2020-21 V.LEAGUE 鳥取大会 JT広島戦
- 開催日時
- 2021年2月27日(土) 14:05
- 会場
- 鳥取県立米子産業体育館
3
- 25-20
- 25-21
- 25-23
WIN
0
試合経過
2020-21V.LEAGUE DIVISION1レギュラーラウンド第25戦。現在22勝2敗と圧倒的な勝率で首位を走るサンバーズは、鳥取県立米子産業体育館で6位JTサンダーズ広島と対戦した。
第1セットの立ち上がり、サンバーズはコンビが合わず相手に切り返されたり、スパイクミスが続いて1-4と出遅れた。柳田が巧みにブロックアウトを奪って連続失点を断ち切るが、その後もJT広島のサービスエースなどで4-9と点差を広げられた。さらに、パイプ攻撃がブロックに捕まり5-11とされる。大宅の力強いジャンプサーブで崩して追い上げるが、サーブレシーブを崩されて9-15と再びリードを広げられた。
それでも、ムセルスキーの強力なサーブが流れを変える。相手のサーブレシーブを崩し、塩田のクイック、柳田のレフト攻撃で切り返して12-15と追い上げ、サービスエースで13-15と迫った。さらに、リリーフサーバーの佐藤のサーブで揺さぶり、相手のミスを誘ったり、ムセルスキーの強烈なカウンターアタックが決まり4連続得点で18-17と一気に逆転した。終盤には大宅も強力なサーブを打ち込み、ムセルスキーのスパイクや小野のブロックで連続得点を奪って22-18と引き離し、サンバーズが6点差を跳ね返してセットを先取した。
第2セットはムセルスキーのスパイクでサイドアウトを奪い、柳田のサーブで崩し、自らパイプ攻撃を決めて4-3と先行した。その後逆転されるが、中盤、ムセルスキーのサーブで崩し、柳田のブロックで仕留めて10-9と逆転。さらに、ムセルスキーの2本のサービスエースや、藤中の好守備をムセルスキーが得点につなげたり、逆にムセルスキーの好守備を藤中が得点につなげるなど、7連続得点で15-9と一気にリードを広げた。スパイクミスが続き追い上げられるが、終盤、藤中のサーブで揺さぶり、ラリーを小野、ムセルスキー、柳田のスパイクで立て続けに制して22-15と再び引き離す。JT広島のサーブに押されて追い上げられるが、最後は藤中が強烈なパイプ攻撃を決めて締め、サンバーズがセットを連取した。
第3セットは塩田のブロックで3-1と先行。その後は互いにサイドアウトを奪い合う展開。サンバーズは藤中のブロックやバックアタックでサイドアウトを奪っていく。中盤、小野が強力なサーブを打ち込んで得点につなげ10-7と点差を広げると、柳田の強烈なスパイクや塩田のクイックでサイドアウトを奪っていく。塩田やムセルスキーの好守備で粘ったラリーを、ムセルスキーのスパイクでものにして14-10と点差を広げた。追い上げられても、ムセルスキーのカウンターアタックやブロックで23-18と再び点差を広げる。その後、JT広島の強力なサーブに崩されてブロックに捕まったり、カウンターアタックを決められて追い上げられたが逃げ切り、サンバーズがセットカウント3-0で勝利。連勝を15に伸ばした。
試合序盤は、ミスが続いたり、JT広島のサーブに押されて連続失点し、一時は6点のビハインドを背負う苦しい立ち上がりだった。セッターの大宅は、「スタートの時点で、少し自分に硬さがあって、いつも通りのトスが上がらなかった」と振り返る。
山村監督は、「試合前に、僕がちょっと意識させるような言葉を言ってしまったのが原因かな。JT広島の小野寺(太志)選手は、今、日本の中でナンバーワンのミドルブロッカーだと思っていますし、かなりブロック力のある選手ということで、大宅には、そこに対してどう攻撃を仕掛けていくのかという課題を与えました。それに対してちょっと硬さが見えたというか、結果的にプレッシャーになったかなという印象があります」と語った。
それでも、今のサンバーズはそのままずるずると崩れることはない。ムセルスキーはこう話す。
「5-11と6点差をつけられたけど、その時にチームメイトの目を見ると、誰も怖がっていなくて、自信にあふれていた。だから、問題ないなと、やっぱりこのチームは強くなっているんだなと感じた。自分たちらしいプレーをしていけば絶対うまくいく、と思うことができました」
その後、ムセルスキーのサーブをきっかけに追い上げに転じた。大宅も、「自分がサーブの時にいいサーブを打てて、ディグも出て、気持ち的に上げていけたので、徐々に修正できた」と自ら立て直し、セットを失うことなく勝利できたことで、またチームは成長を示した。
山村監督は、この日の試合前に選手にわざとプレッシャーを与えたように、「ファイナルに向けて、少しずつストレスを与えながら試合に臨んでいる」と語る。年明けから、ミドルブロッカーの選手起用を変えながら戦っているのもその一環だ。週ごとにテーマを決めたり、選手個々に課題を与えたりもしている。
「それに選手たちが応えてくれている。そのつどステップを用意して、それを一歩ずつ上っているという実感が、僕にもありますし、おそらく選手にも、そう感じる部分があるんじゃないか」と指揮官は手応えをにじませる。
このレギュラーラウンドで勝ち続けながら、最後に頂点に立つために必要なものを、1つ1つ、積み上げているサンバーズ。次戦もまた、新たな進化を上積みするに違いない。