2020-21 V.LEAGUE 箕面HG 堺ブレイザーズ戦
- 開催日時
- 2020年10月25日(日) 13:05
- 会場
- サントリー箕面トレーニングセンター
3
- 21-25
- 21-25
- 25-20
- 25-21
- 19-17
WIN
2
試合経過
2020-21V.LEAGUE DIVISION1レギュラーラウンド第4戦。ここまで2勝1敗のサンバーズは、ホーム・サントリー箕面トレーニングセンター体育館で堺ブレイザーズと対戦した。
前日の試合では堺のサーブに苦しめられたが、この日も第1セットの立ち上がりにサービスエースを奪われ先行される。それでも、小野が強力なサーブでエースを奪い返し、重い空気を振り払う。さらに小野のサーブで崩し、藤中の好守備を栗山が得点につなげて4-3と逆転した。その後、堺のブロックで6-7と逆転され、中盤は互いにサイドアウトを奪い合う展開。サンバーズは柳田や藤中、栗山のスパイクで得点を重ねていくが、堺のブロックに捕まったり、サービスエースを奪われ12-16と点差を広げられた。終盤、柳田が強力なサーブを打ち込んで崩し、自らパイプ攻撃を決めて19-21と追い上げるが、すぐに流れを切られてしまい、セットを先取された。
第2セットは小野が強力なサーブを打ち込んで得点につなげ4-2と先行し、塩田のブロックや、鶴田の好守備から栗山がカウンターアタックを決めて6-3とリードした。サンバーズのクイックを封じられて切り返され10-10と追いつかれるが、柳田のサーブで崩してラリーで粘り、最後は柳田がパイプ攻撃を決めて15-12とリードした。ところが、サンバーズのサイド攻撃が堺の堅い守備に拾われて決まらず、切り返されて15-16と逆転される。終盤はサンバーズの武器であるクイックが堺のブロックとディグに阻まれる。互いに粘り強く拾うが、サンバーズは決定力を欠き、16-22と引き離され、セットを連取された。
それでも第3セット、塩田のブロックとクイックで勢いをつけると、やられ続けていた堺のクイックを拾い、柳田が立て続けにパイプ攻撃を決めて5-2と先行。さらに、大宅のサーブで崩して藤中がダイレクトスパイクを決めたり、藤中が力強いサーブでエースを奪い8-3とリードを広げた。中盤も藤中のパイプ攻撃やブロックで点差を広げる。堺のカウンターアタックやブロックで追い上げられるが、藤中の好守備で粘って小野が得点につなげて流れを取り戻す。終盤は柳田や藤中がスパイクを決めて締め、サンバーズがセットを取り返した。
ここまでは前日と同じ展開だが、ここから同じことは繰り返さない。第4セットの立ち上がり、勢いをさらに増すために、スパイクを決めた栗山が力強いガッツポーズを見せて走り回る。藤中が巧みなショートサーブで崩し、鶴田が好守備でチャンスを作ると、藤中がライトから強烈なバックアタックを叩き込み7-4とリードを広げた。その後も、粘り強くつないだボールを柳田が決めたり、小野のサービスエースや、栗山や柳田のカウンターアタックで12-5と点差を広げる。堺のブロックやサービスエースで追い上げられるが、塩田のブロックや栗山のカウンターアタックなどで19-10と再びリードを広げた。終盤にはセッターの西田とオポジットの松林が二枚替えでコートに入り、松林が今季初得点を挙げる。その後追い上げられるが、最後は松林のスパイクで締めて逃げ切り、試合をフルセットに持ち込んだ。
第5セットは大宅がこの日初めてのツーアタックを決めて勢いに乗る。先行されても、藤中が堺のオポジット、ジョン・ウェントの強烈なスパイクを何度も拾い、それを柳田が巧みなスパイクで得点につなげて6-5と逆転。さらにサーブ好調の小野がこの日3本目のサービスエースを奪い7-5とリードした。堺のブロックやサービスエースで9-10と逆転されるが、栗山が高い打点からスパイクを決めて攻撃を立て直し、大宅のノータッチエースで12-11と逆転した。
その後、堺のブロックで逆転され、13-14とマッチポイントを握られるが、大宅の好守備から柳田がカウンターアタックを決めて15-14と逆転。再び逆転されても、栗山のスパイクでピンチをしのぐ。そして、柳田がこの日1番のサーブを打ち込んでエースを奪い18-17とマッチポイントを握った。最後も柳田のサーブで崩し、堺にミスが出て19-17でゲームセット。サンバーズが2セットダウンからの劇的な逆転勝利で、箕面トレーニングセンター体育館での初白星を飾った。
この日はサーブミスもあったが、第5セットの17-17の場面でサービスエースを奪い、持ち前の勝負強さを発揮した柳田は、「あそこは意外と力を入れてなかった」と振り返った。
「ちょっと1回力を抜いて、こっちの仲間を信じて、トランジション(守備から切り返すこと)にかけてみようと思ったら、逆に力が抜けてうまくコースに打てた。『あ、こういうことなのかな』と感じました」と柳田。
この日はサーブとサーブレシーブが前日とは逆転した。第1、2セットは取られたが、サンバーズはサーブで終始堺にプレッシャーをかけることができていた。また、前日に大きく崩されたサーブレシーブも修正。強いサーブが来ても、コートの中に上がるレシーブが多かった。安定したサーブレシーブで支えた藤中はこう語る。
「昨日の試合の後、レシーバーでしっかり対策を練ることができた。相手がどこを狙ってくるかがはっきりしていたので、それに対して、隣の選手が半歩寄ったり、スイッチしたり、状況によっていろんな対策を考えながらやった。最終的には個人的なスキルになると思いますが、そこもそれぞれが改善できていたと思います」
同じ相手と2連戦を行う今シーズンは、初日に勝ったチームが翌日も勝利を挙げているが、唯一このサントリー対堺戦だけは、初日に敗れたサンバーズが翌日勝利した。
「同じチームとやっても2日目に修正できる可能性があるということをこの2戦で感じたし、昨日と同じような展開で、同じ負け方がよぎる中で立ち直れたところは、チームとして一つ大きくなれたのかなと感じる」と柳田は言う。
まだ外国籍選手が不在の中で大接戦を制し3勝目を挙げられたことに、主将の大宅も「昨日と同じ負け方を絶対にしたくなかったし、気持ちで負けることだけは嫌だった。この4試合はチームとしても、個人としてもすごく自信がつきました」と手応えを漂わせた。
敗戦から見えた課題に向き合い、苦しみながらも1日で勝利につなげたサンバーズ。今季初のビジターゲームとなる次週のVC長野トライデンツ戦に向け、また万全の準備を整える。