令和6年度天皇杯・皇后杯 全日本選手権大会 ファイナルラウンド 12月15日(日) 準決勝
- 開催日時
- 2024年12月15日(日) 12:00
- 会場
- Asueアリーナ大阪
3
- 25-21
- 25-22
- 25-22
WIN
0
試合経過
天皇杯全日本バレーボール選手権大会準決勝。サンバーズは現在SVリーグで3位のウルフドッグス名古屋と対戦した。
第1セット、サンバーズは藤中颯の好守備をムセルスキーが得点に繋げたり、ラリーの中でムセルスキーがクイックを決めて7-4と好スタートを切った。髙橋藍の勢いのあるパイプ攻撃でサイドアウトを奪い、ムセルスキーの強力なサーブで崩し、小野寺のブロックで仕留めて12-8と点差を広げる。WD名古屋のサーブに崩されて追い上げられるが、サンバーズもサーブで応戦。アラインが破壊力のあるサーブを打ち込んでチャンスを作り、髙橋藍が巧みなスパイクで得点に繋げ14-10と再びリード。追い上げられても、髙橋藍のショートサーブで揺さぶり、アラインのブロックで再び引き離す。終盤も甲斐のサーブでプレッシャーをかけてムセルスキーのブロックで仕留めるなどサーブ&ブロックが機能。藤中颯を中心に好守備も連発し、相手に簡単にはスパイクを決めさせず、セットを先取した。
第2セットは相手のサーブに押され始めリードされたが、鬼木がショートサーブで揺さぶり、ムセルスキーが得点に繋げて追い上げる。大宅の1枚ブロックで10-10と追いつくと、藤中颯がニミル・アブデルアジズの強烈なスパイクを拾い、髙橋藍が豪快にパイプ攻撃を叩き込み11-10と逆転。小野寺のブロックや、アラインが3枚ブロックの内側に巧みにスパイクを決めて13-10と点差を広げた。追いつかれても、鬼木やムセルスキーのブロックで相手のスパイクを阻み16-14と再び抜け出す。終盤は髙橋藍が得意のショートサーブでエースを奪うなどブレイクを重ね、セットを連取した。
第3セットは小野寺のBクイックでサイドアウトを重ね、大宅のブロックで逆転。髙橋藍がショートサーブでこの日2本目のエースを奪うなど9-6とリードした。追いつかれても、アラインの強力なサーブで攻め、髙橋藍のスパイクや小野寺のブロックで立て続けにブレイクし15-11と再び点差を広げた。終盤、WD名古屋のサーブに押され追い上げられたが、大宅がフェンスぎわまで追って繋いだトスを、髙橋藍が後衛から豪快に叩き込んで相手の流れを断つ。藤中颯の好守備で粘ってムセルスキーが得点に繋げたり、小野寺が相手のクイックをシャットアウトして23-19と一気に引き離し、ゲームセット。
難敵を相手にセットカウント3-0で勝利し、決勝に駒を進めた。
WD名古屋とはちょうど1週間前のリーグで対戦したばかり。その時はニミルをはじめとするWD名古屋の強力なサーブに苦しんだが、その経験と対策が活きた。髙橋藍はこう明かす。「先週1勝1敗で終えて、ウルフドッグスに勝つためには、いかに相手のサーブに耐えてしっかりサイドアウトを取っていくかが重要だとわかった。だからサーブレシーブに入る3人の関係性をもう一度見直し、相手の得意なコースを分析して、エースを取られないためにどの位置にシフトを敷くかなどをしっかり確認して臨みました。今日自分たちは完璧に近いバレーボールを出せたんじゃないかなと思います」相手のフローターサーブにエースを奪われた場面はあったが、ジャンプサーブには1本もエースを許さず、相手の武器を封じた。
リベロの藤中颯も「1週間前に対戦があったことはすごく助かった。そのおかげでしっかり対策を練ることができて、自分たちのやりたいことがハマり、相手にストレスを与えることができたと思う。スタッフの戦略のおかげかなと思います」と手応えをにじませた。
攻撃では、ムセルスキーが65.5%の決定率でチームトップの19本のスパイクを決め、髙橋藍も70.6%という驚異的な数字を残すなど、スパイカー陣が高いスパイク決定率を記録した。
この2日間、持ち前のパワフルな強打だけでなく、冷静に巧みなフェイントを織り交ぜるなど幅広い攻撃で相手を翻弄したアラインは、「力だけじゃなくて、久しぶりに頭使ってやりました(笑)。自分の(いつもやっている)プレーじゃないから、誰も予想していなかった分、点数を取れたのかなと思う。オリ(オリビエ監督)から、『ちゃんとフェイントやリバウンドとかも、もっと使わなあかんよ』と言われていたので。あまり使わないだけで、できることはできるんですよ」と笑顔で胸を張った。
そしてこの日はブロックとディフェンスもハマった。小野寺がトップの4本、チーム全体で計13本のブロックを量産。ブロックを抜けたコースはしっかりとディグで対応し、相手のサイド攻撃の決定率を抑えた。
試合の立ち上がりから強烈なスパイクを次々に拾った藤中颯は、「データや対策がうまく噛み合ったし、ブロックが良かったのもありますが、やっぱり気持ちが入っているというのもあります。やはりトーナメントで、負けたら終わりという試合は燃えます」と語る。
ちょうど1年前は世界クラブ選手権を戦っていたが、その時も藤中颯は絶好調で、メダル獲得に大きく貢献した。「12月に強いというのもある?」という問いには、「12月(2日)はバースデーなんで」と笑って返した。藤中颯だけではない。ジェイテクトSTINGS愛知、WD名古屋にストレートで連勝したこの2日間、サンバーズのギアは明らかに上がっていた。
大宅は「今、チームはすごくいい方向に進んでいると思うので、この勢いのまま決勝もチーム一丸で戦っていきたい」と意気込みを語った。
22日に行われる決勝の相手は、大阪ブルテオン。SVリーグの開幕週に2連敗した相手だが、今はあの時のサンバーズではない。積み上げてきた自信と結束力を持って、今季1つ目のタイトルを奪いにいく。