2015/16 V・チャレンジマッチ(3/6)
- 開催日時
- 2016年3月 6日(日) 11:00
- 会場
- ひたちなか市総合運動公園総合体育館
3
- 25-17
- 25-21
- 25-13
WIN
0
スターティングメンバー
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栗山 雅史
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山本 湧
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塩田 達也
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星谷 健太朗
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エバンドロ グエッラ
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柳田 将洋
酒井 大祐
リベロ
リザーブメンバー
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鈴木 寛史
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岡本 祥吾
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金子 隆行
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鶴田 大樹
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椿山 竜介
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米山 達也
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高橋 賢
試合経過
3月6日、サンバーズはV・チャレンジマッチ(入替戦)、対大分三好ヴァイセアドラー第2戦に臨んだ。前日の初戦にセットカウント3-0で勝っているサンバーズは、この試合、1セットを取った時点でプレミアリーグ残留が決定する。
試合の立ち上がり、サンバーズはレセプションを崩され0-2と出遅れるが、栗山のスパイクで初得点を奪うと、その後、塩田の攻守備からエバンドロがカウンターアタックを決めて追いつき、さらに塩田のサーブで崩して3-2と逆転した。その後、エバンドロのサービスエースで8-6とリードし最初のテクニカルタイムアウトを迎える。大分三好のブロックで追いつかれるが、中盤、栗山が連続サービスエースを奪い14-11と再び突き放した。その後は柳田のスパイクでサイドアウトを重ね、塩田、山本の連続ブロックで19-14とリードを広げる。終盤には山本のノータッチエースでダメを押し、サンバーズは25-17で第1セットを奪った。この瞬間、サンバーズのプレミアリーグ残留が決まったが、選手たちは何事もなかったかのようにコートを移動し、いつも通りに第2セットに向かった。
第2セットは山本のサーブで崩して相手のミスを誘い3-1と先行。その後、エバンドロ、柳田のブロックや、栗山のこの日3本目のサービスエースで7-2とリードを広げた。その後も塩田のブロックやクイックなどで13-5と点差を広げる。中盤以降、大分三好のブロックやサービスエースなどで追い上げられるが、終盤、星谷のクイックやエバンドロのスパイクなどで得点を重ね、サンバーズが2セットを連取した。
第3セットはエバンドロ、栗山、柳田のスパイクでリズムを作り、エバンドロの連続サービスエースや塩田のブロックで9-5と先行した。さらに、柳田が強烈なサーブを打ち込み、2本のサービスエースや山本のブロック、エバンドロのカウンターアタックなどで7連続得点を奪い17-6と一気に大差をつける。終盤も、エバンドロの連続ブロックで点差を広げ、最後は塩田のこの日5本目のブロックポイントが決まり25-13でゲームセット。
サンバーズはチャレンジマッチの2日間、1セットも落とすことなく連勝した。
2試合に先発した1年目のセッター・山本は、「力の差は見せなきゃいけないと思っていた」と納得の表情で振り返った。
独特の緊張感が漂うチャレンジマッチの舞台でも、臆することなく堂々としたトスワークを見せた司令塔は、「あんまりプレッシャーは感じないんです。能天気なんで(笑)。それに、今は試合に出ていて、ただただ楽しいので」とあっけらかんと言ってのけた。
この2連戦はサイドが高いスパイク決定率を残し、安定した試合運びができた。それは、レギュラーラウンド終盤の戦い方を踏まえて、相手の裏をかいた成果だ。レギュラーラウンドで山本がトスを上げた最後の3戦は、塩田のクイックの打数が極めて多かったため、大分三好は当然そのデータをもとに、塩田をマークしてくると予測し、今回はサイド中心に攻撃を組み立てた。
「思った通りに塩田さんにブロックが来て、その分、サイドの人が楽に決められた。ブロックが1枚になったら決めてくれる選手ばかりですから」と山本。
塩田も、「(レギュラーラウンドで)あれだけ打てば、マークが来るのは当然。むしろそうなってくれたほうが、こちらは両サイドが強いので、楽になりますね。それだけでも僕がいる意味があるのかなと思っています」とほくそ笑む。
この2戦は打数こそ少なかったが、塩田はそうして相手ブロッカーを引きつけ、ブロックやサーブ、守備でも、流れを大きく引き寄せる役割を果たした。
そんな若手選手たちを、主将の栗山は、「これだけプレッシャーがかかる試合でも、若い選手たちがしっかり仕事をしてくれるので本当に心強い」と頼もしそうに見つめる。
しかしその若手の力を引き出したのは先輩たちだった。リーグ1年目を終えた柳田はこう語った。
「レギュラーラウンドで入替戦の可能性が出てきて、そういう時って悪いムードになりがちだし、実際そうなった瞬間もあったけど、そういう中でもなんとか改善しようという前向きな姿勢が、僕は一番年下の立場からチームを見ていて感じられました。どうにかしてチームを引き上げようと、先輩たちがすごくしゃべってくれたり、監督やコーチも選手にポジディブな言葉をかけて、その日の練習をいいものにしようという気遣いを感じた。入替戦に行くことで、1人1人がより強くそういう行動を実行していたように映りました。僕にとってこのチームはすごく居心地がいいし、また明日も一緒にバレーをやりたくなるようなチームです」
チャレンジマッチは、二度と来てはならない場所だ。しかし今回、そこで得たものも多い。サンバーズはそれを決して無駄にすることなく、来季の飛躍への糧とする。