2017/18Ｖ・プレミアリーグ、ファイナル6第2戦。レギュラーラウンド5位のサンバーズは、レギュラーラウンド１位のパナソニックパンサーズと対戦した。
　第1セットは藤中や塩田のスパイクでサイドアウトを重ね、エスコバルの狙いすましたサービスエースで3-2と先行した。しかしパナソニックにカウンターアタックやブロックを決められて逆転され、その後もパナソニックのサービスエースやブロックで6-9とリードを広げられた。それでもサンバーズは栗山がスパイクを決めてリズムを作ると、大宅の好守備を藤中が得点につなげて追い上げ、エスコバルのカウンターアタックで10-10の同点に。さらに、藤中が巧みにカウンターアタックを決めて11-10と逆転。その後もブロックのワンタッチから藤中がスパイクを決め13-11と点差を広げた。
　サンバーズのミスなどで逆転されるが、エスコバルのサーブから塩田がブロックを決めて逆転し、エスコバルのサービスエースで16-14と再びリードした。ところがその後、スパイクミスが出て追いつかれると、パナソニックのミハウ・クビアクの巧みなサーブに揺さぶられてエースを奪われ16-17と逆転された。さらにその後もスパイクミスが出て引き離される。終盤、サーブにミスが続いて追い上げることができず、第1セットを失った。
　一方的な展開になることが多かったレギュラーラウンドのパナソニック戦と違い、第1セットはいい流れはできていた。鶴田はこう語る。
「1セット目は準備していたことがしっかり機能していた。パナソニックはサーブがいいので、相手のジャンプサーブが強いところでは（エスコバルを入れて）4人でレセプションに入ったり、フローターサーブの時に（普段は入らない）クリさん（栗山）にも負担してもらって、A、Bパスを多くしようとした。それと、AパスだけじゃなくBパスの時にもしっかりとクイックやサイドの速い攻撃を使うというのを練習してきて、そういう面ではやってきたことはできていました」
　加えて、サーブで攻めてブロックやディグも機能し、接戦に持ち込んだが、緊迫した展開の中、サンバーズはスパイクミスを出してサイドアウトを逃し、流れを失ってしまった。
「ミスのない相手に、こちらからミスを出すとやはり向こうにペースを持っていかれる」と荻野監督。
　その流れを引きずったのか、第2セットの立ち上がりはサーブで揺さぶられ、スパイクミスが出たり、ブロックに捕まり1-4と出遅れた。その後もスパイクミスで3-7と引き離される。大宅が強力なサーブを打ち込み栗山がブロックで仕留めて追い上げ、さらに鈴木が相手のクイックをシャットアウトして8-9と追い上げるが、レセプションを崩されてスパイクミスで失点し8-12とリードを広げられた。ここで荻野監督はエスコバルに代えて小川を、早めの投入。その小川が勢いよくパナソニックのブロックを弾き飛ばしてスパイクを決めチームに勢いをつけ、好守備を藤中が得点につなげて追い上げるが、終盤、立て続けにブロックに捕まって引き離され、第2セットも奪われた。
　第3セットもパナソニックのカウンターアタックやブロックで1-3と先行されるが、その後は、1本で決まらなくても粘り強く拾って何度も攻め直し、しぶとくサイドアウトを重ねて食らいついていく。すると、栗山が強力なサーブで崩し、藤中がカウンターアタックを決めて8-8と追いついた。そして中盤にはエスコバルのカウンターアタックで12-11と逆転した。ところがその後、3連続スパイクミスが出て逆転を許し、その後も連続失点は止まらず13-17と一気に引き離された。終盤もパナソニックの粘り強い守備に阻まれて切り返され、点差を広げられてゲームセット。サンバーズはセットカウント0-3で敗れた。
「1セット目、最後に勝ちきれなかったのが2、3セット目につながってしまった。バレーはセットスポーツだということを理解して、しっかり切り替えるべきだった」と藤中は唇を噛んだ。
　ただ、荻野監督は、「サーブを思い切り打っていってそれが機能しているし、サーブで崩せれば、ミドルブロッカーを中心にいいブロックをしている。明日には十分つながる」と前向きに語った。
　ファイナル6は2連敗スタートとなったサンバーズ。次戦はレギュラーラウンド2位の豊田合成トレフェルサと対戦する。ファイナル3進出への望みをつなぐためには、もう負けられない。