2020-21 V.LEAGUE 鳥取大会 JT広島戦
- 開催日時
- 2021年2月28日(日) 13:05
- 会場
- 鳥取県立米子産業体育館
3
- 25-23
- 25-20
- 25-22
WIN
0
試合経過
2020-21V.LEAGUE DIVISION1レギュラーラウンド第26戦。現在23勝2敗で首位を走るサンバーズは、鳥取県立米子産業体育館で7位JTサンダーズ広島と対戦した。
第1セット序盤、サンバーズはミドルブロッカーの塩田が立て続けにクイックを決めて攻撃のリズムを作り7-5と先行した。その後、JT広島のブロックなどで13-14と逆転されるが、ブロックとディグが機能しているサンバーズは簡単には崩れない。藤中が再三好守備を見せ、それを柳田が巧みなブロックアウトで得点につなげて17-16と逆転。ディグやブロックフォローなど1本目の粘り強さと、2本目のつなぎの精度の高さでラリーをものにしていく。終盤には、ムセルスキーのサーブで崩し、塩田のクイックで切り返して20-18と抜け出した。しかしクイックがブロックに捕まり追いつかれると、サービスエースを奪われ21-22と逆転された。それでも、リリーフサーバーの佐藤のサーブで揺さぶり、ミスを誘って23-22と逆転すると、最後はJT広島のスパイクがアウトとなって逃げ切り、この日もサンバーズが競り合いを制してセットを先取した。
第2セットもサンバーズの堅いブロックとディグがはまり、ムセルスキーのカウンターアタックやサービスエースで4-2と先行する。JT広島の好守備から切り返されて追いつかれるが、柳田が多彩なサーブで崩し、大宅のツーアタックや、塩田のクイック、ブロックなどで6連続得点を奪い10-4と一気に引き離した。さらに中盤、塩田のブロックや小野のCクイックなどで得点し、鶴田の好守備から柳田がカウンターアタックを決めるなど16-8と大差をつけた。その後、JT広島のカウンターアタックやサービスエースなどで21-17と追い上げられるが、二枚替えで入っていた栗山がスパイクを決めて流れを取り戻し、サンバーズがセットを連取した。
第3セットもムセルスキーのカウンターアタックで3-1と先行。サンバーズは粘り強いブロックとディグでJT広島のスパイクを1本では決めさせず、ムセルスキーのカウンターアタックで8-4とリードを広げた。追い上げられても、塩田が相手のクイックをシャットアウトして11-7と再びリード。中盤は塩田、小野のスパイクなどで得点を重ねていく。ところがその後、ブロックに捕まったり、スパイクミスが出て連続失点し17-17と追いつかれた。それでも、柳田のスパイクで流れを切り、塩田のキレのあるクイックで再びリズムを取り戻すと、終盤、ムセルスキーのサーブが火をふいた。強力なサーブを打ち込んで自らカウンターアタックを決めたり、エースを奪い21-18と抜け出すと、最後は小野のBクイックで締め、サンバーズがセットカウント3-0で勝利。連勝を16に伸ばした。
前日は試合の出だしに課題があったが、「今日に関してはその部分でしっかりステップアップできていた」と柳田は納得の表情で振り返った。
この日の立ち上がりは、塩田がクイックを立て続けに決めて攻撃のリズムを作った。
塩田は、「昨日のJTのブロックを踏まえて、大宅に『今日は最初真ん中を多めに使って、相手にミドルを意識させて、その後にサイドに散らしていったらどお?』という話をしました。あとは個人的に、大宅に本数を増やして欲しいという話をして、今日はそれがうまくはまったのかなと思います」と笑顔で語った。
この日は塩田が81.8%、小野が80.0%と、ミドルブロッカーが驚異的なスパイク決定率を残した。
加えて、塩田はブロックでも3ポイントを挙げ、ムセルスキーの18得点に次ぐチーム2番目の12得点を奪う活躍だった。
ただ塩田は、そうした数字には表れない部分での貢献度も非常に高い選手だ。今シーズン、先発に固定されているのはそうした理由がある。攻撃では、たとえトスが乱れても、失点せず巧みにカバーする。ブロックでは、直接ポイントにはならなくても、チームがやろうとしているブロックシステムを正確に実行し、タッチを取ってチャンスを作ったり、レシーバーがディフェンスしやすいブロックをする。今季、機能しているブロックディフェンスの要とも言える存在だ。
ブロックにこだわる山村監督が、「塩田は、僕たちのブロックシステムを完全に理解している教科書。だから他の選手を指導する時は、『塩田の動きをまず見ろ』と言います。相手のコンビに合わせて位置どりをして、動いていくんですが、塩田のブロックを見てもらえば僕らのシステムが理解できるよ、と言えるぐらいの存在。僕でも真似できない」と言うほど信頼を寄せている。
「他のミドルの選手にも、塩田が率先してアドバイスをしてくれて、小野や加藤もだいぶ理解度が高まっているので、僕自身が選手に対して直接何か言うことは少ない」と山村監督。
加藤が、「塩田さんは状況判断力があって、相手の癖を見たり、相手が嫌がることが上手。今僕に必要なところが、全部できている」と語っていたが、攻守ともに、ミスが少なく対応力のある熟練のプレーでチームをうまく回している。
サンバーズで経験を重ね、唯一無二の存在になった31歳・塩田は、「例えば僕が加藤や小野ぐらいの年齢であれば、目立つように動いたりすると思うんですけど、今はそれよりも、チームのために動くことが大事」と言う。
1人1人が自分の立ち位置、役割を理解し、それをまっとうしながら、ファイナルステージに向けて突き進むサンバーズ。次週は、5位堺ブレイザーズと対戦する。