2015/16 V・プレミアリーグ 東京大会
- 開催日時
- 2016年1月31日(日) 13:05
- 会場
- 墨田区総合体育館
3
- 20-25
- 19-25
- 25-18
- 25-23
- 15-12
WIN
2
スターティングメンバー
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鈴木 寛史
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栗山 雅史
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岡本 祥吾
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エバンドロ グエッラ
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柳田 将洋
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山村 宏太
酒井 大祐
リベロ
リザーブメンバー
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金子 隆行
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鶴田 大樹
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塩田 達也
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椿山 竜介
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山本 湧
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米山 達也
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高橋 賢
試合経過
2015/16V・プレミアリーグ、レギュラーラウンドは残すところ3戦となった。現在7位と、ファイナル6進出に向けて崖っぷちに立たされているサンバーズは、8位のFC東京と対戦した。
試合の立ち上がりは、エバンドロの好守備から、栗山が強気にツーアタックを打ち込んで好スタートを切る。しかしチャンスをスパイクミスで逃すと、相手にカウンターアタックを決められ先行される。中盤、FC東京のサーブが走り、次第にサンバーズのレセプションがおされ、相手に切り返されたり、ブロックに捕まり9-14と点差を広げられた。柳田や山村のブロックなどで14-16と追い上げるが、スパイクミスで流れを手放すと、終盤、ブロックに捕まったり、またもスパイクミスが出て引き離される。終止ミスの多い粗いバレーで第1セットを奪われた。
第2セットもFC東京の強力なサーブに崩され、トスも乱れて連続失点し1-7と大きく出遅れた。その後、コートに入ったばかりのセッター山本と柳田のルーキーコンビで得点を奪いリズムができ始めるが、つなぎのボールをお見合いするなどミスが出て大差をつけられる。終盤、山本がジャンプサーブでエースを奪い、途中出場の塩田のクイックやエバンドロのブロックで追い上げるが、得点差をつめるには至らず、第2セットも奪われた。
第3セットはエバンドロや柳田の力強いスパイクが決まり一進一退の展開となる。試合前半にはあまり機能していなかったクイックや柳田のレフト攻撃を、山本がうまく活かし、サイドアウトのリズムを作ると、栗山のブロックで先行。すると山本がサイドラインギリギリに鋭いノータッチエースを決めて11-9とリードを奪う。さらに、エバンドロのブロックや柳田のフェイントで15-11と点差を広げた。終盤には柳田が好調のサーブで崩し、山村のブロックで19-13とする。その後、山本のブロックも決まって点差を広げ、セットを取り返した。
第4セットも、柳田のサーブで崩し、山村のクイックで切り返して2-0と好スタートを切るが、サービスエースを奪われ逆転される。栗山のカウンターアタックで追いつくが、中盤、連続でブロックに捕まり、スパイクミスも出て13-17と一気に引き離された。これまでなら、劣勢を跳ね返せずズルズルと沈むところだが、この日のサンバーズは違う。塩田のジャンプサーブで崩し、柳田がカウンターアタックを決めて追い上げる。さらに、エバンドロのサーブから柳田がスパイクを決めて21-20とついに逆転した。FC東京のミスでリードを広げ、最後はネット際のボールを山本が押し勝って逃げ切り、逆転でセットを奪取。試合をフルセットに持ち込んだ。
第5セットは序盤に山本がFC東京のエース、セルジオ・フェリックスをブロックして流れを引き寄せる。リードされても、栗山の時間差攻撃などでサイドアウトを重ね、塩田のサーブで揺さぶって相手のミスを誘い7-6と逆転。さらに、ピンチサーバーとして登場した椿山が力強いサーブで崩し、栗山のブロック、エバンドロのスパイクで連続得点を奪い12-9とリードを広げた。FC東京のブロックで追い上げられるが、最後は塩田のワンタッチから、柳田がカウンターアタックをたたき込み15-12でゲームセット。2セットダウンからの逆転勝利で、サンバーズは辛くもファイナル6進出争いに踏みとどまった。
試合前半はリズムを作れず苦しんだが、第2セットの途中から入ったセッター山本、ミドルブロッカー塩田の2人が試合の流れとコートの空気を変えた。塩田はブロックやクイック、サーブだけでなく、守備面でも貢献。山本はクイックをうまく使ったトス回しでサイドへのマークを薄くし、スパイカー全体を生き返らせ、ブロックやサーブでも存在感を発揮した。
酒井は「僕らは今、入れ替え戦に片足を突っ込みながら、同時にファイナル6進出の可能性もある、という、普通にプレーするのが難しい状態にあって、力が入りすぎた部分もある。そんな中、途中から出た選手がチームを助けてくれた。塩田が入ったことで、ワンタッチを取ってくれて、拾えるコースにボールが来ることが多くなったし、そこからの切り返しでは、山本がエバンドロだけじゃなく柳田や栗山を使って分散させ、スピード感が出たと思う」と話す。
この日70%を超えるスパイク決定率を残した柳田も、「自分は仕事ができていなかった中、山本のおかげで途中から仕事をすることができた。コンビを合わせる期間があまりなかったので、浮かせたトスを上げてもらったんですが、それに思い切り踏み込んで勝負した。ブロッカーがよく見えていて、それにしっかり対峙できました」と感謝する。
逆転勝利の瞬間、満面の笑顔でおたけびをあげた山本は、試合後、安堵の表情で語った。
「先週の出番では失敗したので、今回は開き直って、自信だけはなくさずにやろうと思って、夢中でした。僕はクイックのトスが得意だし、クイックに上げて、相手ブロックがマークしてきたら他のところに上げる、という組み立てが好きなので今日も意識した。もっと信用されるよう、安定したプレーを出せるようにしていきたいです。この勢いや感覚を忘れず、来週もしっかり勝ってファイナル6につなげたいと思います」
この日の第3セット以降は、仮に誰かにミスが出ても他の誰かがカバーし、互いに目を合わせながら1点1点全員で積み重ねていけた。だから第4セットの劣勢も跳ね返すことができた。コート内の信頼関係が増したからこそ、眠っていた攻撃力が目を覚ました。
次週、大阪市中央体育館で行われるホームゲームは、レギュラーラウンド最後の2戦となる。酒井が「今サンバーズに必要なのはポジティブさ。それと、個人の、1本のスパイクやブロックで点を取るんじゃなく、いかにチームで点数を取るかということ」と語るように、チーム一丸となって粘り強く1点を取りにいけるかどうかが、明暗を分ける鍵となる。