2020-21 V.LEAGUE 箕面HG JTEKT戦
- 開催日時
- 2020年11月14日(土) 13:00
- 会場
- サントリー箕面トレーニングセンター
3
- 25-18
- 17-25
- 25-27
- 25-15
- 15-13
WIN
2
試合経過
2020-21V.LEAGUE DIVISION1レギュラーラウンド第9戦。5連勝中で首位に立っているサンバーズは、昨季の王者で現在4位につけているジェイテクトSTINGSと、ホームの箕面トレーニングセンター体育館で対戦した。
試合前の円陣で、山村監督は「ジェイテクトは昨シーズン(ファイナル進出をかけた試合で)最後に負けた相手。早く借りを返そう」と選手たちにハッパをかけた。
その試合の立ち上がり、サンバーズは、昨季サーブ賞を獲得したジェイテクトの西田有志やブラジル出身のフォンテレス・フェリペらの強力なサーブを、リベロの鶴田がしっかりとセッターの大宅に返し、柳田やムセルスキーのスパイクでサイドアウトを重ねると、ムセルスキーのノータッチエースで先行。塩田のサーブで揺さぶってラリーに持ち込み、柳田が相手の隙をつくプレーで得点を奪ったり、ムセルスキーがカウンターアタックを決め10-5とリードを広げた。スパイクミスが続き追い上げられるが、大宅のノータッチエースで12-8と再び点差を広げる。その後、ジェイテクトのサーブで崩され13-12と迫られるが、ここでも鶴田がサーブレシーブを立て直して小野のクイックで流れを切る。すると終盤、柳田のパイプ攻撃、藤中のブロックで連続得点を奪い19-15と抜け出した。その後も堅いブロックとディグから、ムセルスキーや柳田のスパイクで切り返したり、小野のブロックなどで引き離し、サンバーズがセットを先取した。
第2セットはジェイテクトに先行されるが、サンバーズはミドルの位置でブロックに跳んでいるオポジットのムセルスキーが、ブロックでタッチを取り、自らクイックで切り返し3-3と追いついた。ところがその後、ジェイテクトに3連続サービスエースを奪われ3-8とリードされた。中盤、サンバーズもムセルスキー、柳田がノータッチエースを奪って応戦し、8-10と追い上げるが、ジェイテクトのブロックで9-13と引き離される。終盤、セッターの大宅が左足を痛め、代わって新人の西田がコートに入る。その西田が気迫のブロックを見せるが、サンバーズにスパイクミスが続いて引き離され、セットを失った。
第3セットは、ミドルブロッカーの小野がライトからカウンターアタックを決めて先行し、好守備で粘ってジェイテクトのミスを誘い7-4とリード。中盤、小野のブロックで点差を広げた。追い上げられても、小野の好守備を柳田が得点につなげ13-9と再び引き離す。ところがサンバーズは突然リズムを崩し、スパイクやつなぎにミスが出て6連続失点し16-18と一気に逆転された。藤中のブロックで同点とするが、再びジェイテクトのブロックやサンバーズのミスで18-21と引き離された。それでも、ムセルスキーのブロックで追い上げ、好守備をムセルスキーが得点につなげ24-24としデュースに持ち込む。しかし、ブレイクのチャンスをつなぎのミスで逃すと、最後はスパイクミスが出てしまい、セットを失った。
後がなくなったサンバーズは、第4セットの立ち上がり、セッター西田が得意のサーブで揺さぶって相手のミスを誘ったり、ムセルスキーのブロックで仕留めて3-0とし反撃に出る。さらに、ムセルスキーの連続サービスエースや、柳田のカウンターアタックで9-3とリードを広げた。その後も粘り強いブロックとディグでジェイテクトのスパイクを1本で決めさせず、最後はムセルスキーが得点につなげて12-5と点差を広げた。中盤、追い上げられるが、サイドのブロックに入っている小野が2本のブロックポイントを挙げ16-9と引き離す。終盤は藤中、柳田、塩田がノータッチエースを奪って大差をつけ、サンバーズが試合をフルセットに持ち込んだ。
第5セット序盤は、ムセルスキーのスパイクを中心にサイドアウトを重ねていくが、中盤、ジェイテクトのカウンターアタックやブロックで5-7と先行される。追い上げたいところでコンビが合わず、逆にジェイテクトのブロックで7-10とリードされた。それでも終盤、リリーフサーバーとして入った佐藤がサーブで崩して相手のミスを誘い12-12と追いついた。さらに、ムセルスキーのサーブで崩してブロックで仕留め14-13と逆転でマッチポイントを握る。最後はセッター西田の好守備などで懸命に粘り、ムセルスキーが強烈なバックアタックをたたき込み、15-13でゲームセット。競り合いを制して逆転勝利をおさめたサンバーズが、連勝を6に伸ばし、首位をキープした。
大宅のアクシデントで、急きょコートに入った新人セッターの西田が、慣れないコンビに苦心しながらも、得点が決まるとガッツポーズをして走り回り、サーブやディグでも徐々に持ち味を発揮し勝利に貢献した。
山村監督は、「普段、西田は今試合に出ているメンバーとコンビを合わせる時間があまりないので、入って最初はその修正に時間がかかり、コンビミスやスパイクミスが目立ちましたが、試合の終盤にかけて修正していって、周りも簡単にミスを出さずに、粘り強いバレーをしてくれた」と振り返った。
第2セット途中に交代した大宅は、コートサイドで応急処置を受けると、第3セットが始まる前、スタッフの肩を借りてベンチまで行き、西田を呼んで耳打ちした。
「ディマ(ムセルスキー)のトスは、しっかり大きく上げれば、ディマがなんとかしてくれるから、ちっちゃくならずに思い切ってやればいい。いつも(西田)寛基が上げているトスを上げれば、みんな絶対打ってくれるから、みんなを信用して、しっかりムードを上げて、走ってこい」
そう伝え終わると、西田の頭をポンポンとたたいてコートに送り出し、そのあと病院に向かった。
西田は、「ちょっと自分の世界に入ってしまっていたんですが、大宅さんがそういう助言をくださったので、一度心をリセットして、『スパイカーを信用して、僕が与えられた役割をしっかり果たすだけだ』というすごくシンプルな考え方に切り替えることができました」と感謝する。
「ディマも、僕の上げたトスに対して、『もうちょっと前』とか、『もう少しスピードが欲しい』とか言ってくれたので、そこは試合の中で徐々に修正していきました」と西田。試合の中でズレを修正していき、最後はムセルスキーが会心のスパイクを打ち込んで試合を締めた。
正セッターで主将も務める大宅の離脱に揺らぎながらも、踏みとどまって勝利したサンバーズ。競り合いでの強さは本物になりつつある。それでも西田は、「まだトスも修正しきれていないところがある。クイックの使い所なども改善したい」と次戦への課題を挙げた。さらに精度を高め、15日は再びホームで昨季覇者との第2ラウンドに挑む。