原料
ウーロン茶
ウーロン茶の生産地
ウーロン茶の主な生産地は、福建省と広東省、台湾などの、いわゆる華南文化圏です。近年は台湾の製茶技師などの指導によってベトナムやタイの山岳地帯でも、少量ではあるが生産されています。
茶の種類
(緑茶・紅茶・プアール茶との違い)
サントリー烏龍茶ができるまで
「サントリー烏龍茶」のウーロン茶葉は、中国福建省の茶園・茶農家で栽培・収穫され、現地の荒茶工場で加工後、仕上げ工場で最終加工・ブレンドをし、日本に輸出します。
その後日本のサントリーの工場でウーロン茶葉を受け入れて、茶葉から抽出したウーロン茶を容器に詰めて出荷、各販売店を通じお客様のもとへと商品が届きます。
ウーロン茶葉の品質保証の取り組み
(中国福建省での事例)
ウーロン茶葉中の残留農薬保証の取り組み
「サントリー烏龍茶」の原料であるウーロン茶葉は、中国福建省で収穫されたものです。サントリーでは、従来より原料品質保証を徹底し、ウーロン茶葉中の残留農薬の安全性の確保につとめて参りました。2012年から13年にかけて、中国産ウーロン茶葉で、フィプロニルならびにインドキサカルブという2種の農薬が残留基準値を超える濃度検出されたということで、ウーロン茶製品が自主回収される事案が多数報告されました。しかし、サントリー向けのウーロン茶葉の輸入では、現在までのところ1件の違反もありません。
サントリーでは、2006年から施行された残留農薬ポジティブリスト化制度を先取りして、2004年に中国・上海に、ウーロン茶葉の残留農薬を分析する目的で自社の分析センター「サントリー中国(上海)品質保証センター」を開設し、中国国内での自社検査体制を確立しました。
日本の当社安全性科学センターと同じ設備・同じ技術を有し、サントリーグループで初のISO17025の認定を取得しました。
サントリー中国品質保証センターの活動
サントリー中国(上海)品質保証センターでは、中国から船積みされる全ロットの茶葉を検査するだけでなく、加工段階の茶葉や市場で販売されている茶葉などの検査を行なっており、その結果を茶葉の製造メーカーや茶園と共有化、信頼できる取引先と一緒になって安全性の確保に取り組んでいます。
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ウーロン茶葉の安全性検査
サントリー中国(上海)品質保証センターでは、輸出予定のすべての茶葉に対して残留農薬分析を行い、日本の食品衛生法に適合していることを確認しています。分析対象農薬は栽培に使用した農薬だけでなく、周辺から飛散してくる可能性がある農薬を含め約450種類で、年間の分析頻度は約900回です。
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サントリーの目で確認
現地の茶葉の育成状況の確認から、適正な農薬使用、農薬の記録・管理についての指導など、長年にわたる活動を通じて、サントリーの要求品質に応えられる茶園・茶農家や工場を絞り込み、安全で高品質な茶葉を入手しています。
サプライヤーに対して協力を依頼した内容がしっかり行われているか、茶園・茶農家、荒茶工場、仕上げ工場などに足を運び、サントリーの視点で茶葉や茶葉加工工程などを確認しています。 -
茶園の調査・指導
新規茶園を採用する際には現地に足を運び、サントリー烏龍茶の原料の生産地としてふさわしい環境にあるかなどを確認します。
また、ウーロン茶葉の安全性検査の結果、調査や確認が必要になったときは、サントリー中国(上海)品質保証センターの担当者が茶園・茶農家を訪問し、サプライヤーと一緒に原因究明や改善指導など迅速な対応を行っています。 -
品質会議で課題を共有
サントリーの原料調達部門・商品開発部門とサントリー中国(上海)品質保証センターの担当者が品質会議に参加し、サプライヤーにサントリーの要求品質を伝えるだけでなく、「茶葉の安全性」や「香味などの品質」についての確認と今後の課題を共有しています。
トレーサビリティと
ウーロン茶葉情報の一元管理
トレーサビリティ
サントリーでは、茶園・茶農家から商品の出荷までの各段階における履歴や検査結果などを記録・保管し、特定の原料や商品を追跡・確認できるしくみを構築しています。
ウーロン茶葉の情報を一元管理
「茶園の環境」「栽培履歴」「使用した農薬」「荒茶工場での加工記録」「仕上げ工場での茶葉のブレンド」「中国(上海)品質保証センターでの安全性検査結果」など、ウーロン茶葉に関する情報を現地サプライヤー、サントリー中国(上海)品質保証センター、および日本の関係者がアクセス可能な一元管理システムで管理しています。このデータベースを源流管理や残留農薬分析の項目選定に役立て、さらなる品質保証の強化に努めています。