平成28年度 天皇杯全日本バレーボール選手権大会 準々決勝
- 開催日時
- 2016年12月18日(日) 17:00
- 会場
- 東京体育館
3
- 25-22
- 25-23
- 25-23
WIN
0
リザーブメンバー
-
山村 宏太
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高橋 賢
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岡本 祥吾
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阿部 裕太
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栗山 雅史
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米山 達也
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酒井 大祐
試合経過
天皇杯全日本バレーボール選手権大会、準々決勝。サンバーズはパナソニックパンサーズと対戦した。
パナソニックは今季のV・プレミアリーグで2戦2敗の相手。負けたまま今年を終えるわけにはいかないと意気込んで臨んだが、セッターの山本が「硬さがあった」と振り返ったように、第1セットの立ち上がりは相手のブロックやサンバーズのミスで1-4と出遅れてしまう。
しかしエスコバルがカウンターアタックを決めて6-7と追い上げ、星谷が相手のクイックをシャットアウトして9-9と追いついた。中盤には、藤中の好守備が得点につながり11-10と逆転。さらに、柳田が鋭いスパイクで立て続けにカウンターアタックを決め13-10と引き離した。しかしサンバーズにスパイクミスが出て、パナソニックのカウンターアタックが決まり14-14と追いつかれた。それでも、好守備からエスコバルがスパイクを決めて18-16と再びリード。スパイクミスで再び同点となるが、柳田がキレのあるバックアタックをたたき込んで勢いをもたらすと、エスコバルのカウンターアタックで22-20とする。その後、鈴木のブロックで引き離し、サンバーズが第1セットを先取した。
第2セットもサービスエースを奪われ先行されるが、星谷のブロックで4-3と逆転。好守備で粘り、藤中のパイプ攻撃でラリーをものにして6-4とリード。さらに、エスコバルのカウンターアタックで8-5と点差を広げた。しかしその後、得点チャンスでつなぎのミスが続いて好機をものにできない。すると中盤、パナソニックのブロックで14-14と追いつかれた。柳田が強力なサーブを打ち込みエスコバルがスパイクを決めて16-14と抜け出すが、レセプションを崩されまたも同点に。エスコバルのカウンターアタックや藤中のブロックで19-16と再び引き離すが、パナソニックのブロックなどでまたも追いつかれた。それでも、途中からコートに入った山村が得意のBクイックでサイドアウトを重ねる。「山村さんはどんなトスでも打ってくれるので楽になります」と山本。百戦錬磨のベテランがコートを落ち着かせ、柳田のブロックで24-22と抜け出して逃げきり、セットを連取した。
しかし第3セットも序盤はパナソニックのブロックに捕まったり、スパイクを拾われて切り返され連続失点。3-6とリードされた。それでも、星谷のサーブで崩し、柳田のスパイクで切り返して追い上げ、パナソニックのミスで8-8と追いつくと、星谷のサービスエースで9-8と逆転。その後サービスエースを奪われ追いつかれるが、柳田が強烈なパイプ攻撃をたたき込んで13-11と再びリード。追いつかれても、山本のサーブで崩し、エスコバルが得点につなげて再び16-14と先行。その後もリードしては追いつかれる一進一退の展開が続くが、山村や鈴木のクイックでサイドアウトを取り、柳田の強烈なパイプ攻撃でついにマッチポイントを握る。最後は山村がブロックのワンタッチでチャンスを作り、エスコバルがスパイクを決めて25-23でゲームセット。
接戦になりながらもセットを落とさず、サンバーズが今季2敗していたパナソニックにストレートで勝利し、準決勝に進出した。
「これまではパナソニックのような速い攻撃のチームに対してあまり拾えていなかったので、この大会に向けてはそれに対する対応を練習してきた。サイドブロックが流れないようにとか、基本的なことですけど意識してやってきた結果が出ました」と山本は対策の成果を語った。
前日、柳田にパナソニック戦のポイントを聞いた時、「自分たちのバレーをするのが鍵だけど、試合をやっていく中ではそれができず相手のバレーをされる時間帯がある。それをいかに自分たちのバレーに持っていくかがポイント」と語っていたが、この日は試合の立ち上がりが悪く、まさに「相手のバレー」からスタートし、巻き返しての勝利となった。
「出だし、さっそく(相手の流れ)だなって正直思いました(苦笑)。点数を見るとあまりよくない考えになってしまいがちなので、そこを一度とっぱらって、とにかく自分たちのサーブ&ブロックやつなぎのバレーをしっかりやろうと思って、それができたらパナソニックに勝てるということが証明できた。相手は(怪我で欠場している選手がいて)万全ではなかったですけど、勝ったことは大事。苦手意識が少なからずあったし、今日負けたら気持ちに大きな穴ができてしまうと思ったので、どうしても今日勝っておきたい気持ちが強かった。勝てて本当によかったです」と柳田。
リーグ戦2レグでパナソニックに敗れて以降、パナソニック戦に人一倍強い思いを見せていた柳田は、この日、気迫のこもったスパイクを次々に決めた。特に山本との息の合ったパイプ攻撃は相手の勢いを封じる威力があった。
しかし柳田は、「自分ではそれほど好調だとは感じなかった。失点もあったので。瞬間瞬間の選択で、失点にならずに、その後の流れで得点にするなど、スパイク効果率を下げないようなバレーをするという課題は残りました」とさらに高いレベルを自分に課している。
大会は残すところ2戦。24日の準決勝では、現在V・プレミアリーグ2位の東レアローズと対戦する。東レもリーグの開幕戦で敗れた相手。次戦で雪辱を果たし、決勝へと駒を進めたい。