第66回黒鷲旗 準々決勝
- 開催日時
- 2017年5月 5日(金)
- 会場
- 大阪市中央体育館
2
- 22-25
- 25-17
- 25-14
- 17-25
- 12-15
LOSE
3
リザーブメンバー
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阿部 裕太
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鶴田 大樹
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山本 湧
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星谷 健太朗
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栗山 雅史
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米山 達也
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高橋 賢
試合経過
第66回黒鷲旗全日本男女選抜バレーボール大会4日目の準々決勝、サンバーズはC組1位の堺ブレイザーズと対戦した。
第1セットはエスコバル、柳田のスパイクや鈴木のブロックでリズムよくスタートするが、中盤、サンバーズに先にスパイクミスが出てしまい、ブロックに捕まり8-11とリードされた。その後は柳田や鈴木の力強いスパイクでサイドアウトを重ねるが、レセプションを崩されてスパイクミスが出てしまい14-19とリードを広げられた。サンバーズは堺の強いサーブにおされ、逆にサンバーズのサーブは機能せず、なかなか点差をつめられない。終盤、好守備から藤中がカウンターアタックを決めて20-23と追い上げるが届かず、第1セットを奪われた。
第2セット序盤は互いにサイドアウトを奪い合うが、エスコバルのブロックで6-5と先行。藤中のスパイクでサイドアウトを取っていく。堺のブロックで8-9と逆転されるが、柳田の好守備を藤中が得点につなげて12-11と逆転。さらに、鈴木のサーブで崩し、藤中のブロックで13-11と先行した。互いに好守備で粘ったラリーを最後は藤中のスパイクでものにして勢いに乗ると、エスコバルのカウンターアタックで15-12と点差を広げた。終盤には、今大会限りで引退する山村が、堺の強力なスパイクを連続でブロックし18-13と突き放した。終盤には鈴木の3本のブロックや柳田のサービスエースなどで大差をつけ、セットを取り返した。
第3セットは山村のサーブで崩し、柳田のブロックで仕留めて2-0。さらに山村のサービスエースなどで4-0と好スタートを切った。その後は柳田、エスコバル、藤中のスパイクでサイドアウトを重ねる。中盤には藤中のサーブで揺さぶり、エスコバルが次々にカウンターアタックを決めて12-6とリードを広げる。その後も山村の巧みなBクイックや柳田のスパイクで流れを渡さず、エスコバルがサーブ、スパイクに気を吐いて17-8と大差をつけた。終盤は藤中のスパイクなどでサイドアウトを重ね、サンバーズがセットを連取した。
しかし第4セットは堺のブロックやカウンターアタックなどで3-7と出遅れた。山村やエスコバルのスパイクでサイドアウトを取りリズムをつかもうとするが、中盤、堺のブロックなどで6-13と点差を広げられた。柳田のサーブで崩し、鈴木のブロックで仕留めて追い上げ、終盤にも山村のブロックやエスコバルのカウンターアタックで点差を詰めるが、再びリードを広げられてセットを奪われ、フルセットに持ち込まれた。
第5セット序盤は息づまる攻防が続く。互いに好守備が出てスパイクが1本で決まらない中、ブロックでしのぎ合い、サイドアウトを奪い合う。しかし中盤、サンバーズのスパイクを拾われて切り返され5-7と先行される。さらに、サンバーズにスパイクミスが出て8-11と点差を広げられた。ピンチサーバーとして出た栗山がサーブで崩し、エスコバルが強烈なスパイクで得点につなげ12-13と追い上げたが、一歩届かず、12-15でゲームセット。セットカウント2-3で敗れ、サンバーズは準々決勝敗退となった。
試合後のコートでは、山村、阿部、柳田がチームメイトの手によって胴上げされた。
負ければ3人にとってサンバーズでの最後の試合になるため、柳田は「燃えなきゃウソですよね」と熱いプレーを見せたが、惜しくも勝利には届かなかった。
試合後、柳田は、「サンバーズでは3年弱という短い間でしたが、たくさんのことを教えてもらいました。サンバーズに入って本当によかったと思います。一番記憶に残っているのは、勝った試合よりも負けた試合。近いところで言えば、今季のファイナル6の最後の2試合。自分の弱さが出た試合でもありました。今日の試合では、改めて自分はディフェンスが本当にヘタだなと感じた。もっとディフェンシブなプレーができればフルセットになることもなかった。そこは今後も課題としてやっていくことになると思います」と語った。サンバーズで得た収穫と課題を胸に、今後は海外に挑戦する。
ベテランセッターの阿部にとっても、サンバーズでの最後の試合となった。「(終わるのが)早かったですね......」と悔しそうな表情を浮かべた阿部は、「やれるだけのことはやった。これが今のチームの力なんじゃないか。足りないものを挙げるとしたら......あえて期待を込めて言うと、"気持ち"じゃないでしょうか。ボールを絶対落とさないとか、1球に対する執念みたいなもの。逆に、それがあればどこにも負けないと思います」と、5年間ともに過ごした仲間たちの伸びしろに期待して、あえて厳しい指摘を残した。
この試合を最後に、サンバーズでの14年間の現役生活を終えた山村も、「もっと1人1人が、本気じゃないとは言わないけど、お互いに腹を割って話して、人と人とのつながりを本気で作っていかなきゃいけないと思う」と語った。
この日は先発出場し、チームに流れを引き寄せるブロックや巧みなクイック、サーブで存分に存在感を発揮した。試合直後は「くそー!勝ちたかった」と悔しさをあらわにしたが、すぐに清々しい表情に変わった。
「今大会に向けては、もう一度先発で出られるようにとやってきました。引退する試合としては最高にエキサイティングな試合だった。ブロックはやっぱり気持ちいいし、チームを盛り上げることが、僕のアイデンティティとしてやってきたことなので、それができてよかった。僕はこれからもサンバーズのスタッフとして残る予定なので、もっと強いサンバーズを復活させられるように頑張ります」
サンバーズのVリーグ5連覇を知る最後の選手がついにコートを去った。来シーズン、サンバーズは新たな時代を迎えることになる。