2020-21 V.LEAGUE 大阪枚方大会 パナソニック戦
- 開催日時
- 2020年11月 8日(日) 14:00
- 会場
- パナソニックアリーナ
3
- 20-25
- 25-15
- 25-20
- 25-27
WIN
1
試合経過
2020-21V.LEAGUE DIVISION1レギュラーラウンド第8戦。4連勝で2位に浮上したサンバーズは、前日に引き続き、首位パナソニックパンサーズと対戦した。
第1セットはパナソニックの鋭いフローターサーブにエースを奪われて先行され、その後も相手のブロックとディグで拾われて切り返され、前日と同じ展開で3-7と出遅れた。それでも、サンバーズもディフェンスが機能し始め、藤中のカウンターアタックやブロックで7-8と追い上げる。しかし中盤以降もパナソニックのサーブに押されてブレイクされ14-19と点差を広げられた。終盤、リリーフサーバーの佐藤がコートに入ると、鋭いサーブを打ち込み、塩田、柳田の連続ブロックで17-19と再び追い上げるが、その後、連続サービスエースを奪われ、セットを先取された。
第2セットは柳田の巧みなスパイクでサイドアウトを重ね、塩田のブロックで4-2と先行。その後追いつかれるが、ムセルスキーがパナソニックのクイックをシャットアウトし8-6と再びリード。小野のブロックで9-6と点差を広げた。中盤も、藤中の好守備を柳田が得点につなげ12-8とリードを広げる。パナソニックの強烈なサーブも、藤中がしっかりと返して1本でサイドアウトを切ると、柳田が緩急をつけたサーブで揺さぶり、ムセルスキーが立て続けにカウンターアタックを決めて15-9とする。終盤には、合流したばかりの季がリリーフサーバーとして登場し、強力なジャンプサーブを打ち込み、ムセルスキーがクイックで切り返して20-13と大差をつけた。リリーフサーバーで入った西田が好守備で得点につなげるなど、好プレーが続いたサンバーズがセットを取り返した。
第3セットは序盤に柳田が強力なサーブを打ち込んでエースを奪い4-2と先行する。藤中が好守備を連発するなどブロックとディグが噛み合い、それをムセルスキーが得点につなげて9-5とリードを広げた。その後も、小野のサーブで崩し、柳田、塩田がダイレクトスパイクをたたき込み15-8と点差を広げる。しかしパナソニックがメンバーを大幅に交代すると流れが変わり始める。サンバーズにミスが出たり、パナソニックのカウンターアタックやブロックで21-18と追い上げられた。それでも、塩田のクイックで流れを食い止めて立て直し、サンバーズがセットを連取した。
第4セットはサンバーズにスパイクミスが続いて出遅れるが、小野のブロック、塩田のノータッチエースで5-4と逆転。しかしパナソニックもサービスエースやブロックで反撃し、7-8と逆転された。サンバーズはサーブレシーブを崩されてミスが出たり、パナソニックのブロックやサービスエースで12-16とリードされた。それでも、大宅が好サーブを打ち込み、ムセルスキーのブロックや相手のミスで連続得点を奪い15-16と追い上げる。そして終盤、サンバーズの"切り札"西田がリリーフサーバーとしてコートに入ると、鋭いサーブでエースを奪い21-21の同点に。さらに柳田の好守備をムセルスキーが得点につなげ22-21と逆転した。デュースとなるが、最後はムセルスキーが渾身のサーブを打ち込んでエースを奪い、サンバーズがセットカウント3-1で勝利した。
首位に立っていたパナソニックに2連勝し、サンバーズが首位に立った。
サンバーズはブロックとディグが機能し、高い攻撃力を持つパナソニックのスパイク決定率を抑えて主導権を握った。
この2戦は、身長218㎝のオポジット・ムセルスキーを、ブロックの際にミドルに置く布陣が機能した。真ん中にムセルスキーがいることで、相手はクイックやパイプを使いづらくなる。さらに、「相手にとっては、サーブで崩されてサイド攻撃になった時に、ムセルスキーのブロックがレフト、ライト両方にくるので脅威だと思う。それが『サーブレシーブをきっちり返さなきゃいけない』というプレッシャーにもなる。いろんな部分で、ディマ(ムセルスキー)が真ん中にいる効果は大きいと思う」と山村監督は狙いを明かす。
好守備で何度もチャンスを作った藤中も、「ディマがミドルでブロックに跳ぶと、相手がそこをかわしてくるので僕らは的を絞りやすくなって、割り切ったディフェンスができるので、やりやすさはあった」と効果を語った。
ムセルスキーはロシア代表ではミドルブロッカーとしてプレーしているため、ミドルでブロックに跳ぶのは「慣れている」とお手のもの。
昨シーズンからこの作戦は採用していたが、うまくディグが上がっても、ムセルスキーが真ん中にいるため、そこからの攻撃展開が課題だった。しかし今季は、「柳田が加入したことによって、その切り返しの場面での攻撃力を確保できた」と山村監督。加えて、ムセルスキーのクイックでの切り返しも昨シーズンよりスムーズになっている。
また、前日に続き、この日もセット終盤に登場するリザーブメンバーの働きが勝利を引き寄せた。接戦に持ち込み、西田や佐藤、季といった選手たちのサーブをきっかけにブレイクして抜け出すという勝ちパターンが確立されつつある。藤中は、「終盤にリリーフで出てきた選手がきっちり仕事をしてくれるという信頼がすごく強くなっていて、その中で、『自分たちが1点を取りきるんだ』という自信が、強く芽生えている」と言う。
山村監督は、「この2連勝、6ポイントというのは、数字以上にチームにとって大きな財産になる。選手の自信につながるし、僕自身も、今までやってきたことが間違っていなかったのかなという手応えにつながり、すごく嬉しい勝利でした」と喜びを語った。ただ、「まだまだ改善できる点がたくさんあり、まだまだ成長できるチーム」と先を見据える。
5連勝で首位に立ったが、まだまだシーズンは序盤戦。サンバーズの成長が試される厳しい対戦は続く。次週はホーム・サントリー箕面トレーニングセンター体育館で、昨季の王者・ジェイテクトSTINGSと対戦する。