2018-19 Vリーグ 大阪枚方大会 JT戦
- 開催日時
- 2018年12月 9日(日) 12:00
- 会場
- パナソニックアリーナ
3
- 16-25
- 29-27
- 22-25
- 25-23
- 15-9
WIN
2
リザーブメンバー
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小野 遥輝
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山本 湧
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秦 耕介
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塩田 達也
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喜入 祥充
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小川 猛
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米山 達也
試合経過
2018/19Vリーグは年内最後の試合を迎えた。現在11勝1敗で首位に立っているサンバーズは、4位のJTサンダーズと対戦した。
第1セットの立ち上がり、サンバーズはブロックのワンタッチでチャンスを作って藤中、ムセルスキーがカウンターアタックを決め2-0と好スタートを切る。しかしその後、逆にサンバーズの攻撃を切り返されて連続失点し3-4と逆転され、JTのブロックで5-7とリードされた。サンバーズは栗山のスパイクでサイドアウトを重ねるが、中盤、2本のサービスエースを奪われたり、サーブを崩されて次々にカウンターアタックを決められ、5連続失点で8-15と点差を広げられた。ムセルスキーのサービスエースで追い上げるが、終盤、JTのブロックで再び引き離され、セットを先取された。
10連勝中ではあるが、前日のジェイテクトSTINGS戦でも8本のサービスエースを奪われており、サーブレシーブでの直接失点は課題だった。それがこの日の第1セットにも出てしまった。
第2セットはJTの粘り強い守備に拾われラリーが続くが、サンバーズはしぶとくサイドアウトを重ね、星谷のサーブで崩してムセルスキーのブロックやカウンターアタックで連続得点を奪い6-4と先行した。ミスが出て追いつかれるが、大宅がサービスエースを奪い11-9と再び先行。逆転されても、好守備からムセルスキーがカウンターアタックを決めて15-14と逆転。しかし終盤、サンバーズのスパイクが立て続けに1枚ブロックに捕まり18-20とリードされた。それでも、コートに入ったばかりの小野がいきなり相手のクイックをシャットアウトし21-21と追いつく。先にセットポイントを握られるが、小野の勢いのあるクイックでデュースに持ち込む。ラリーを栗山のスパイクで制してサイドアウトを重ねると、ムセルスキーがカウンターアタックを決めて逆転し、最後はJTにスパイクミスが出て、サンバーズがセットを取り返した。
第3セットはJTのサービスエースなどで2-5と出遅れたが、大宅の好守備をムセルスキーが得点につなげて追い上げ、ムセルスキーの強力なサーブから、小野のクイックで切り返して6-6と追いついた。しかし中盤、サンバーズのスパイクを拾われて切り返され6-9と再び引き離される。ムセルスキーのスパイクもJTの堅いディグに拾われて思うように決まらず、切り返されて10-14と点差を広げられた。それでも、小野が相手のカウンターアタックをブロックで封じると、今度はセット途中から入った塩田もブロックで続き16-17と追い上げる。しかし終盤、JTのサービスエースやブロックで連続失点し、17-22と再び引き離されてセットを奪われ、サンバーズは後がなくなった。
第4セットはムセルスキーがノータッチエースでチームに勢いをつけると、米山のサーブで崩して栗山が押し込み3-5と先行した。追いつかれても、好守備からムセルスキーがカウンターアタックを決めて8-6と再びリードする。その後、栗山がブロックに捕まり逆転されるが、JTのミスで追いつき、中盤は栗山のパイプ攻撃などでサイドアウトを重ねる。すると大宅のサーブで崩し、ムセルスキーがカウンターアタックを決めて16-14と再びリードを奪った。終盤、JTに粘られてミスを出し22-22と追いつかれるが、栗山の好守備をムセルスキーが得点につなげて24-22とセットポイントを握ると、最後は塩田がキレのあるクイックを決めて逃げ切り、試合をデュースに持ち込んだ。
第5セットの立ち上がりは、塩田の巧みなサーブで揺さぶってムセルスキーがカウンターアタックを決め、ムセルスキーのノータッチエースで4-1と好スタートを切った。その後も守備が機能し、作ったチャンスをムセルスキーが確実に決めて10-5とリードを広げた。さらに、ムセルスキーの2本のブロックなどで13-7と点差を広げ、サンバーズはフルセットを制し、逆転勝利。
サンバーズは連勝を11に伸ばし、12勝1敗の首位で年内のリーグを終えた。
フルセットの試合は開幕のJT戦以来で、今季は2戦2勝。昨シーズンはフルセットで勝ちきれないことが多かったが、大宅は「今年は"勝てる"って気がする。競れば競るほど、チームのギアが上がるんです」と言う。昨シーズンは競り合いを落とし6位に沈んだチームが、今シーズンはここまで12個の勝ち星を積み重ねながら、競り合いに強いチームへ変貌を遂げてきた。
この日は途中からコートに入ったミドルブロッカーの2人、小野と塩田が試合の流れを変えた。JTの高さのある攻撃に対し、荻野監督は高さとブロック力のあるミドルブロッカー鈴木、星谷を先発で起用したが、「今日に関してはなかなかブロックが止まらず、クイックも決まっていなかったので、じゃあサイドアウト力のあるミドルを使おう」と第2セット途中から小野、第3セット途中から塩田を投入した。
セッターの大宅は、「4セット目の最後を(塩田の)クイックで切って終われたのが大きかった。それがあったから5セット目にリードすることができた。5セット目はほとんどディマ(ムセルスキー)に上げていたけど、相手のミドルブロッカーは(クイックをマークして)ワンテンポ遅れていた。今日は(小野)遥輝と塩田さんに助けてもらいました」と語った。
ルーキーの小野は6本すべてのクイックを決める100%の決定率で持ち味の攻撃力を発揮した。この日でレギュラーラウンドの約半分が終わったが、前半戦でチームが得た大きな収穫の1人。荻野監督は、「新人の大宅と小野はよくやっている。小野は、どこまで通用するかなと思っていたけれど、持っている物を100%発揮している。サイドアウトを取ることに関しては、塩田と同じか、それ以上の能力を持っている」と評価する。
小野自身も、「高いブロッカーに対して、『こっちに来てるな』と思ったら逆に打ったり、ブロックを見て瞬時に打ち分ける判断が、試合をするにつれできるようになっている。今日は相手のサーブが強かったので、『サーブレシーブが返った時には100%自分が決める』というぐらいの自信がないと周りを助けることができない。攻撃の部分では、そういう自信がついたのかなと思う」と手応えを語る。
新戦力の成長とともに、スケールアップしている今季のサンバーズ。首位に立ってもまだまだ伸びしろはある。
年内のリーグ戦は終えたが、次週から2週に渡って天皇杯ファイナルラウンドが行われる。サンバーズの初戦は12月15日。連勝の勢いそのままに天皇杯に臨み、今シーズンの1冠目を獲りにいく。