平成28年度 天皇杯全日本バレーボール選手権大会 準決勝
- 開催日時
- 2016年12月24日(土) 13:00
- 会場
- 大田区総合体育館
0
- 22-25
- 22-25
- 15-25
LOSE
3
リザーブメンバー
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山村 宏太
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高橋 賢
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岡本 祥吾
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塩田 達也
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栗山 雅史
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米山 達也
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酒井 大祐
試合経過
天皇杯全日本バレーボール選手権大会、準決勝。サンバーズはV・プレミアリーグ2位の東レアローズと対戦した。東レとはリーグの開幕戦で敗れて以来の対戦だ。
第1セット序盤は東レのサーブに揺さぶられ、切り返されて先行される。さらに、サービスエースを奪われ6-9とリードされた。それでも中盤、東レのフェイントをきっちり拾ってエスコバルがスパイクを決めて追い上げると、柳田のサーブで崩し、柳田が自らパイプ攻撃を決めて13-13の同点に。さらに、鈴木のブロックで14-13と逆転した。その後は藤中やエスコバルのスパイクでサイドアウトを重ねる。互いにサイドアウトを取り合う中、サンバーズにスパイクミスが出て17-18と逆転される。サンバーズはサーブミスが続いて追い上げられず、その間にスパイクを拾われて切り返され19-21と点差を広げられた。その後、柳田の強力なサーブで崩すが、3枚ブロックを弾き飛ばされて得点につながらず、追い上げることができないまま第1セットを失った。
第2セットもレセプションを崩されて先行され、スパイクミスが出て3-6とリードされた。柳田らが力強いスパイクを打ち込むも、東レの守備が非常に堅く、拾われて粘られるうちにサンバーズはスパイクミスを出したり、ブロックに捕まり、5-10と点差を広げられる。中盤はエスコバルのスパイクでサイドアウトを重ねるが、スパイクミスが出て8-14とされた。サンバーズのサーブはなかなか効果が出ず、相手の速い攻撃を封じることができない。それでも終盤、途中からコートに入った山村のサーブで崩し、エスコバルのブロックで仕留めて17-21と追い上げる。さらに終盤、鈴木のフローターサーブで崩して相手のミスを誘い連続得点。22-24と追い上げるが、届かず、第2セットも奪われた。
後がなくなった第3セット、立ち上がりは東レに先行されるが、山村のブロックで流れを引き寄せると、エスコバルがカウンターアタックを決めて6-6と追いついた。しかしその後コンビミスが出て7-9とリードされる。このセットから入った栗山のスパイクや山村のクイックでサイドアウトを重ねるが、中盤、ブロックに捕まったり、コンビミスが出て11-16と一気に引き離された。さらに終盤、東レの富松崇彰のフローターサーブに崩されて連続失点し、大差をつけられて敗れた。決勝進出はならず、サンバーズは3位で大会を終えた。
この日はサーブとレセプションの精度や、ディグやつなぎの粘りの差が勝敗を分けた。リベロとして先発出場した鶴田は、「東レの方が波が少なく、すごく丁寧なバレーをしてきた。自分自身、今大会はレセプションを期待されてリベロで起用されているのに、そこを返せずに途中で代えられてしまったのはすごく悔いが残る」と唇を噛んだ。
「感覚的には悪くなかったけど、自分の実力で返せる以上のサーブを打たれて崩されてしまっていたので、単純に実力が足りなかったと感じた。東レはほとんどの選手がサーブランキングの上位に入っている。そういうサーブに対して、たまたま返せたじゃなく、実力で返せるように、もっと腕を磨かないといけない。サンバーズがそういうレセプションが強いチームになれば、うまいバレーをしてくるチームにも勝っていけると思うので」
また、前週から速い攻撃のチームに対するブロックとディグの対策をしてきたが、この日は相手の決定率を抑えることができなかった。「(ブロックを)抜けてくるボールが多いので前と後ろの関係が重要だけど、今日はそこがあまりうまくいっていなかった」と柳田は振り返る。
コーチ兼任の山村は「ブロックに関しては僕が担当しているので、次に、年明け最初の週のリーグ戦で東レと当たるまでに修正して、もう一度チャレンジしたい」と語る。
それでも、長くサンバーズを支えてきたベテランは、敗戦の中にも光明を見出していた。
「悪いところばかりではなく、年明けの試合でリベンジができるようないい兆しも見えた。今、若手選手が多くコートに入っていて、その分、波が激しくなっているところはあるけど、新しいサンバーズの風が吹いているのは肌で感じている。今日久しぶりにコートに入ったけど、ちょっとけおされたというか、若い選手たちの『自分たちで作っていくんだ』という雰囲気をすごく感じた。それでいて、そんな空気の中に僕なんかが入っても温かく迎えてくれる優しい子たちなので、サンバーズの未来は明るいなと感じました。だから下を向くことなく、チャンレンジャー精神を持ってもう一度挑んでいきたいと思います」
この日で2016年のサンバーズの試合が終了した。今シーズンは1年目の藤中や2年目の柳田、山本がスタメンに定着し、そうした若手選手の活躍をベテラン、中堅選手が支えている。爆発力を秘める一方で、劣勢になると試合の中でなかなか立て直せないなどの課題はあるが、それは年明けのリーグ後半戦に向けた伸びしろでもある。年末年始を挟んで2週間後にリーグが再開される時には、サンバーズはもう一皮むけた姿を見せてくれるに違いない。