち込むが、JT広島のリベロを中心に返され、サーブレシーブを崩すことができずブレイクにつなげられない。逆にサンバーズのスパイクを拾われて切り返され5-7と先行された。中盤、相手のミスで10-10と追いつくが、JT広島にカウンターアタックを決められ10-12と再び先行された。ネットぎわの攻防を小野のブロックで粘り強くものにして13-13と追いつくが、相手の堅い守備から切り返されて13-15と再びリードされた。小野が強烈なBクイックを決めるなど、流れを引き寄せようとするが、終盤サーブレシーブを崩されてブロックに捕まって点差を広げられ、セットを先取された。

 第2セットはアライン、秦のスパイクや藤中のパイプ攻撃でサイドアウトを重ね、小野のブロックで5-4と先行。小野のCクイックなどでリズムよくサイドアウトを重ね、サーブレシーブが崩れても、アラインのブロックでカバーしブレイクを許さない。そしてこのセットはサンバーズのサーブが機能し始め、藤中のサーブで崩して小野のブロックでラリーを制したり、アラインの強烈なサーブで崩し、彭の高さのあるクイックで豪快に切り返して11-8とリードした。中盤も秦や小野の攻撃でリズムよくサイドアウトを重ね、大宅のサーブで揺さぶり藤中がブロックで仕留めて15-11と点差を広げた。ところが、JT広島の強力なサーブにエースを奪われたり、3枚ブロックに捕まって連続失点し17-16と追い上げられる。さらにサンバーズのスパイクを拾われて切り返され18-18と追いつかれた。それでも終盤、リリーフサーバーの西田がフローターサーブで揺さぶり、相手のミスを誘ったり、アラインが1枚ブロックで仕留めて24-21と引き離し、サンバーズがセットを取り返した。

 第3セットは序盤、アラインが鋭いスパイクを決めて流れを作る。JT広島のブロックで先行されるが、サンバーズはじりじりとサーブでプレッシャーをかけ、彭のサービスエースで6-5と逆転。サーブレシーブを崩されても、大宅のトス、アラインのスパイクでカバーしてブレイクを許さない。小野の強烈なBクイックで流れを取り戻し、アラインのカウンターアタックで9-7とリードした。中盤、レシーバーの間を狙われて連続サービスエースを奪われ11-11と追いつかれるが、大宅のブロックで13-11と再びリード。相手の強力なサーブに崩されても、藤中が3枚ブロックの指先を弾き飛ばす巧みなスパイクを決めてサイドアウトを奪っていく。カウンターアタックを決められて追いつかれるが、小野のブロックで再び18-16と抜け出す。しかし終盤、JT広島のサーブに立て続けに崩され、ブロックに捕まったり、ラリーをものにできず4連続失点し18-20と一気に逆転された。小野、アラインの強力なサーブで攻めるがブレイクできず、セットを奪われた。

 後がなくなった第4セットは、アラインが強烈なサーブを打ち込んでエースを奪ったり、相手のミスを誘い4-1と好スタートを切る。その後は秦のスパイクや彭、小野のクイックでサイドアウトを重ねていく。しかし中盤、JT広島のサーブに押され、切り返されたり、ミスが出て12-12と追いつかれた。さらに、クイックがブロックに捕まって逆転され、カウンターアタックを決められて13-15とリードされた。互いに粘り強く拾ってラリーとなるが、サンバーズはなかなかそのラリーをものにできない。終盤、JT広島の連続ブロックやサービスエースなどで5連続失点して15-21と引き離された。それでも攻めの姿勢を崩さないサンバーズは、小野が強烈なサーブを打ち込んで崩し17-21と追い上げるが、その後、点差を詰められず、セットカウント1-3で敗れた。

 互いにサーブで攻め、堅い守備からラリーの応酬となった好ゲーム。サンバーズは粘り強くボールに食らいついて諦めない姿勢を貫き、全員で攻撃を仕掛けたが、最後に決め切る決定力で一歩及ばなかった。
 試合後は選手も監督も、悔しさと充実感の入り混じった表情だった。山村監督は「選手たちは最高のパフォーマンスをしてくれた」とねぎらった。
「JTがすごくいいバレーをしていた。攻撃力が高く、よく考えられ工夫されたサーブを打っていた。ただ、うちもブロックとディグがしっかり機能し、オポジットのエドガー選手以外のところは抑えられていた。(秦)耕介は前にエドガー選手の高いブロックがいても高い決定力を見せてくれたし、(藤中)謙也もバックアタックで貢献してくれていた。選手をほめてあげたい。でも悔しい。その分、リーグで取り返したい」
 安定した守備に加え、攻撃でもパワーと技術を駆使して苦しい場面で得点を決めた藤中は、「前回、リーグでJTと対戦した時とは違うメンバーでの対戦でしたが、それは不安要素にはならなくて、それをポジティブに捉え、今できることにフォーカスして取り組んで、実際内容的にいいプレーができた」と振り返った。
 主将の大宅は、「悔しい。今回怪我で出られなかった選手の代わりに入った秦や髙橋、喜入の3人がすごく頑張ってくれていたので、勝って自信をつけさせたかった。でもこのメンバーでもあれだけのパフォーマンスを見せられた。しつこいバレーができたので、それは少しは自信になったかなと思う」と語った。
 この試合がサンバーズにとって2021年最後の試合となった。今シーズンは10月に開幕したVリーグも含め、昨シーズン大黒柱となっていたムセルスキーがいない中、Vリーグ1年目の20歳アラインがオポジットとして躍動したり、怪我をした柳田に代わって秦、鶴田に代わり喜入や髙橋が入るなど、まだ経験の浅い選手がコートに入り全員バレーを展開してきた。
「そういう若いメンバーで勝ち星を重ねてこられたのはチームとしてすごくプラスになった」と藤中は言う。
 大宅も、「ディマ(ムセルスキー)がいない分、すごく考えながらトスを上げるようになったし、その分いいバランスで散らせていると思う。自分自身のセッターのキャリアにとっても、この年内のリーグ14試合と天皇杯は、すごくプラスになったのかなと思います。年明けからは抜けていた選手が帰ってきて、また新しいバレーボールが作れる。例えば、マサさん(柳田)が復活しても、耕介がそのままいく場合もあるかもしれないし、今年いろんなパターンを作れたことは、サンバーズにとって本当に強みになると思う」
 1月8日に再開される年明けのリーグからは、また新たな競争が生まれ、サンバーズはさらに進化していく。
 今季目指していた三冠(Vリーグ、天皇杯、黒鷲旗)の夢は絶たれたが、「今日負けた瞬間、"リーグ連覇"という目標への思いがさらに強くなったので、リーグ優勝に向けて頑張りたい」と、大宅主将はすでに2022年を見据えていた。

2021/22シーズン

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