2020-21 V.LEAGUE 徳島大会 JTEKT戦
- 開催日時
- 2021年3月27日(土) 14:00
- 会場
- アスティとくしま
3
- 25-16
- 27-25
- 25-19
WIN
0
試合経過
2020-21V.LEAGUE DIVISION1レギュラーラウンドはついに最終週を迎えた。前週レギュラーラウンド優勝を決めたサンバーズは、4位ジェイテクトSTINGSと対戦した。
第1セットの立ち上がりは、今季初先発の秦が高い打点から立て続けにパイプ攻撃を決めて好スタートを切る。ムセルスキーがサーブで崩し、自らバックアタックを決めて5-3と先行。その後、追いつかれるが、塩田のクイックやムセルスキー、藤中のスパイクでサイドアウトを重ねる。中盤、サービスエースを奪われるが、ムセルスキーのブロックで12-10と再び先行。すると14-12から、秦が強烈なサーブを打ち込み、2本のエースを含む3連続得点で17-12と一気に引き離した。終盤には、リリーフサーバーの佐藤のサービスエースなどで20-14とリードを広げた。その後も攻めの手を緩めないサンバーズは、大宅が強力なサーブを打ち込み、小野のダイレクトスパイクや秦のパイプ攻撃で23-15と大差をつけ、セットを先取した。
第1セットは、柳田に代わって先発した秦に、セッターの大宅が立ち上がりから積極的にトスを上げて勢いに乗せた。山村監督は「大宅が、意識的に秦を活躍させようとしているのがスタートから目に見えるようなトスワーク。同期愛を感じた」と振り返った。特にパイプ攻撃は1セット目だけで4本も打ち、秦はすべて決めた。
大宅は、「今日は(パイプを得意とする)マサさん(柳田)が出ていなかったことで、たぶん相手ブロックはパイプへの意識が下がったと思うので、『耕介もパイプあるよ』というのを先に見せておこうと思った」と狙いを明かす。
好調のサーブと攻撃の駆け引きで先手を取ったサンバーズは、第2セットも主導権を握る。大宅がサービスエースを奪い、ムセルスキーのカウンターアタックで3-1と先行。その後も藤中のサーブで揺さぶったり、小野の力強いサーブで崩し、秦やムセルスキーが得点につなげ7-3とリードした。中盤には藤中の連続ブロックで11-6と引き離す。ジェイテクトの好守備から切り返され12-10と追い上げられるが、再び大宅のサーブで崩し、藤中がカウンターアタックを決めて14-10と引き離す。しかし終盤、ジェイテクトのサーブで崩され、ラリーを奪われたり、サービスエースを取られて22-22と追いつかれた。それでも、秦の巧みなスパイクで流れを切って逆転を許さない。デュースに持ち込まれるが、ブロックのワンタッチと好守備から、ムセルスキーがカウンターアタックを決めて競り合いを制し、サンバーズがセットを連取した。
第3セットは立ち上がりにジェイテクトのサービスエースで先行されるが、ムセルスキー、秦、藤中のスパイクでサイドアウトを重ねると、秦が強力なサーブを打ち込んで立て続けに崩し、ムセルスキーのカウンターアタックや大宅のブロックで7-5とリードした。その後は互いにサイドアウトを取り合うが、再び秦がサーブで崩し、塩田がBクイックで切り返して14-11とリードを広げた。さらに、塩田のサーブでチャンスを作り、小野のクイックで16-12。終盤には、ムセルスキーのサーブから、秦がカウンターアタックを決めて21-16と点差を広げる。その後、サービスエースを奪われるが、秦のパイプ攻撃で再び引き離すと、最後はリリーフサーバーとして入った西田がノータッチエースを奪って締め、セットカウント3-0で勝利。サンバーズが連勝記録を23に伸ばした。
この日はバランスのいい攻撃を展開し、全員が60%以上のスパイク決定率を残し、被ブロックは0。その中でも特に存在感を放ったのは今季初先発の秦だった。62.5%という高いスパイク決定率を残し、2本のエースを奪うなどサーブでも高い効果を発揮した。
「スパイクとサーブに関しては、最近ずっと調子がよくて、21日の大分三好戦でもいい感覚を得られていたので、それをうまく維持して今日に合わせられた。サーブは全部思いっきり、100%で打っていました。それでも入るイメージがあったので。それが結果につながってよかったです。でも自分としては課題がいっぱい見つかった。今日は特にブロックの位置どりがまだまだだったので、そこをしっかり修正していきたいと思います」
山村監督も、及第点を与えつつ、「耕介は本来ディフェンシブなところに強みがある。ブロックも強い。そういうところを出し切れていなかった。まだまだ出せる」とさらなる期待を寄せた。
前週、レギュラーラウンド1位は確定したが、選手たちはファイナルに向けて、それぞれにテーマを持って高い意識で試合に臨んでいた。
セッターの大宅は言う。
「今日意識していたのは、相手のミドルブロッカーがどういうふうについてきているかを、トスを上げる前に、いつも以上に見て確認すること。それを意識していたら、いつもより相手の動きがわかった。ファイナルではもっといろんな駆け引きがあると思うので、相手ミドルの考えを感じられるように心がけました。いつもやろうとは思っているんですけど、トスの質を重視してしまって、見えていなかった部分もあったので、今日はもう一度そこに戻ってやってみようと。今日はサーブレシーブの質がよくて高さを十分に作ってくれたので、(確認する)時間ができたという面もありました」
昨季のリーグ王者で、昨年末の天皇杯でも優勝しているジェイテクトの強力なサーブやスパイクを、リベロの鶴田は、ファイナルのつもりで受け止めていた。
「今回はジェイテクトのホームなので、やっぱりその中で打ってくるサーブやスパイクの質はよくなってくる。そういうものは練習とは違う部分があるので。先週1位通過は決まりましたけど、それまでやってきたことをリセットするのは違う。先週までやってきたことにさらに上乗せして、ファイナルに臨んでいきたいので、試合の慣れとか雰囲気というものを途切らせたくなかった。この先に勝たなきゃいけない試合が待っているので、今週も、絶対に勝たなきゃいけないという気持ちでコートに入って、しっかり結果を出す。そして来週(ファイナル)につなげる、というのが一番大事。今日はそれができていたと思います」
前週までに30個の勝ち星を積み上げてもなお、勝利に飢えているかのように、サンバーズはアグレッシブなバレーで31勝目をつかんだ。それは次戦のレギュラーラウンド最終戦でも変わらない。すべては、ファイナルで勝つために。