2020-21 V.LEAGUE 大阪枚方大会 パナソニック戦
- 開催日時
- 2020年11月 7日(土) 14:00
- 会場
- パナソニックアリーナ
3
- 17-25
- 25-21
- 25-22
- 28-26
WIN
1
試合経過
2020-21V.LEAGUE DIVISION1レギュラーラウンド第7戦。ここまで5勝1敗の3位につけているサンバーズは、6戦全勝で首位に立っているパナソニックパンサーズと対戦した。
第1セット序盤、サンバーズは意気込みが空回りし「硬さが出た」と山村監督が振り返ったように、スパイクミスが出て先行される。その後もパナソニックの堅いブロックとディグに阻まれてスパイクが決まらず、切り返されたり、サーブレシーブを崩され3-9とリードされた。中盤はムセルスキーのスパイクでサイドアウトを取るが、またもスパイクミスが出て7-15と引き離される。藤中のブロックで連続失点を食い止め、リリーフサーバーとしてコートに入った西田がサーブで揺さぶり、藤中のカウンターアタックなどで10-15と追い上げる。終盤、再び点差を広げられるが、ラリーを柳田の力強いスパイクでものにすると、柳田が強烈なジャンプサーブでエースを奪った。セットは先取されたが、第2セットにつながる流れは作った。
第2セットも先行されるが、大宅の好サーブでチャンスを作り、ムセルスキーがクイックで切り返して4-4と追いついた。その後は互いにサイドアウトを奪い合う。サンバーズは小野、塩田のクイックや柳田のスパイクで得点を重ねていく。中盤、再び大宅が力強いサーブを打ち込み、チャンスボールを大宅が拾うと、柳田がコート中央で跳び上がり、ツーでバックアタックを打つと見せかけて、ライトにいた小野にトス。小野がライトからしっかりとスパイクを決めて11-10と逆転した。
柳田は、「もちろん打つつもりで入りましたが、相手ブロックが自分につこうとするのが見えたので、打つと見せかけたフェイクで引きつけて、サイドに振ろうと思った。あの時はディマ(ムセルスキー)が真ん中にいたのでどうしようかなと思ったんですけど、(小野)遥輝もライトから打てるので」と振り返る。会場も沸かせるプレーでサンバーズが流れをつかんだ。
終盤には、リリーフサーバーとして入った佐藤のサーブで崩し、3枚ブロックで仕留めた。逆転されても、リリーフサーバーの西田が鋭いサーブでエースを奪い21-20と再び逆転。さらに、柳田がカウンターアタックとブロックで連続得点を奪い23-20と一気に突き放し、サンバーズがセットを取り返した。
第3セットは、本来のプレーを取り戻しつつあるムセルスキーが豪快なバックアタックを立て続けに決めると、そのムセルスキーがミドルの位置でブロックに跳び、相手のクイックをシャットアウトし5-3と先行する。さらに、藤中がサイドライン上にノータッチエースを決めたり、ムセルスキーの2本のブロックや、柳田のカウンターアタックで4連続得点を挙げ9-4と引き離した。中盤、サンバーズにつなぎのミスが続き追い上げられるが、柳田が立て続けにスパイクを決めて流れを取り戻し、藤中のサーブで崩して16-12と再び点差を広げる。しかし終盤、ブロックに捕まったり、サンバーズのスパイクを粘り強く拾われて切り返され19-18と迫られた。それでも、必ず得点につなげるリリーフサーバーの西田が登場すると、柳田が好守備を見せ、ムセルスキーが得点につなげて22-19と抜け出し、サンバーズがセットを連取した。
第4セット序盤はパナソニックのサーブに押されて先行されるが、ムセルスキーが苦しい場面でスパイクを決めて踏みとどまると、ムセルスキーのサービスエースで8-7と逆転した。その後逆転されるが、柳田の強力なサーブで崩してミスを誘い10-9と再び逆転。中盤は互いにサーブで攻め、一進一退の攻防が続くが、サンバーズは柳田が強力なサーブを打ち込んでラリーに持ち込み、最後はムセルスキーがブロックの上からスパイクを叩き込んで19-17とリードした。さらに、柳田がサービスエースを奪って20-17と点差を広げた。それでも、パナソニックも強力なサーブを打ち込んで切り返し、22-22と追いつかれ、デュースに持ち込まれた。一歩も引かないサンバーズは、塩田のクイックなどでサイドアウトを奪い、最後は粘り強いブロックでタッチを取って、ムセルスキーがカウンターアタックを決め28-26でゲームセット。
セットカウント3-1の逆転勝利で、首位パナソニックの連勝を止め、サンバーズが2位に浮上した。
昨シーズンは、競り合っても、試合巧者のパナソニックにセット終盤に引き離される展開が多かったが、この日は2セット目以降、終盤の競り合いにサンバーズが勝った。
相手が終盤たたみかけてきても、柳田がサービスエースを奪うなど、相手を押し返す武器が今季のサンバーズにはある。昨季は終盤ムセルスキー頼みになっていたが、この日の第2セット終盤のように、ムセルスキーだけでなく、柳田がスパイクやサーブを決めたり、リリーフサーバーの西田がエースを奪うなど、勝負所での得点のバリエーションが増えた。セッターの大宅は言う。
「昨シーズンは(終盤の競り合いで)ディマ一択になっていましたが、今年はマサさん(柳田)のパイプが僕にとって自信のある攻撃になっていて、どこにでも通用する攻撃が1つ増えたことで、終盤にも攻撃の選択肢が複数ある。相手もディマだけにつけばいいという問題じゃなくなってきているのが今季の強み。今日は(藤中)謙也さんに上げたところでも決めてくれて、すごく流れをつかみやすかったです」
それでも、第3、4セット終盤のようにまだムセルスキーに頼る部分が大きいのも事実。柳田は、「ディマがフルスロットルでやっている中で、もっと攻撃の一翼を担いたいという気持ちは強い。自分がもっとボールを呼んで、後ろから飛びこんでいけば、楽な展開になると思うので、存在感を出していきたい」と言う。
首位チームとの戦いで見えたサンバーズの成長とさらなる可能性。この勝利を自信にして、次戦、パナソニックから首位奪取を狙う。