2015/16 V・プレミアリーグ 岩手大会
- 開催日時
- 2016年1月 9日(土) 14:00
- 会場
- 東山総合体育館
3
- 25-22
- 25-18
- 25-22
WIN
0
スターティングメンバー
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阿部 裕太
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山村 宏太
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柳田 将洋
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星谷 健太朗
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栗山 雅史
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エバンドロ グエッラ
酒井 大祐
リベロ
リザーブメンバー
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鈴木 寛史
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岡本 祥吾
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金子 隆行
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鶴田 大樹
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椿山 竜介
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米山 達也
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高橋 賢
試合経過
1月9日、年末年始を挟んで中断していたV・プレミアリーグが約1ヶ月ぶりに再開し、現在7位のサンバーズは、5位の堺ブレイザーズと対戦した。
昨年12月までは苦しんだが、年が明けて心機一転、勝ち星を積み重ねていきたいサンバーズ。第1セットの立ち上がりは栗山、柳田がしっかりとレセプションを返し、エバンドロ、栗山、柳田のサイド3人がバランスよく攻撃をしかけリズムをつかむと、星谷のブロックや阿部のネットインサーブなどで7-3と先行した。しかし徐々に威力を増す堺のサーブに少しずつレセプションが乱れ始め、逆転を許すと、スパイクミスが出て10-12とリードされてしまった。
中盤以降に劣勢に立たされる、これまでと同じ試合展開に陥りかけたが、ここで、途中出場の鶴田が流れを変える。後衛に下がった栗山に代わり鶴田が入ると、ジャンプサーブでいきなりサービスエースを奪い14-14と追いついた。サンバーズに入ってスパイカーからリベロに転向した鶴田にとっては2シーズンぶりのサーブだ。「追いつかれて逆転され、緊迫した雰囲気になっていたので、自分が入って少しでも盛り上げて、なおかつ点数を取れたらいいなと思っていた。あまり気負わずに、ポイントを取ることだけを意識して入りました」と鶴田。
そして柳田がブロックポイントで続き、15-14と逆転に成功。その後、逆転されるが、鶴田、酒井が堺の強力なサーブをしのいでサイドアウトを重ねると、エバンドロのスパイクで逆転。前衛に回った鶴田が今度はレフトからスパイクを決めてチームに勢いをつけ、21-19とリードを広げた。鶴田がレセプションに、スパイクにと存在感を発揮し、サンバーズが第1セットを奪った。
第2セットも山村の連続ブロックで好スタートを切ると、柳田のスパイクや星谷のブロックで6-4と先行した。その後も星谷のブロックでリードを広げ、中盤にはエバンドロ、柳田がサービスエースを奪い、栗山が3枚ブロックを弾き飛ばして17-10と点差を広げた。この日はブロックのワンタッチやディグが機能し、カウンターアタックのチャンスを数多く作った。こぼれ球をエバンドロがベンチまで突っ込んでつなぐなど、ボールへの執着心が際立ったサンバーズが2セットを連取した。
第3セットは堺の強力なサーブに崩されて先行されるが、星谷のサーブで崩し、エバンドロのスパイクなどで5連続得点を挙げ9-6とリードした。しかし中盤、サンバーズにミスが続いて10-10と追いつかれ、さらに、セッターの阿部が左足を負傷して退場してしまう。このアクシデントの直後、堺のブロックで逆転を許すが、中盤、柳田のスパイクが爆発する。好守備から、柳田が相手レシーバーを吹っ飛ばすパワフルなスパイクで3連続得点を奪い19-16と引き離した。一度は追いつかれるが、このセットも途中から入った鶴田が好サーブで崩し、柳田のブロックで24-22とマッチポイントを握ると、最後も柳田のスパイクで締めくくった。堺をストレートでくだし、2016年は白星スタートとなった。
この日は、リベロから2シーズンぶりにスパイカーに復帰した鶴田が大活躍。セット前半は高さと攻撃力のある栗山を入れ、セット後半に守備力のある鶴田を投入するという新しいパターンが機能した。チームの流れが悪くなりかけたところで、鶴田のサーブや守備がチームを救った。
「リベロとしてやってきたので、ポジションが変わるというのは複雑な気持ちもありましたが、勝ちたいという気持ちの方が強かったので、勝ちにつながるのなら一生懸命やろうと思った。前衛にも回るというのは不安がありましたが、スパイクやブロックより、レシーブとサーブで貢献してくれと言われたので、そこで踏ん張れたのはよかったです。『なにかしなきゃいけない』という気持ちでコートに入ったので、勝利につながって本当によかったです」
また、チームとして割り切ったブロックとディフェンスが機能し、相手のサイドアウトをブレイクするチャンスが多く訪れた。「年末年始の期間に、ブロックとディグの組織化をはかった」と選手たちは口を揃える。その要として終止チームを支えたのがリベロの酒井だ。
「ブロックでどこを締めて、どこをディグするのかという、サンバーズのスタンダードをまず作ろうとしてきました。本当に基本的なことなんですけど、それをチームの全員が、ちゃんと共有できたことが一番大きい。極端な話、捨てるボール、拾うボールというのを自分たちで決めて、仕掛けるときはしかける。その結果、ボールがノータッチで落ちることが今日は少なかった。それは本当に天皇杯以降、やってきたことの成果だと思う。約束事さえあれば、それができるポテンシャルはみんなすごくありますから」
そう言って酒井は大きくうなずいた。
12月の天皇杯で敗れて以降、チーム内で話し合い、試行錯誤してきた成果が、新年早々白星という形で表れた。年が変わるとともに、チームは変わった。そう期待させる快勝スタートだ。