2015/16 V・プレミアリーグ 福井大会
- 開催日時
- 2015年11月15日(日) 13:00
- 会場
- 敦賀市総合運動公園体育館
3
- 20-25
- 15-25
- 25-20
- 28-26
- 15-11
WIN
2
スターティングメンバー
-
山村 宏太
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栗山 雅史
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岡本 祥吾
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椿山 竜介
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金子 隆行
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鈴木 寛史
酒井 大祐
リベロ
リザーブメンバー
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阿部 裕太
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柳田 将洋
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山本 湧
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星谷 健太朗
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米山 達也
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松崎 廣光
-
鶴田 大樹
試合経過
11月15日、敦賀市総合運動公園体育館にて今シーズン第5戦が行われ、サンバーズは昨シーズン5位のジェイテクトSTINGSと対戦した。
まだ勝ち星のないサンバーズは、第1セットの立ち上がり、キャプテン栗山がレフトからスパイクを決めると気合いの雄叫びをあげ、周囲の選手が集まっていく。金子もブロックを決めて走り回る。椿山や栗山のスパイクで3点ビハインドを跳ね返し、8-7で最初のテクニカルタイムアウトを迎えると、ベンチの選手たちもいっせいに駆け寄った。「何としても今日は勝つんだ」という気迫に満ちていた。
ところがその後、拾えるボールを落として流れがジェイテクトへ。鈴木のサービスエースで追いつくが、サンバーズにミスが出て再び点差を広げられる。終盤、椿山が立て続けにカウンターアタックを決めて18-20と追い上げたが、その後引き離されて第1セットを失った。
第2セットはサンバーズのスパイクがブロックに捕まり1-6とリードされる。その後も、レセプションを崩されて点差を広げられる。松崎がコートに入り、レセプションを立て直すが、サンバーズのスパイクがジェイテクトの堅いディフェンスに阻まれて決まらず、大差をつけられ第2セットも奪われた。
後がなくなったサンバーズだが、第3セットからコートに入った星谷、柳田の2人が流れを変えた。まずは柳田がレフトから強烈なスパイクをたたきこみチームに勢いをもたらすと、星谷もブロックで続き3-0と好スタート。椿山のスパイクなどで5-1とリードを広げた。サンバーズはミスを出さずに我慢し、相手に先にミスをさせる展開を作り14-6と大差をつけた。その後も椿山がパワフルなスパイクや鋭いサーブで得点を重ね、サンバーズがセットを取り返した。
勢いそのままに、第4セットも鈴木のスパイク、柳田のブロックなどで3-0と先行した。追いつかれても、金子のスパイクや柳田のサービスエースで7-5と再び引き離す。ところが、ジェイテクトの強力なサーブに崩されて7-12と一気に点差を広げられた。それでもサンバーズは諦めない。椿山や柳田のスパイクで追い上げ、椿山のカウンターアタックでついに14-14と追いついた。再び引き離されても、終盤、阿部のブロックで追いつき、さらに、酒井のスーパーレシーブが得点につながり24-23と逆転。デュースとなるが、ジェイテクトの強力なサーブをレセプション陣がしっかりと返し、崩れた時には椿山がスパイクを決めてピンチを救う。サンバーズは、椿山の好サーブから、こぼれ球を鈴木が押し込んで4度目のセットポイントをものにし、試合をフルセットに持ち込んだ。
第5セットはリベロの酒井が好守備を連発してリズムを作ると、柳田が強烈なサーブで2連続サービスエースを奪い4-3とリードした。中盤には星谷のサーブで崩し、金子のスパイクとブロックで8-5とリードを広げる。サーブで崩されても、椿山が渾身のスパイクでしのぎ、追い上げを許さない。さらに阿部のブロックで点差を広げる。何度拾われても、椿山が粘り負けせず打ち勝ってマッチポイントを握ると、このセット2本のサービスエースを奪っている柳田にサーブが回った。サンバーズファンの期待が高まる中、柳田は鋭いスイングから高速サーブを放ってレシーバーを吹き飛ばし、サービスエースで激戦を締めくくった。
苦しみ抜いて手にした今季初勝利に、選手たちは跳び上がって喜びを爆発させた。
2時間25分の試合にフル出場した金子は、「ずっと波に乗れていない状況でしたが、選手の中で、各ポジションの役割や、今やれることをしっかりやろうと話し合って臨んだ。今日は3セット目から入った選手がチームに勢いをつけてくれた」と晴れやかな表情で語った。
躍動感あふれるスパイク、サーブで逆転への流れを作った柳田は、「1、2セット目は、勝ちたいという思いで前のめりになっているように感じたので、平常心を保てるように、自分が入るときは、周りがふざけてるんじゃないかと思うぐらい笑ったり、少し変な言葉をかけて周りを笑わせたりして、ちょっとほぐれるような振る舞いを意識しました。本当に、チームが一つにならないと勝つのは難しいなと感じたし、逆に今日の試合の中で、徐々にチームが一体となっていくのを肌で感じることができた。これこそがサンバーズらしさだと思った」と語った。
最後のサービスエースについてはこう振り返る。
「5セット目の中盤、コートチェンジをする前ぐらいから、うまくいけば自分に(マッチポイントで)サーブがくるかなと思い始めていたので、実際回ってきた時には気持ちがたかぶって、そこからはもう思い切りいきました」
地元・福井での今季初勝利に、安堵の表情を浮かべたのはオポジットの椿山だ。エバンドロに代わって今季初先発した前日は、「緊張したし、福井ということで力んだり考えすぎたところがあった」と話していたが、この日はチームが苦しい場面で難しいトスを打ち切り、27得点を奪う爆発を見せた。
「阿部さんがどんどんトスを上げてくれて、僕のリズムを作ってくれたし、ミスしたりシャットされても、みんなが『下向くな!』とずっと言ってくれていたので、そのおかげで気持ちを保ってやれたのかなと思います」
エバンドロが出場できない現状は、椿山にとってはチャンスだが、「自分どうこうじゃなく、チームを勝たせる、そういう選手になりたい」と、あくまでチームの勝利を追い求める。
5戦目にして待望の今季初勝利を得た。しかし、サンバーズはまだまだ勝利に飢えている。ここから一戦一戦、チーム一丸で白星を積み重ねていく。