サントリーグループは、「人と自然と響きあい、豊かな生活文化を創造し、『人間の
私の曽祖父である鳥井信治郎が、大阪の地でサントリーを創業してから125年余。私たちが大切にしてきた価値観が「やってみなはれ」と「利益三分主義」です。サントリーの原点は、日本に洋酒文化を広めたい、日本人の味覚に合ったワイン、ウイスキーをつくりたい、という強い想いに基づく、当時は無謀ともいわれた挑戦にあります。その後も、「やってみなはれ」精神の下、新たな価値創造に向けた飽くなき挑戦を重ね、今日の食品酒類総合企業へと成長してまいりました。
また、事業で得た利益は、自社への再投資にとどまらず、お客様や社会に還元していくという「利益三分主義」の下、社会福祉、芸術・文化・学術・スポーツ振興や環境保全活動、災害復興支援などの社会貢献活動に長年取り組んできました。創業以来取り組んできた社会や自然との共生を目指した活動は、まさにサステナビリティそのもので、現在では世界中に広がっています。
特に、水や農作物などの自然の恵みに支えられて事業を営む私たちにとって、豊かな地球環境を次世代に引き継いでいくことは重要な責務です。その一環として、水をはじめ容器包装や温室効果ガス(GHG)について「サントリー環境目標2030」を掲げています。例えば、2030年までに「自社拠点でのGHG排出量を50%* 削減」「バリューチェーン全体で30%* 削減」など、具体的な目標も示しています。目標達成に向け、サントリーグループ内はもちろん、社外の委託先様や取引先様、幅広いステークホルダーの皆様、時には異業種の企業とも手を携えて、さらに力強く歩みを進めます。
また、地下水を育む森の水源涵養機能の向上や生物多様性の再生を目的とした「天然水の森」活動は、工場で使用する以上の水を育み水源に還元する「ウォーター・ポジティブ」の考え方が共感と賛同を得て、国内外に広がっています。次世代を担う子どもたちに水の大切さを伝える「水育」は、2024年に20周年を迎えました。今では日本国内から東南アジアやヨーロッパなどに広がり、各国・地域の状況や課題に合わせたプログラムを実施しています。
いま、サントリーグループの社員は全世界で約4万人を超えています。それぞれのエリアや事業で培ってきたお客様との絆やものづくりの技術は私たちの財産です。エリアや事業、部門を超えて互いに学びあい、高めあって、新たな価値を生み出していくことを通じて、世界中のどこに行ってもサントリーグループの商品やサービスを楽しむことができる未来をつくり上げていきたいと考えています。国籍や言語、事業が違っても、めざす目的は一つ、「人と自然と響きあい、豊かな生活文化を創造し、 『人間の
サントリーホールディングス株式会社
代表取締役社長
* 2019年の排出量を基準とする