2021-22 V.LEAGUE 東京HG JTサンダーズ広島戦
- 開催日時
- 2022年1月29日(土) 12:00
- 会場
- 大田区総合体育館
3
- 23-25
- 26-24
- 15-25
- 26-24
- 15-11
WIN
2
リザーブメンバー
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デ アルマス アライン
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秦 耕介
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佐藤 謙次
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加藤 久典
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小川 猛
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西田 寛基
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喜入 祥充
試合経過
2021-22V.LEAGUE DIVISION1第21戦。15勝5敗で3位につけているサンバーズは、大田区総合体育館で東京ホームゲームを開催。7位JTサンダーズ広島と対戦した。JT広島とは前半戦1勝1敗。天皇杯準々決勝では敗れ、今季はここまで負け越している。
第1セットはJT広島にサービスエースを奪われ先行されるが、彭や小野のクイックでサイドアウトを重ねてリズムを作る。しかしJT広島のフローターサーブに揺さぶられ、崩されて切り返されたり、サービスエースを奪われ9-12と点差を広げられた。中盤、サンバーズもサーブで応戦する。柳田の強力なジャンプサーブで崩し、ムセルスキーのカウンターアタックで12-12と追いついた。しかしその後、サンバーズのスパイクを拾われて切り返され、13-16と再びリードされた。終盤、藤中に代わりアラインがコートに入る。アラインが正確にサーブレシーブを返し、小野のクイック、柳田のスパイクで流れを引き寄せると、柳田のサーブで崩して得点につなげ19-21と追い上げる。さらに、好守備をムセルスキーが得点につなげ23-24と迫るが、一歩及ばずセットを先取された。
第2セットは、第1セット終盤から入ったアラインが立ち上がりに強烈なサーブを打ち込んで崩し、ムセルスキーがダイレクトスパイクを決めて好スタートを切る。先行されても、ブロックのワンタッチから柳田のパイプ攻撃で切り返し6-5と逆転。アラインのブロックとカウンターアタックで連続得点を奪い9-6とリードした。ところがJT広島のサーブに立て続けに崩されて9-9と追いつかれる。アラインのサーブでプレッシャーをかけ11-9と引き離すが、その後、JT広島のサービスエースで追いつかれ、ブロックに捕まり11-12と逆転された。それでも、アラインのパイプ攻撃などでサイドアウトを重ねてついていき、彭がボールに食らいついて上げたボールをムセルスキーが得点につなげて16-15と逆転。サーブレシーブを崩されても、アラインの好守備をムセルスキーが巧みに得点につなげて相手にブレイクを許さない。すると終盤、柳田がサービスエースを奪い22-20とリード。終盤ミスが出て追いつかれデュースに持ち込まれるが、アラインの強力なサーブで崩し、ムセルスキーのブロックで仕留めて競り合いを制し、セットを取り返した。
しかし第3セットの立ち上がりはJT広島のフローターサーブに立て続けに崩されて攻撃のリズムを作れず1-5と出遅れた。アラインや小野のスパイクでサイドアウトを重ねるが、中盤、スパイクミスが出て5-11とリードを広げられる。その後も、コンビミスが出たり、サーブレシーブを崩されて切り返され7-15と大差をつけられた。柳田がノータッチエースを決めて追い上げるが、終盤、JT広島に2本のサービスエースを奪われるなど連続失点し11-21と点差を広げられた。アラインのノータッチエースで追い上げをはかるが点差は詰められず、セットを奪われた。
後がなくなったサンバーズは第4セット、ムセルスキーのブロックで最初の得点を挙げると、このセットからコートに戻った藤中や柳田のパイプ攻撃などでサイドアウトを重ね、藤中のブロックで7-5と先行した。しかしスパイクミスが出たり、サンバーズのスパイクを拾われて切り返され9-10と逆転された。小野、彭のクイックでサイドアウトを重ねるが、そのクイックがブロックに捕まり11-13とリードされる。さらに、堅い守備からカウンターアタックを決められ13-16と点差を広げられた。それでも柳田の好守備などで粘って相手のミスを誘い、ムセルスキーのブロックで16-16と追いついた。さらに、小野が相手のクイックをシャットアウトして17-16と逆転。このセットはコートに戻った藤中を中心にサーブレシーブが安定し、終盤もリズムよくサイドアウトを重ねる。デュースとなるが、鶴田、大宅の好守備を、最後は柳田が相手ブロックを弾き飛ばして得点につなげ26-24でセットを奪い返し、フルセットに持ち込んだ。
第5セットは序盤先行されるが、柳田がコートサイドにノータッチエースを決めて5-4と逆転。彭の強力なサーブで崩し、小野のクイックで切り返し7-5と先行する。さらに、ブロックや守備で粘って9-6と点差を広げる。強力なサーブで攻められても、サーブレシーブ陣が踏ん張り、小野のクイックでサイドアウトを切り、相手のスパイクミスで11-7と点差を広げた。その後はムセルスキーのスパイクなどでサイドアウトを重ねて逃げきり、15-11でゲームセット。フルセットでの逆転勝利で今季16勝目を挙げ、サンバーズは2位に浮上した。
今季はフルセットがすでに8試合目で、7勝1敗と圧倒的な勝率を誇る。山村監督も「フルセットになった瞬間、勝てると確信した」と自信を見せた。ただ内容的には反省が多く残る試合だった。特に課題だったのがサーブレシーブだ。
藤中は「相手のサーブに攻められて、自分達のリズムやプレーを作り出せないままゲーム中盤まで行ってしまった」と反省する。
第1セットは柳田、藤中のアウトサイドでスタートしたが、JT広島の巧みなジャンプフローターサーブに崩された。第2セットは柳田とアラインの対角で接戦に競り勝ったが、第3セットはサーブレシーブを大きく崩され大差をつけられた。第4セット、藤中がコートに戻ると、サーブレシーブを立て直し反撃につなげた。藤中はこう振り返る。
「最初僕がコートに入っていた時は、連携というより個人のスキルの部分、僕のフィーリングに問題があった。1回コートから出て、(第4セットに)もう一度入った時には、練習でやっている時のイメージを持ち直して、改善できたのは良かった。自分がコートの外から見ていた時間帯に関しては、鶴田さん、柳田さん、アラインの3人で(サーブレシーブを)やるということが今までにまだほとんどなかったので、そこはまだ役割や範囲がはっきりしていなくて、対処しづらかったのかなと感じました」
リベロの鶴田も「今日のサーブレシーブは、個人というよりも、チームでの関係性のところでバタバタしたところが多かった。明日に向けては関係性を改善して、もっとスパイカーが気持ちよく打てるような状況を作りたい」と語った。
その鶴田は今週、今季のリーグを最後に勇退することが発表された。「サンバーズに入った時に、東京オリンピックの年まで頑張ろう、と考えていた。チームで勝つことはもちろん、その年まではオリンピックを目指して頑張って、引退しようと思っていました。それに、引退後は教員になるので、その兼ね合いもあって、今シーズン限りで、ということになりました」と明かす。
「今週チームから発表されたことで、すごくたくさんの方にメッセージをいただいて、本当にすごく悲しんでくださる方もいた。これだけの人に愛されていたんだなと感じたことで、今後の試合はもっともっと気合いを入れて、皆さんにいいプレー、いい姿を覚えてもらえるように頑張ろうという気持ちになりました。
自分はリベロなので、ガンガン点数を取ることはできないし、目立つポジションじゃないですけど、そういうポジションだからこそ、周りに声をかけたり、安定感のあるレシーブだったり、そういうことでもチームの勝利に貢献できるというのをしっかり体現して、見てもらえたらと思います」
「何度も引き止めた」と言う山村監督は、「昨季の塩田(達也)もそうでしたが、コートの中で優勝するチャンスがある以上、自分で優勝というものをつかみ取って引退するのが彼にとって最高の花道」とエールを送る。
長年サンバーズを支えてきた守護神のラストシーズン。4月に全員で笑って送り出すために、サンバーズはさらに結束力と精度を高めていく。