10月26日、2019/20Ｖ.LEAGUE DIVISION1が開幕した。昨シーズン4位のサンバーズの開幕戦の相手は、昨季5位のウルフドッグス名古屋（昨季まで豊田合成トレフェルサ）。白星発進を目指し、相手のホーム・武田テバオーシャンアリーナに乗り込んだ。
　第1セット、サンバーズはムセルスキーのブロックで2-0と先行すると、塩田が強力なジャンプサーブを打ち込んで星谷がブロックで仕留めたり、名古屋のミスを誘って7-3とリードを広げた。サンバーズのスパイクを粘り強く拾われて切り返され、7-7と追いつかれるが、藤中のスパイクで連続失点を断ち切ると、今季新たに加入した中国人選手・季も力強いパイプ攻撃を決めて流れを引き寄せる。すると中盤、ムセルスキーが4人のレシーバーの間を狙ってサービスエースを決め、12-10と抜け出した。さらに、星谷が名古屋のクイックをシャットアウトして15-12とリード。終盤には、季のブロックで点差を広げ、鶴田の好守備をムセルスキーが得点につなげて21-17と引き離す。コンビミスが出て追い上げられ、名古屋の好守備から切り返されて23-22と迫られるが、ムセルスキーがストレートに強烈なスパイクを打ち込んで流れを切り、最後は星谷がクイックを決めてサンバーズがセットを先取した。
　第2セットは藤中がサイドライン上にノータッチエースを決めて好スタートを切ると、星谷のブロックで2-0とこのセットも先行。季の強力なサーブでプレッシャーをかけ、ムセルスキーがカウンターアタックを決めて8-4とリードを広げた。中盤、季の好守備を大宅がしっかりとつなぎ、ムセルスキーが強烈なスパイクを叩き込み10-5と引き離す。さらに、塩田が名古屋のクイックを1枚でブロックして14-8と点差を広げた。終盤には、コートに入ったばかりの小野がブロックを決めたり、好守備から季が勢いよくパイプ攻撃を決めて連続得点を奪い20-12と大差をつけた。小野のキレのあるクイックや藤中のパイプ攻撃など、サンバーズは相手に的を絞らせない攻撃を繰り出し、セットを連取した。
　第3セットは名古屋のブロックで2-4と先行されると、名古屋の強力なサーブにエースを奪われたり、ブロックに捕まり3-7とリードされた。それでも、相手のクイックを封じて藤中のパイプ攻撃で切り返し、追い上げを開始。星谷の連続ブロックと季のカウンターアタックで10-10と追いついた。その後、名古屋のミスで12-10と逆転。追い上げられても、塩田の巧みなショートサーブで揺さぶってミスを誘い、再びリードを奪う。終盤、名古屋にカウンターアタックを決められて20-20と追いつかれ、互いにサイドアウトを奪い合いデュースにもつれるが、最後は藤中が、今季パワーアップしたサーブでこの日2本目のエースを奪い、26-24で競り合いをものにした。サンバーズはセットカウント3-0で開幕戦を白星で飾った。
　試合後、主将の星谷はまず、「僕らがバレーボールをできるのは当たり前のことではない。対戦相手のウルフドッグス名古屋の人たちもいなければできませんし、試合の準備をしてくれる方々、お客さんも含めて、皆さんがいてこそ成り立っているので、そこに感謝しながらプレーし、その上で勝利で終わることができてよかった」と感謝の思いを口にした。
　サンバーズは強化してきたサーブが効果を発揮し、ブロックや好守備で名古屋のスパイク決定率を抑え、ブレイクチャンスを確実にものにした。特に名古屋の武器であるクイックを封じたことが大きかった。チームの10本のブロックポイントのうち5本を奪った星谷はこう手応えを語った。
「リードブロックをしっかり練習の中でやってきていて、相手が簡単に決められない状況を、僕らがちゃんと試合で発揮できたのかなと思います」
　また、この日がサンバーズデビュー戦となった季が、58.8％という高いスパイク決定率で勝利に貢献した。試合後は、「日本のバレー会場の雰囲気がとてもよくて感動しました。お客さんがたくさん入っていて、しかもバレーのことをよく知っているお客さんがたくさんいる。とてもプレーしやすい雰囲気でした」と興奮気味に語った。
「このいい雰囲気の中で、自分のプレーを100％出せるように頑張っていきたい」と話したように、コンビの精度やサーブではまだ本来の力を出し切れていなかっただけに、今後さらなる爆発が期待できる。
　新戦力が噛み合い好発進したサンバーズは、27日、同じく開幕戦勝利を挙げたジェイテクトSTINGSと対戦する。