2017/18 V・プレミアリーグ ファイナル6 JT戦
- 開催日時
- 2018年2月10日(土) 15:00
- 会場
- 大田区総合体育館
2
- 27-25
- 30-28
- 18-25
- 22-25
- 20-22
LOSE
3
リザーブメンバー
-
酒井 大祐
-
岡本 祥吾
-
塩田 達也
-
喜入 祥充
-
小川 猛
-
米山 達也
-
高橋 賢
試合経過
2017/18V・プレミアリーグは、レギュラーラウンドの上位6チームによるファイナル6がスタートした。レギュラーラウンド5位でファイナル6に進出したサンバーズは、レギュラーラウンド4位のJTサンダーズと対戦した。
第1セットの立ち上がり、サンバーズは藤中やエスコバル、星谷のスパイクでリズムよくサイドアウトを重ね、大宅のノータッチエースで6-4と先行した。サービスエースを奪われて6-6と追いつかれるが、その後は藤中のスパイクでサイドアウトを重ねていく。しかし中盤、サービスエースを奪われて12-14とリードされ、サンバーズのクイックを拾われて切り返され15-19と点差を広げられた。サーブが機能せず、追い上げのきっかけをつかめないまま終盤へ突入するが、後衛から入った喜入の力強いサーブで崩して相手のミスを誘い21-23と追い上げると、さらにエスコバルのブロックやカウンターアタックで5連続得点とし23-23と追いついた。好調の藤中が確実にサイドアウトを奪ってデュースに持ち込むと、大宅の好守備を藤中が巧みなスパイクで得点につなげて26-25と逆転。最後はエスコバルがサービスエースを奪い、逆転で第1セットを先取した。
第2セットはエスコバルのカウンターアタックで2-0と好スタートを切り、大宅のサーブで崩し、鈴木のブロックで仕留めて6-3とリードを広げた。第1セットは11本中10本のスパイクを決めた藤中がこのセットも難なくサイドアウトを奪い、エスコバルのノータッチエースで10-7とリードを広げた。ところがその後、JTの3本のブロックで11-12と逆転された。鈴木のブロックで逆転し、栗山の時間差攻撃で反撃するが、15-16と再び逆転される。それでも、エスコバルがサイドライン際に2本連続でノータッチエースを決め19-17と逆転。さらにエスコバルがカウンターアタックを決めて20-17と引き離した。ところがまたもJTのブロックなどで20-20と追いつかれ、互いにサイドアウトを奪い合いこのセットもデュースにもつれ込む。
サンバーズはエスコバル、藤中、鈴木のスパイクで粘り強くサイドアウトを重ね、最後はリベロ高橋の好守備から、エスコバルがカウンターアタックを決めて30-28で競り勝ち、今季レギュラーラウンドでは1勝もできなかったJTからセットを連取した。
第3セットはJTのブロックで0-2と先行されるが、大宅の好守備をエスコバルが得点につなげて追いつき、栗山のサーブで崩して逆転。互いに好守備で粘る緊迫した展開となるが、JTのブロックやサンバーズのミスが出て5-7と先行された。さらに中盤、サンバーズのクイックを切り返されて8-11とリードされ、JTのサーブに崩されて10-15と引き離された。終盤は二枚替えで入った小川や栗山のスパイクでサイドアウトを奪い、鈴木のブロックや鶴田の好守備などで粘るが、追い上げることができず、セットを奪われた。
流れを取り戻したいサンバーズだが、第4セットは立ち上がりにノータッチエースを奪われる。その後もJTにカウンターアタックを決められ4-6と先行された。第3セット以降、サンバーズはサーブで崩せず、クイックを交えた相手の攻撃に翻弄される。逆にサンバーズはスパイクを拾われ、ミスが出て6-10とリードを広げられた。それでも鈴木のブロックやJTのミスで12-13と追い上げ、このセットから入った塩田が巧みなショートサーブでエースを奪い16-16と追いついた。ところが、エスコバルのスパイクがブロックに捕まり17-20と引き離される。セット途中から入った主将・米山のサーブで崩して藤中が力強いカウンターアタックを決め19-20と追い上げるが、その後JTのブロックで再び引き離され、フルセットに持ち込まれた。
第5セットの立ち上がりは塩田が勢いよくクイックを決め、エスコバルのサービスエースで3-1と先行。その後も栗山のパイプ攻撃や大宅のブロックで5-2とリードを広げた。再びサーブが走り出したサンバーズは、大宅のノータッチエースで9-4と引き離す。その後、JTのカウンターアタックで追い上げられるが、塩田や藤中の力強いスパイクで再び流れを引き寄せ、塩田のブロックで14-10とマッチポイントを握った。
ところが、ここからJTのスパイクや連続ブロックで4連続失点を喫し14-14と追いつかれ、デュースに持ち込まれてしまう。JTのブロックで16-17と逆転されるが、栗山や藤中、塩田のスパイクでJTのマッチポイントを再三しのぐ。しかし、最後はサンバーズのスパイクを拾われて切り返され、20-22でゲームセット。あと1点...から逆転負けを喫した。
荻野監督は、「第3セットは守りに入ったのか、サーブミスが増えて後手後手になってしまった。第5セットの最後は気持ちの面で引いてしまっていた」と振り返った。
このファイナル6に向けては、レギュラーラウンドでの課題だった20点以降の競り合いでの弱さを克服するために、その場面を想定した練習を繰り返してきた。この日の1、2セット目は見事にその成果を発揮して競り合いを制したが、最後に再び課題が出てしまった。
栗山は、「最後、『あと1点取れば』という状況でしたが、相手はダメでもともとという感じでグイグイ乗っていって、逆に僕らはその1点が取れなくてどんどん焦っていってしまった」とうなだれた。
1、2セット目はオポジットのエスコバルがスパイクやサーブで得点を重ね、接戦を制する原動力となったが、3セット目以降、歯車が狂った。エスコバルは言う。
「ファイナル6は勝つしかないという気持ちでコートに入り、試合前半はよかった。トスも安定していて打ちやすい状態を作ってもらった。でも3セット目以降、自分のサーブの調子が悪くなり、サーブが入らないというストレスで他のプレーもうまくいかなくなり、マイナスな展開になった。第5セットはある程度アドバンテージを取れて、あと1点取れれば勝利だと思ったけれど......。結局最後は、『決めなきゃいけない』というストレスがかかってしまった」
「あと1点」の壁を破ることができず、大きな勝利を逃した。
ただ収穫もある。藤中の復調がその一つだ。この日は29本中21本のスパイクを決め、72.4%という高い決定率を残してエスコバルに次ぐ21得点を挙げた。
藤中は、「レギュラーラウンドでうまくいっていなかったせいで、相手ブロックにマークされていなかったからじゃないか。ブロックが1枚になる場面が多かった。そういうところで決まると僕としても気持ちが上がるし、うまく使ってもらった」と謙遜する。しかしセッターの大宅は、「今日は1セット目の序盤に2本連続ですんなり決めてくれたので、『今日は当たってるな』と思って、多めに藤中さんに持っていきました」と語る。
初戦は1ポイントのみの獲得となったが、ファイナル6は始まったばかり。次週も続く上位との対戦に向け、攻守のキーマン藤中の復調は心強い材料となるに違いない。