2017/18 V・プレミアリーグ 東京大会 JT戦
- 開催日時
- 2017年10月21日(土) 13:00
- 会場
- 東京体育館
2
- 14-25
- 27-25
- 23-25
- 25-23
- 12-15
LOSE
3
リザーブメンバー
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酒井 大祐
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岡本 祥吾
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松林 憲太郎
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星谷 健太朗
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小川 猛
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米山 達也
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高橋 賢
試合経過
2017/18V・プレミアリーグは10月21日にいよいよ開幕を迎えた。サンバーズの開幕戦の相手は昨シーズン7位のJTサンダーズ。サンバーズは鈴木、エスコバル、栗山、塩田、山本、藤中、リベロ鶴田のスターティングメンバーで臨んだ。
緊張感漂う立ち上がり、サンバーズは藤中、鈴木、エスコバルのスパイクでサイドアウトを奪うが、JTの身長212cmの新外国人選手トーマス・エドガーにサービスエースを奪われ3-5と先行を許す。中盤には、セッター山本が今季磨いてきた藤中のパイプ攻撃を使うが、ネットにかかり7-11とリードを広げられた。それでもタイムの後、藤中がそのパイプ攻撃を決め、栗山もレフトから強烈なスパイクを放ち今季初得点を挙げる。そこから今季取り組んできた多彩な攻撃を発揮したいところだったが、栗山のバックアタックが得点につながらず、終盤にはコンビミスも出て点差を広げられ、大差でセットを失った。
第2セットはJTのブロックに捕まり0-3と出遅れたが、栗山のサーブで崩してミスを誘い2-3と追い上げると、守備で粘って藤中が速いコンビで切り返し5-5と追いついた。しかしレセプションにミスが出て5-7と再び先行されると、中盤にはスパイクミスやJTのカウンターアタックで8-13と点差を広げられた。
それでも、徐々にサンバーズの守備やブロックフォローに粘り強さが出始める。終盤、栗山が鋭いサーブでノータッチエースを奪い17-20と追い上げ開始。その栗山に代わってレシーバーとしてコートに入った酒井が、「大きく行こう!大きく!」と声を張り上げると、塩田がコートの角にノータッチエースを決め、エスコバルのカウンターアタックで21-22と迫った。JTにミスが出て24-24と追いつきデュースに持ち込むと、栗山が、この試合で初めてエドガーをシャットアウトし25-24とついに逆転。最後は山本のサーブで崩しエスコバルがカウンターアタックを決めて27-25。サンバーズが逆転でセットを奪い返した。
第3セットは、入ったばかりの星谷がスパイク、ブロックでチームに勢いをつける。さらに、「今季は攻撃でもチームに貢献したい」と開幕前に語っていた藤中が、ラリーの中で速いスパイクを立て続けに決めて6-4と先行した。しかしその後、スパイクミスやJTのサービスエースで連続失点し7-10とリードされる。鈴木、エスコバルのブロックなどで追い上げるが、JTのブロックで再び点差が開く。終盤、途中から入った米山が気迫あふれる表情でチームを鼓舞し、立て続けに力強いスパイクを打ち込み21-22と迫った。ところが、スパイクミスで同点に追いつくチャンスを逃してしまい23-25で逃げ切られた。
それでも第4セットはエスコバルのスパイクやノータッチエースで6-2とスタートダッシュに成功。栗山のパイプ攻撃が決まり、藤中がライン際にノータッチエースを奪って11-6とリードを広げる。中盤、サンバーズのミスやJTのサービスエースなどで16-15と追い上げられるが、栗山がパイプ攻撃を決めて流れを断ち切ると、レフトからもバックアタックを決めて18-15と点差を広げた。終盤、サンバーズのスパイクを拾われて切り返され24-23と迫られるが、最後は栗山が高い打点からスパイクを決めて逃げ切り、試合をフルセットに持ち込んだ。
第5セットは栗山のスパイクでリズムを作りサイドアウトを重ねる。JTにノータッチエースを奪われるが、好守備から藤中がスパイクを決めて6-5と逆転。しかしスパイクミスが出て逆転され、JTのブロックで6-8とリードされた。山本のブロックでピンチをしのぐが、終盤、JTのブロックなどで点差を広げられる。エスコバルのサーブで崩し、栗山のスパイクで粘るが追い上げ及ばず、12-15でゲームセット。フルセットに持ち込みポイント1をもぎとったが、初戦を勝利で飾ることはできなかった。
藤中は、「1セット目はチーム内の雰囲気が硬く、思うようにいかなかった。エドガーの高さに最初戸惑って、その対応にちょっと時間がかかりすぎてしまった」と悔やんだ。
山本も、「今季は夏場にとにかくレシーブ練習をしてきたけど、今日はJTのほうがよく拾っていた。もうちょっと粘り強くやらなきゃいけないし、もっと僕がトスをしっかり上げていれば...」と唇を噛んだ。しかし、「バックアタックを多用しようとして、幅はすごく広がったので、今後も続けていこうと思う」と収穫も語った。
今季はウイングスパイカーのバックアタックを積極的に使うことがチームのテーマの一つ。試合前半はそれがなかなか決まらなかったが、山本が我慢強く使い続けたことで、後半機能し始めた。特に第4セットは栗山のセンターやレフトからのバックアタックが効果的に決まった。昨シーズンのサンバーズにはあまりなかった攻撃だ。
荻野新監督はエスコバルだけに頼らない攻撃を目指し、「そのためには栗山の攻撃力が重要」と語る。この日前半はその栗山の攻撃力が影を潜めた。「エドガーの高いブロックを意識しすぎてしまった。1本目のインナーのスパイクがアウトになり、それを吹っ切れないままやってしまった」と栗山。第3セットは後半、栗山に代わって主将の米山がコートに入り、好プレーを見せた。
それでも荻野監督は、第4セットのスタートに再び栗山を起用した。「3セット目の途中に外から見させて、頭を整理させようと思った。米山もしっかりつないでくれた。栗山には、苦しい時にいかに自分で立ち直るかということを、1試合でも1セットでも早くできるようになってほしかったので、もう一度コートに入れました」と荻野監督。
栗山は、「また戻してもらえたので、それに応えたかった」と言う。
「一度ベンチに下がって客観的に見ることができました。ブロックだけを見て、相手コートを全然見ていなかったことに気づいたので、4セット目からはコートをしっかり見て奥に打とうと意識したら、打ち方をつかめました。それじゃ遅いんですけど。次からは自分のプレーを最初から出せるようにしたいです」
敗れたものの、得点源と期待される栗山が自信を取り戻して試合を終えられたのは次週につながる。
夏場に強化してきたディフェンスや多彩な攻撃も、この先の試合で本領発揮するはずだ。次週、サンバーズは大阪ホームゲームを飛躍のきっかけとする。