2020-21 V.LEAGUE 開幕戦 箕面HG WD名古屋戦
- 開催日時
- 2020年10月17日(土) 13:00
- 会場
- 箕面スカイアリーナ
3
- 25-19
- 32-34
- 25-21
- 25-21
WIN
1
試合経過
2020-21V.LEAGUE DIVISION1がいよいよ開幕。サンバーズはホーム・大阪府箕面市のスカイアリーナにウルフドッグス名古屋を迎え、頂点を目指す戦いをスタートさせた。
試合の立ち上がり、4シーズンぶりにサンバーズに復帰した柳田が強力なサーブを打ち込んで勢いをつける。オポジットに入った栗山がバックアタックで最初の得点を奪うと、セッター大宅とミドルブロッカー小野のクイックの息もピタリと合い、柳田のパイプ攻撃も鮮やかに決まって3-2と先行した。その後、栗山や小野のスパイクでサイドアウトを重ねると、栗山のディグから柳田が反応よくツーアタックを打ち込んで得点につなげ8-5とリードを広げた。中盤、WD名古屋のブロックで1点差に追い上げられるが、大宅や塩田が粘ってつないだボールを柳田が得点につなげて再びリード。終盤、WD名古屋のサーブに崩され20-19と追い上げられるが、柳田のスパイクで流れを切ると、栗山がサービスエースを奪って引き離し、最後は塩田のブロックで締め、サンバーズがセットを先取した。
第2セットは序盤、大宅が多彩なサーブで相手を揺さぶり、小野のクイックや栗山のブロックで連続得点につなげ6-2と先行した。さらに、藤中のブロックで7-2とリードを広げる。WD名古屋も好守備を見せるが、サンバーズも粘り負けせずに拾って、柳田や栗山が得点につなげて流れを渡さず、柳田がコートの角にノータッチエースを決めて12-7と点差を広げた。終盤には藤中のパイプ攻撃が決まり、柳田のカウンターアタックや大宅のブロックで19-14と引き離した。
ところが終盤、WD名古屋のクレク・バルトシュに強烈なサーブで5連続エースを奪われ21-23と一気に逆転された。それでも栗山のスパイクでデュースに持ち込み、小野のブロックで25-24と逆転。その後は大宅が巧みに塩田のクイックを使ってサイドアウトを重ねるが、サンバーズはセットポイントをものにできず、WD名古屋のブロックで29-30と逆転される。最後はサンバーズのスパイクがアウトとなり、惜しくもセットを失った。
第3セットがスタートする時、柳田がコート上で「行こーぜ!」と声を張り上げ、周りの選手たちのお尻や背中を叩いて鼓舞した。空気が変わったサンバーズは、それまで守備で存在感を発揮していた藤中が、ライトスパイクやパイプ攻撃を次々に決めて攻撃でも存在感を発揮。小野、塩田のクイックも機能して8-5とリードした。さらに、柳田が連続サービスエースを奪って11-7と点差を広げた。中盤、1点差に追い上げられるが、小野の2本のブロックや藤中のカウンターアタックが決まり15-11と再び引き離す。WD名古屋のブロックなどで追い上げられるが、栗山のスパイクで流れを切ると、藤中の好守備を栗山が得点につなげたり、藤中がパイプ攻撃を決めて4連続得点。21-16と一気に突き放し、サンバーズがセットを奪った。
勢いそのままに、第4セットも栗山が力強いバックアタックを立て続けに決めて2-0と先行。柳田もパイプ攻撃を次々に決め、かと思えば、パイプを打つふりをしてジャンプトスを上げ、藤中がキレのあるスパイクを叩き込む。サンバーズは多彩な攻撃で流れを渡さず、柳田のブロックで6-3。大宅のツーアタックも決まり9-5とリードを広げた。中盤も、小野が堅いブロックで相手のブレイクを阻み、栗山のスピーディなカウンターアタックや柳田のブロックで15-9と点差を広げた。その後、立て続けにサーブレシーブを崩されたり、好守備から切り返され17-16と迫られるが、柳田がエンドラインにノータッチエースを決めて19-16と再びリード。終盤、リリーフサーバーとして入った喜入もサービスエースを奪って点差を広げると、最後は小野も強力なサーブを打ち込んでエースを奪い25-21。サンバーズがセットカウント3-1で、開幕戦を白星で飾った。
試合前半は、柳田が声やプレーでチームに勢いを与え、後半は久しぶりにオポジットで先発したチーム最年長の栗山がスパイクを決め続けた。栗山がチームトップの24得点、柳田が23得点と、経験豊富な2人がチームを牽引した。
重量感の増したスパイクを打ち込んだ栗山は、「今年は夏場に限界まで追い込むトレーニングをしっかりできたので、土台が違うのかなというのがあるし、今季はオポジットとして準備ができていたことも大きい。とはいえ僕は大砲じゃないのでマークされたらきついんですが、大宅が上手に相手ブロックを振ってくれたので、気持ちよく打てて乗っていけました」とセッターの大宅に感謝した。
柳田は、体勢を崩しながらもブロックの後ろにフェイントを落とすなど、攻撃の引き出しの多さを存分に発揮した。「まだ納得できない。チームから託してもらったボールを決めきれていなかった」と課題を口にしながらも、「練習では経験できないしびれる場面で、喜入や(小野)遥輝が(サービスエースを)決めてくれたり、みんなが粘ったり、そういう体温が上がるようなシチュエーションでバレーができるのはここしかないと思ったので、すごく感慨深かった」と4シーズンぶりのサンバーズでの勝利を噛み締めた。
今季のサンバーズは「PLAY HARD〜限界への挑戦〜」をスローガンに、「最後まで諦めない」という姿勢を追及してきたが、この試合は、セットを奪われてもそこから巻き返し、塩田がフェンスに激突しながらボールを追うなど随所に「諦めない姿勢」が見られた。初采配を勝利で飾った山村新監督は、「今日の試合で選手たちがそういう姿勢を見せてくれたことが一番うれしかった。"戦えるチーム"を作りたいと、どんな時でも下を向かずに、みんながチームとして戦っていくことを一つの目標にしていましたが、今日は選手たちがそれを体現してくれた」と選手をたたえた。
コロナ禍でムセルスキーと季の合流が遅れている中、日本人選手が個々の強みを発揮して劣勢を跳ね返し、勝ち取ったこの勝利の意味は大きい。勝利を自信に変え、長丁場のリーグをサンバーズはたくましく、泥臭く戦い抜く。