2020-21 V.LEAGUE 箕面HG VC長野戦
- 開催日時
- 2021年1月16日(土) 13:00
- 会場
- サントリー箕面トレーニングセンター
3
- 25-22
- 25-17
- 25-20
WIN
0
試合経過
サンバーズの2021年初試合が、ホーム・箕面トレーニングセンター体育館で行われた。2020-21V.LEAGUE DIVISION1で現在3位につけているサンバーズは、9位VC長野トライデンツと対戦。昨年12月は新型コロナウイルスの陽性者が出た影響でリーグの試合が中止となり、天皇杯にも出場できなかったため、サンバーズにとっては7週間ぶりの公式戦となった。
久しぶりの試合ということで、立ち上がりは硬さがあり、スパイクが決まらず0-2と先行され、重い空気が漂った。しかしそこで、この日Vリーグ初先発のミドルブロッカー加藤が、VC長野のパイプ攻撃をシャットアウト。そこから次第にサンバーズが流れをつかんでいく。
「あのまま3点目も取られておかしくない流れだったところを、加藤があの1本、ブロックを止めたことで、完全に流れを変えることができた」と山村監督は振り返る。
今シーズン初先発の季のパイプ攻撃で5-5と追いつくと、好守備からムセルスキーがカウンターアタックを決め7-6と逆転に成功。中盤にはムセルスキーのカウンターアタックやブロックで11-8と先行した。その後、追い上げられるが、大宅がノータッチエースを決めて16-13と再び引き離す。終盤は季のブロックや塩田のクイックなどで追い上げを許さず、サンバーズがセットを先取した。
第2セットもVC長野の粘りから切り返され2-4と先行されるが、藤中のパイプ攻撃や、鶴田の好守備をムセルスキーが得点につなげて4-4とすぐさま追いつく。再び先行されるが、中盤、ムセルスキーのサービスエースで11-10と逆転すると、好守備をムセルスキーが得点につなげリードを広げた。さらに、季のサービスエース、大宅のブロックで16-12と引き離す。塩田のディグで粘って相手のミスを誘いリードを広げると、終盤にはムセルスキーのサービスエースなどで点差を広げ、サンバーズがセットを連取した。
第3セットは加藤のクイックで勢いよくスタートすると、藤中の好守備を季が得点につなげ3-1と好スタートを切った。サンバーズのミスからリズムを崩し4-5と逆転を許すが、藤中のスパイクなどでサイドアウトを重ね、中盤、好守備で粘って塩田のブロックで仕留め12-12と追いついた。さらに、季がツーでバックアタックを勢いよく打ち込んで流れを引き寄せると、大宅の好守備で粘って相手のミスを誘い15-14と逆転。藤中のブロックで16-14とリードした。終盤、季の強烈なサービスエースが決まり21-18と点差を広げると、リリーフサーバーとして登場した柳田が強力なサーブで崩し、大宅がブロックで仕留めてマッチポイントを握る。最後はこの日絶好調の季がパイプ攻撃を決めて締め、サンバーズが2021年の初勝利を飾った。
12月の試合がなくなり、先週予定されていたリーグも、緊急事態宣言が出されることを踏まえて中止となっていた。山村監督は、「みんな、試合に飢えていた」と言う。そして7週間ぶりの試合となったこの日、サンバーズは各々が自分の役割をしっかりと果たし、セットを落とすことなく勝ち切った。
年内の試合はほとんど先発メンバーを代えることなく戦ったが、この日は今季初めて加藤と季を先発起用した。「12月の2週間の自粛期間の影響は大きかった。まだコンディションが戻りきっていないというわけではないけれど、今のベスト(な選手)を試すいい機会だと思った」と山村監督。その2人が起用に答えた。
季はスパイク決定率66.7%、サーブでも2本のエースを奪うなど高い効果率を残し、ムセルスキーに次ぐ15得点を挙げた。
加藤は要所でブロックやクイックを決めたほか、「リモートマッチ(無観客試合)でお客さんの応援がない中、加藤がムードを作ってくれた」と監督が言うように、得点が決まるたびに走り回ってコートの中を明るくした。
加藤は、「初スタメンで緊張はしたんですけど、多少ミスしたとしても気にせず、ブロックやクイックで、チームのために1つでも貢献できるようにと目標を立てて入りました。最近はブロックシステムの練習をしっかりやっていたので、『練習通りにやればいける』という感覚で、落ち着いてブロックの状況判断ができたかなと思います」と安堵の表情だった。
この日は攻撃のバランスやコンビネーションもよく、チーム全体で71.7%という高いスパイク決定率だった。
正セッターの大宅は、11月の試合で怪我をしていたため、約2ヶ月ぶりの先発出場だったが、それを感じさせないトスワークだった。
大宅は、「(試合ができなかった期間は)僕にとっては、1からみんなとのコンビネーションを作り直す気持ちで、1人1人の好きなトスを思い出す作業に時間を当てられたので、そこに関してはプラスになった」と話す。
何より、リーグが再開されたことへの喜びを噛み締めながら戦ったと大宅は言う。
「12月はリーグが中止になって、天皇杯にも出られず、悔しい思いや歯がゆい思いがありながら、モチベーションを保ってやってきました。今日久しぶりに試合ができて、単純にバレーボールの試合をすること自体が幸せだったし、楽しかった。1点取るたびに嬉しかったし、またこうやってチームメイトと思い切り戦える環境が僕らにはまだ残っているんだと感じて、勝ち負けよりも、バレーボールを思い切りできて幸せだという気持ちが、今日は何より強かったです」
当たり前ではない、バレーボールができる喜び、試合ができることへの感謝を、これからも胸に刻みながら、サンバーズは1試合1試合、全精力を傾けて戦っていく。