2017/18 V・プレミアリーグ 大阪ホームゲーム 東レ戦
- 開催日時
- 2017年10月29日(日) 13:00
- 会場
- 大阪市中央体育館
3
- 20-25
- 25-15
- 25-23
- 25-20
WIN
1
リザーブメンバー
-
鈴木 寛史
-
酒井 大祐
-
岡本 祥吾
-
松林 憲太郎
-
小川 猛
-
米山 達也
-
高橋 賢
試合経過
2017/18V・プレミアリーグ、サンバーズの大阪ホームゲーム第2戦は、昨季の王者・東レアローズとの対戦。開幕から2戦まだ勝ち星のないサンバーズは、何としてもホームゲームで初白星を挙げたいところだ。
今季、試合の立ち上がりが課題のサンバーズは、この日も東レにブロックやサービスエースを奪われ0-3と出遅れた。しかし、栗山のブロックで流れを引き寄せると、塩田がキレのいいクイックを決める。好守備から藤中のスパイクで切り返して5-6と追い上げると、守備で粘って相手のミスを誘い7-7と追いついた。ところが中盤、再び東レのブロックに捕まり、ミスが続いて5連続失点で7-12とリードされた。その後もスパイクを拾われて切り返され、点差を広げられる。終盤、二枚替えで入った新人の小川がドスンと重たい音を響かせてノータッチエースを奪い17-22と点差を詰める。サンバーズは守備に粘りが出て、それをエスコバルや栗山が我慢強く得点につなげて20-24と追い上げたが及ばず、第1セットを落とした。
第2セットの立ち上がりは栗山のスパイク、ブロックなどで4-1と好スタートを切る。栗山が高い打点からスパイクを決め、山本の好守備をエスコバルが強力なスパイクで得点につなげてリードを広げた。一度は追い上げられるが、藤中が巧みにブロックアウトを奪って再び点差を広げ、その藤中のブロックで10-5。さらに、東レの武器であるクイックや、高い打点を誇るオポジットのギャビン・シュミットのスパイクをブロックとディグで封じて切り返し13-6と点差を広げた。その後も、高橋や栗山の好守備を藤中が力強いスパイクで得点につなげて流れを渡さない。終盤には星谷のサーブで揺さぶり、エスコバル、栗山のブロックで仕留める。最後は塩田が鮮やかなBクイックで切り返し、5連続得点で一気にセットを奪い取った。
第3セットも勢いそのままに栗山がスパイクを決め、星谷や山本が好守備を見せ、エスコバルも懸命につないで東レのミスを誘い好スタートを切る。サンバーズのミスや東レのサービスエースで2-4と先行され、中盤には東レの連続ブロックで7-11と点差を広げられたが、中盤、塩田のサービスエースで13-15と追い上げを開始。終盤、エスコバルがコートの隅にノータッチエースを決めて19-19と追いついた。その後、栗山やエスコバルのスパイクでラリーを制して食らいつき、星谷のブロックで22-21とついに逆転。山本のサーブで崩し、藤中がコートの奥に狙いすましたスパイクを決めて24-22とセットポイントを握り、サンバーズが逆転で2セットを連取した。
第4セットの立ち上がりは、ブロックを決めて勢いに乗る栗山が、味方の好守備からカウンターアタックを決めて4-2と先行する。東レの2本のブロックなどで8-9と逆転されるが、サンバーズも栗山のブロックで逆転し、エスコバルのカウンターアタックで11-9とリード。中盤、東レのブロックやサンバーズのコンビミスで12-13と再び逆転されるが、苦しい場面でエスコバルが高い打点から立て続けにスパイクを決めて14-13と逆転し流れを引き戻すと、藤中がパワフルなカウンターアタックを決めるなどサンバーズが6連続得点で18-13と一気にリードを広げた。追い上げられても栗山のバックアタックで勢いを取り戻し、藤中のブロックで21-17と再びリード。24-20のマッチポイントから、エスコバルのライン際のスパイクがアウトと判定されるが、ここで荻野監督がチャレンジ(映像判定)を要求。それが成功して判定が覆り、25-20でゲームセット。一進一退の激戦を逆転でものにし、サンバーズがホームで今季初白星を飾った。
指揮官としてプレミアリーグで6年ぶりの勝利を挙げた荻野監督は、「本当にホッとしました」と安堵の表情を浮かべた。
「セッターの山本が、昨日はあまりよくなかったけれど、今日は自分たちが今までやってきたコンビを出そうということで、真ん中を軸に組み立てていたのがよかった」と指揮官が評価したように、山本は塩田、星谷のクイックやパイプ攻撃を積極的に使い、相手に的を絞らせなかった。
今季初先発の星谷はその山本のトスに応えてスパイクを決め、サーブでも相手を揺さぶり連続得点につなげた。「本当はもう少し鋭いサーブを打たなきゃいけないんですけど、確実に相手の攻撃のテンポを崩すサーブを心がけた。ネットの近くに足を動かして取りに行かなきゃいけなかったり、スパイカーが攻撃に入りにくいようなサーブで相手にストレスをかけるだけでも、ブレイクのチャンスが増えるので」
また、前日途中交代となった栗山も、この日は調子を上げ、ブロックでも5ポイントと存在感を発揮。何より、チーム全体が東レのスパイクを粘り強く拾って勝機を見出した。
リベロの鶴田は、「今日はブロッカーとレシーバーの関係性がよかった。個々が自分勝手なことをせず、レシーバーはブロッカーを信じて、ブロッカーはレシーバーを信じて守れたからだと思う」と手応えを口にした。
鶴田が「昨季の優勝チームの東レさんに勝てたのは普通の1勝よりも価値がある。『東レに勝ったんだからどこにでも勝てる』という自信が生まれる」と語ったように、夏場から目指してきたバレーで昨季の王者から勝ち星をもぎとったことは、今後の戦いのさまざまな局面で、選手たちに大きな勇気をもたらすはずだ。