2020-21 V.LEAGUE 箕面HG JTEKT戦
- 開催日時
- 2020年11月15日(日) 13:00
- 会場
- サントリー箕面トレーニングセンター
2
- 28-26
- 25-23
- 22-25
- 24-26
- 19-21
LOSE
3
試合経過
2020-21V.LEAGUE DIVISION1レギュラーラウンド第10戦。6連勝中で首位に立つサンバーズは、5位のジェイテクトSTINGSと、ホームの箕面トレーニングセンター体育館で対戦した。
前日の試合中に左足を負傷した大宅に代わり、この日は新人セッター・西田が初めて先発出場した。第1セットの立ち上がり、サンバーズは小野が力強いサーブをミスなく打ち込み、藤中が好守備を見せ、柳田のカウンターアタックなどで5-2と先行した。中盤、ジェイテクトのブロックやサービスエースで9-10と逆転されるが、再び小野のサーブで崩し、ムセルスキーのスパイクやブロックで得点につなげて13-11とリードした。ジェイテクトも武器のサーブが走り出し、逆転されるが、サンバーズには柳田がいる。相手レシーバーを吹き飛ばすサーブでエースを奪い16-15と再び逆転した。その後も一進一退の攻防が続き、デュースとなるが、サンバーズは鶴田が懸命にブロックフォローしながら1点1点サイドアウトを重ね、小野のブロックで逆転。最後は藤中のサービスエースで、第1セットを先取した。
ところが第2セットの立ち上がり、サンバーズのクイックがジェイテクトのブロックに捕まったり、ミスが続いて0-6と大きく出遅れた。しかしここで好調・小野のサーブが火をふいた。パワーあふれるサーブを連続で打ち込んでレシーブを崩し、スパイクミスを誘ったり、ムセルスキー、柳田のカウンターアタックで6-7と追い上げた。
一気に嫌なムードを吹き飛ばした小野は、「僕はチームの中でパワーサーブを打つ役割だし、あそこはセット序盤で、点数も離れていたので、パワーサーブで攻めることが大事だと思った。先週まではサーブのトスが低くなってミスにつながっていたんですが、(コートエンドから見ていた大宅)真樹が、僕が打つ時に後ろから『トスしっかり上げて』と言ってくれたので、トスに集中して、いい感覚で打てていました」と振り返る。
中盤には粘りを発揮し、藤中のスパイクでラリーを制して追いつくと、西田の好守備をムセルスキーが得点につなげ12-11とついに逆転。ムセルスキーの強力なサーブで崩したり、好守備をムセルスキーが得点につなげて19-16とリードを広げた。その後、ジェイテクトのサービスエースなどで追いつかれるが、藤中のスパイクでリズムを取り戻しセットポイントを奪うと、柳田が強烈なサーブを打ち込んで相手のミスを誘い、サンバーズがセットを連取した。
第3セットは柳田のパイプ攻撃や藤中のノータッチエースで4-1と好スタートを切る。ジェイテクトも強力なサーブでプレッシャーをかけ追い上げるが、サンバーズはラリーを柳田の巧みなフェイントでものにして再びリードする。しかし中盤、ジェイテクトに2本のサービスエースを奪われ11-12と逆転された。柳田が強烈なサーブでエースを奪い返し、14-13と逆転するが、ジェイテクトも強力なサーブで攻め続ける。サンバーズは再びエースを奪われて逆転され17-19とリードされると、その後、追い上げることができず、セットを奪われた。
第4セットは西田の好守備を藤中が得点につなげて先行するが、勢いづいたジェイテクトのサーブに崩されて追いつかれ、カウンターアタックを決められ5-6と逆転された。それでも、ムセルスキーのスパイクを中心にサイドアウトを重ね、藤中のサーブで崩してムセルスキーがカウンターアタックを決め11-10と逆転。しかしサンバーズの攻撃が立て続けにブロックに捕まり13-16と再びリードされた。塩田や西田のサーブでプレッシャーをかけて相手のミスを誘い18-18と追いつくが、スパイクミスで先行される。デュースに持ち込むが、コンビが合わずジェイテクトに切り返され、試合をフルセットに持ち込まれた。
第5セットは、ムセルスキーや柳田のスパイクでサイドアウトを重ねるが、サーブレシーブを崩されたり、ブロックに捕まり4-6と先行された。互いに好守備が出てラリーが続くが、サンバーズはブレイクのチャンスをものにできず、サービスエースを奪われ7-10とリードを広げられた。それでも、小野のブロックで追い上げ、ムセルスキーがサービスエースを奪って12-12と追いつくと、ジェイテクトにミスが出て13-12と逆転。柳田のスパイクでマッチポイントを握った。ここで柳田が強力なサーブを打ち込んで崩すが、ジェイテクトのスパイクを封じられず、またもデュースとなる。その後、ジェイテクトのサーブに押されて逆転される。ムセルスキーのスパイクで相手のマッチポイントをしのぐが、最後はスパイクがアウトとなり19-21でゲームセット。フルセットの試合に今季初めて敗れた。
この日、ベンチを外れた大宅に代わってゲームキャプテンを務めた柳田は、「2セット連取してから、向こうのバレーをさせてしまった」と悔しさをあらわにした。
山村監督は、「3セット目以降、サーブが入らなくなり、サーブ効果率が下がったことがパワーバランスが崩れた原因」と敗因を分析した。
2セット目までは強いサーブで相手にプレッシャーをかけ、ムセルスキーを真ん中に置いたブロックとディグが機能していたが、サーブミスが増えたことでディフェンスも機能しづらくなった。
それでも、劣勢を跳ね返してデュースに持ち込むなど、諦めない姿勢や粘りは見せた。山村監督は試合後、「選手たちが下を向く必要はない。素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたので、胸を張ってほしい。あとは僕らが、このチームをどうやって強くしていくかを考えるのが仕事」と語った。
ともにフルセットとなった2日間は1勝1敗に終わったが、収穫は多かった。特に、前日の試合中に大宅に代わって途中出場し、この日Vリーグ初先発を果たした西田は、「チームが負けたことはすごく悔しいんですけど、この2日間試合に出て、得たものはすごく大きい。今後につながる試合でした」と充実した表情だった。
「今まではリリーフサーバーとしての出場でしたが、本職のセッターとして出場させてもらい、昨日タフな試合に勝つことができて、『僕でもジェイテクトに勝てるんだ』という自信につながりました。今日は負けてしまったんですけど...、2日間コートに立って、『今後はいつでも行けるぞ』という自覚が芽生えましたし、もっともっと練習からアピールしていっていいんじゃないかなと感じました」とポジション奪取に意欲をにじませた。
連勝は6で止まり、セット率の差で3位に後退したが、まだ先の長いリーグの糧にできる敗戦だ。次の試合まで1週間空くこともあり、山村監督は、「勝ち続けているよりも、『俺らはまだまだ成長しなければいけないんだ』とチームが一度引き締まるために(この敗戦は)いいアクセントになると思う。この2週間、新しいことにもチャレンジしながら、次の試合への準備をしっかりしていきたい」と語った。
約2週間後の27日、丸善インテックアリーナ大阪で行われるJTサンダーズ広島とのホームゲームでは、さらに進化した姿を見せてくれるに違いない。