2018-19 Vリーグ開幕 東京HG JT戦
- 開催日時
- 2018年10月26日(金) 19:30
- 会場
- 大田区総合体育館
3
- 25-19
- 21-25
- 18-25
- 25-22
- 15-12
WIN
2
リザーブメンバー
-
岡本 祥吾
-
山本 湧
-
秦 耕介
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塩田 達也
-
小川 猛
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米山 達也
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喜入 祥充
試合経過
10月26日、新生V.LEAGUEが開幕した。新リーグの栄えあるオープニングマッチは、サンバーズのナイターホームゲーム。
大田区総合体育館にJTサンダーズを迎え、華やかに開幕戦が行われた。
会場に張りめぐらされた横断幕と、ファンが身にまとうビブスで、大田区総合体育館は真っ赤に彩られた。
サンバーズホームゲームではもうおなじみのプロジェクションマッピングの演出の中、やや緊張した面持ちの選手たちが1人1人コールされ、戦いへの士気を高めた。
サンバーズの開幕スタメンは、新主将の藤中、鈴木、栗山、星谷、大宅、今年新加入したロシア代表のムセルスキー、リベロは鶴田。
第1セットは、セッター大宅が星谷のクイックを使い初得点を挙げると、オポジットに入ったムセルスキーがカウンターアタックを決めて3-1と先行。さらに、藤中のサービスエースが決まって4-1とリードを広げた。狙い通りの好スタートを切ったが、サンバーズは栗山のスパイクがブロックに捕まり連続失点すると、コート後方にノータッチエースを決められ6-7と逆転を許してしまった。中盤にもサービスエースを奪われ11-9とリードされた。
サンバーズは昨季も開幕戦でJTと対戦し敗れている。しかも昨季はJTに一度も勝てていない。そんな相性がよぎったのか、コート内には重い空気が漂い始めていた。しかし、新加入のムセルスキーが、その空気を振り払った。218cmの身長をいかした非常に高い打点から、角度のあるジャンプサーブで連続サービスエースを奪い14-13と逆転。その後もムセルスキーが緩急をつけながらサーブで揺さぶると、栗山や大宅の連続ブロックなどで7連続得点につなげ18-13と一気に引き離した。藤中は、「ちょっとネガティブになっていたけど、サービスエースという波に乗るきっかけが生まれてチームが活気づいた」と振り返る。その後、サンバーズは今年鍛えてきたブロックのワンタッチとディグで粘り強く拾う。最後はその好守備をムセルスキーが得点につなげ、25-19で第1セットを先取した。
ところが第2セットは藤中のスパイクがミスとなり0-3と出遅れる。それでも星谷のクイックで流れを切ると、栗山の好ブロックで連続得点を挙げ5-5と追いついた。その後は栗山のスパイクでサイドアウトを重ねていく。しかし中盤、JTのブロックに捕まり先行されると、JTのオポジット、エドガー・トーマスにサービスエースを奪われ11-15と一気に点差を広げられた。サンバーズは守備が機能し、ボールを直接コートに落とす場面は少なく粘りは発揮するが、それを得点につなげられず、第2セットを失った。
第3セットも立ち上がりにスパイクミスが出てつまずき、JTにサービスエースを奪われる。ムセルスキーのスパイクも立て続けにブロックされ0-5と出遅れた。その後、ムセルスキーの初ブロックなどで追い上げるが、JTのカウンターアタックで再びリードを広げられる。中盤は星谷のクイックや栗山のバックアタックなどでサイドアウトを奪うが、連続得点につなげられず、逆にJTにサービスエースを奪われて11-17とリードを広げられた。サンバーズはサーブが弱く、しかも終盤はサーブミスが続き反撃を糸口をつかめないまま、セットを連取された。
第4セットの出だしは、藤中がJTの大砲エドガーをシャットアウトし雄叫びをあげる。星谷もブロックで続きJTのカウンターアタックを阻止。すると、このセットから入った塩田の好守備を、藤中が巧みなスパイクで得点につなげて8-7と逆転した。サーブレシーブを崩されて切り返され、スパイクミスが出て10-12とリードされるが、栗山のスパイクや塩田のクイックでサイドアウトを重ねて食らいつくと、星谷のブロックで16-16と追いついた。引き離されても、ブロックのワンタッチと藤中の好守備から、ムセルスキーがカウンターアタックを決めて20-20と追いつき、JTのミスで21-20と逆転に成功。さらに、鶴田の好守備からムセルスキーがスパイクを決めて23-21とリードを奪い、サンバーズが試合をフルセットに持ち込んだ。
第5セットは、第4セットから入って流れを変えた塩田が勢いよくクイックを決めて好スタートを切ると、藤中が鋭いサーブで揺さぶってJTのミスを誘い4-2と先行。その後追いつかれるが、再び塩田のクイックで流れを切ると、ムセルスキーが鋭角にスパイクを決めて流れを引き寄せ、JTのミスで8-6と再びリードした。すると、塩田が勢いよくジャンプサーブを打ち込んで立て続けにJT守備陣を崩し11-7と点差を広げた。JTのブロックなどで11-10と迫られたが、ムセルスキーのスパイクで流れを断ち切り、藤中も力強いスパイクを決めて勝利を引き寄せる。最後はJTのスパイクがアウトとなり、サンバーズが15-12でフルセットの接戦に競り勝ち、開幕戦勝利を飾った。
日本デビュー戦でチーム最多の30得点を挙げたムセルスキーは試合後、「今日は本当にバレーボールを楽しめた」と笑顔で語った。「非常にハードな難しい試合だったけれど、内容的にいいところも出ていた。JTは非常に強い相手だったけれど、だからこそ勝つことができて嬉しいし、満足している。今はまだサンバーズのチームの特長や、選手それぞれのカラーを観察しながら、自分がどういう形で貢献できるかを考えながらプレーしている。これからも自分のベストな姿を見せていきたい」
好不調の波のある試合だったが、ホームの真っ赤な応援に後押しされたと、主将の藤中は感謝する。「見渡せば会場中が赤色でしたし、応援の温度や声援も、昨シーズンより大きく感じられて、自然と気持ちの部分で助けられていたところが大きかったですね」
開幕戦の勝利は4年ぶり。しかも昨季全敗していたJTからの勝利。また、昨シーズンはフルセットの試合になかなか勝てなかったこともあり、この日は勝利の瞬間、ベンチの選手たちがコートになだれ込み、歓喜の抱擁が広がった。「泣きそうに嬉しかった」と藤中は満面の笑顔だった。
荻野監督は、「2、3セットを連取されて、昨季までなら負けパターンだったけど、今年は踏ん張れた。かなり選手の自信になったんじゃないか」と語る。まだたった1試合。しかし、昨季までとは違うんだという、確かな変化と自信につながる開幕戦だった。