試合日程・結果

GAME

2021-22 V.LEAGUE 熊本HG 大分三好ヴァイセアドラー戦

開催日時
2021年12月 4日(土) 13:00
会場
熊本県立総合体育館
サンバーズ
サンバーズ

3

  • 25-20
  • 25-27
  • 25-27
  • 25-18
  • 15-12

WIN

2

大分三好ヴァイセアドラー

スターティングメンバー

喜入 祥充

リベロ

リザーブメンバー

試合経過

2021-22V.LEAGUE DIVISION1第 13戦。混戦のリーグで現在8勝 4敗の6位サンバーズは、ホーム・熊本県立総合体育館で、9位大分三好ヴァイセアドラーと対戦した。
 第1セットの立ち上がりからサンバーズは守備が機能する。今季初めて先発出場した秦やセッター大宅らが好守備を重ね、アラインが得点につなげたり、彭のブロックで5-2と先行。さらに、アラインのサービスエースで7-4とする。中盤には、秦がサイドラインぎわにノータッチエースを決めて9-5と引き離す。大分三好のサーブに崩されて切り返され13-13と追いつかれるが、アラインが強烈なサーブでエースを奪い15-13と再び先行。アラインのサーブで崩し、秦がブロックで仕留めて16-13と引き離した。その後追い上げられたが、秦の強力なサーブで崩し、秦が自らパイプ攻撃を決めたり、彭のブロックで20-15と引き離した。さらに、秦がストレート、クロスとサーブを打ち分けて連続エースを奪い、計6連続得点で22-15と大きく突き放した。秦、アラインが計5本のサービスエースを奪うなど、サーブで流れを引き寄せたサンバーズが第1セットを先取した。

 第2セットは先行されるが、藤中のサーブで崩し、小野がダイレクトスパイクを叩き込んで4-3と逆転。アラインのこの日3本目のサービスエースで7-5と先行した。中盤、大分三好の2本のサービスエースやブロックなどで5連続失点し、9-14とリードされた。それでも、サンバーズは大宅が相手コートのネットぎわに落とす巧みなサーブで揺さぶり、エースを奪ったり、アラインのスパイク、小野のブロックで5連続得点を挙げ14-14と一気に追いついた。一度は先行されるが、ネットぎわで粘り強いプレーを続けてアラインのスパイクでラリーをものにし18-17と逆転。大分三好のサービスエースなどで19-21と引き離されるが、リリーフサーバーの佐藤のサーブで揺さぶり、藤中がカウンターアタックを決め22-22と追いついた。その後デュースに持ち込むが、ブレイクのチャンスをものにできず、逆にサンバーズのスパイクを拾われて切り返され、セットを奪われた。

 第3セットは互いにサイドアウトを奪い合う展開。サンバーズは小野、彭のクイックや秦のパイプ攻撃などで得点を重ねていく。中盤、大宅がフローターサーブで揺さぶり、アラインのカウンターアタックや藤中のブロックで連続得点を奪い10-7と先行。さらに、ブロックとディグから小野のクイックで切り返し12-8とリードした。追い上げられても、粘り強くブロックフォローしてつなぎ、最後はアラインがカウンターアタックを決めて15-12と再びリード。しかし大分三好のサービスエースやカウンターアタックで17-17と追いつかれた。彭のブロックやクイックでサイドアウトを重ねるが、終盤、サーブレシーブを崩されてラリーを奪われ22-23と逆転される。デュースに持ち込むが、サンバーズのスパイクが相手のブロックとディグに阻まれて決まらず、セットを連取された。

 第4セットは互いにサイドアウトを重ねるが、大分三好のブロックで5-7と先行される。サンバーズのスパイクが大分三好の堅い守備に阻まれ、切り返されて6-10と点差を広げられた。それでも中盤、大宅のサーブで揺さぶり、藤中、彭の連続ブロックで9-10と追い上げる。さらに、彭のサーブで立て続けに崩し、秦や小野のブロック、アラインのコートの奥を狙いすましたカウンターアタックで4連続得点を奪い14-12と一気に逆転。その後は秦のスパイクでサイドアウトを重ね、終盤は小野、彭のクイックも勢いよく決まる。大宅の巧みなショートサーブで揺さぶりをかけ、エースを奪ったり、彭のブロックで仕留め、5連続得点で22-16と引き離してセットを取り返し、試合をフルセットに持ち込んだ。

 第5セットは大分三好の強力なサーブに押されて先行されるが、彭のサーブで崩し、小野のクイックで切り返して4-3と逆転。その後、ミスで逆転されるが、秦のフライングレシーブでつないだボールを、アラインが力強いスパイクで得点につなげて9-7とリードを奪う。ミスが出て追いつかれるが、終盤、サンバーズが驚異の粘りを発揮。大宅を中心に全員でつなぎ、秦のスパイクや小野のブロックで得点につなげて13-11と引き離す。最後はアラインのサーブで崩し、小野がダイレクトスパイクを叩き込み15-12でゲームセット。苦しい接戦をものにしたサンバーズは連敗を2で止め、9勝目を挙げた。

 土壇場で踏みとどまり、逆転勝利をおさめたが、山村監督は、「勝てたことは嬉しいんですけど、喜び半分、悔しさ半分、苛立ちが半分。自分たちのパフォーマンスの不十分さに苛立ちを感じている」と不満をあらわにした。
 この日は怪我で離脱している柳田に代わり秦が、鶴田に代わり喜入が入ってフル出場したが、山村監督は「彼らがこのチャンスをいかにものにするかという意味では、物足りない」と語った。
 秦は第1セット、狙ったコースに力強いサーブを打ち分けて3本のエースを奪うなど、攻守ともに好プレーを見せてセットを奪う原動力になったが、2セット目以降は精彩を欠いた。
「1セット目の入りは良かったんですけど、チャレンジ(映像判定)が続いたところからリズムを崩してしまった。しっかり準備できていたはずなのに、外的要因で自分のプレーが崩れてしまったのがすごく悔しい」と唇を噛んだ。
 サーブレシーブでは、初めて藤中、秦、喜入の3人が並んだということもあり、連携に課題が出た場面も多かった。リベロの喜入は反省点をこう振り返る。
「(藤中)謙也さんも(秦)耕介も守備を得意とするプレーヤー。2人とも(サーブレシーブを)任せられる範囲が大きい分、どこまで任せるか、調整が難しい部分もあった。任せたら取れるけど、自分が行ったほうがいいのかなと迷ったボールがあった。明日は選手の特徴に合わせて、任せるところと自分が行くところをはっきりさせたい。自分のところに飛んできたら、あとは個人技。直接失点を減らして、強いサーブが来ても、大宅が両サイドとパイプに上げられるぐらいのところには持っていって、サイドアウトを取りやすくしていきたい」
 慣れないメンバー構成の中、大分三好の強力なサーブに押されて劣勢に陥ったが、チームを鼓舞し続け、立て直したのがセッターで主将の大宅だった。トスだけでなく、ネットぎわに落とすサーブで相手を揺さぶって連続得点につなげたり、ボールに粘り強く食らいついて諦めない姿勢を見せ続け、辛抱強く流れを引き寄せた。大宅は言う。
「僕としては、誰がいないから負けたと言われるのがすごく嫌で、それだけは絶対に言われたくない。誰が出ても、いいところ悪いところがあって、そのいいところを引き出すために、僕もいろいろ考えながらやっていかないといけないと思っています。それはセッターとしてやることと、キャプテンとしてやることがあって、今季はキャプテンとしての仕事をもう少し自分に求めていきたいと思ってやっているし、誰が出ても不安にさせないようなコミュニケーションを心がけています。今日はチームの士気を下げないこと、戦う姿勢を絶対に崩さないこと、というのを試合を通してずっとやり続けられたので良かったのかなと思います」
 主将を任されて2シーズン目。山村監督は「彼がいなかったらもっとズルズル行っていたんじゃないか。チームを引っ張っていくキャプテンとしても、一プレーヤーとしても、間違いなくプロの、自立した選手になっている」と高く評価する。
 経験の少ない選手が多くコートに入る中、主将が揺るぎない軸となって苦しい試合をものにしたサンバーズは、この勝利で3位に浮上した。明日は年内最後のリーグ戦。ホーム・熊本で、勝って締めくくる。

2021/22シーズン

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