サントリーグループでRPA(※Robotic Process Automation:ロボットによるルーティン業務の自動化・効率化の導入)の導入が本格的に動き出したのは2017年2月。トライアルやテストを兼ねた一部部門への先行導入を経て、2018年より全社展開を開始。2019年時点で、すべての部門にて活用推進が開始されています。
RPAは従来、人手で行っていたPCでのルーティン業務をロボットが代行・自動化することで、業務の効率化を図ることを目的としています。よって、RPAが働き方を大きく変える武器であると捉え、人事部門とシステム部門が連携する横断的組織「RPA全社推進プロジェクトチーム」を結成しました。RPAについての解説やRPAを先行導入している部門からの効果報告などを社内の働き方改革ナレッジサイト「変えてみなはれ」に掲載することで、全社へ発信・共有。RPAに対する理解度を高めていった結果、わずか1年でRPAの全社導入が実現しました。
2018年に本格展開をスタートし、これまでにRPAを業務適用した部署数は2022年1月時点で122、業務数が770を超え、累計で21万時間以上の業務を人の作業からRPAに移行済みとなっています。
そして現在、自動化の領域では新たな取り組みに着手しています。
従来のRPAは専用プログラムで開発する必要があったため、現場の要望に基づいてシステム部門がロボットプログラムを作成していました。これは比較的大きな規模の作業を大幅に効率化できる反面、開発スピードという面で課題がありました。
サントリーグループではさらに効率化を進めるべく、専用プログラムを書く必要がなく、現場社員が自身で簡単に自動化ソフトウェアが開発できる環境を2021年から整備し、同時に活用推進チームも立ち上がりました。
こちらの特徴は、作りたい時に自分のペースですぐに作成し、運用を開始できる点。小規模な定型タスクを抱えるチームや社員のニーズとマッチし、多くの部署がすでに50件以上の業務でこの仕組みの利用を始めています。