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サントリーがめざす「いのち輝く未来社会」とは―
心躍る体験を通じた“気づき”を提供する万博に
サントリーは、コーポレートメッセージである「水と生きる」を基本コンセプトに、2025年4月より開催される日本国際博覧会(大阪・関西万博、2025年4月13日~10月13日)へ参画しています。なぜ、サントリーが大阪・関西万博への参画を決めたのか。万博を通じて届けたいメッセージなど、サントリーホールディングス(株)大阪・関西万博推進室長の前波美由紀がご紹介します。

自身の経験も活かし、サントリー全体で万博の成功へ
私は2022年3月に設立された大阪・関西万博推進室(当時、大阪・関西万博準備室)の室長を務めています。万博推進室には現在、私を含めて9名が在籍していますが、他にもさまざまな部署や人々が関わり、まさにグループ全体で万博に向けた準備を進めています。
着任が決まった時は、この一大プロジェクトの責任者という重責に、正直「これは大変やな」と思いましたが、ちょうど閉幕間近だったドバイ万博で「世界のお祭り」を目の当たりにし、ぜひ成功させたいと前向きになったことを覚えています。推進室のメンバーみんなが高いモチベーションで取り組んでおり、侃々諤々の議論を交わしながら「閉幕まで走り切ろう」を合言葉に頑張っています。
私は入社後、大阪市内のビール営業からはじまり、酒類の販促企画、輸入ワインのブランドマネジャー、若手・中堅社員の人材開発、文化事業、経営監査スタッフなど、振れ幅の大きい業務に携わってきました。万博に向けた準備では、さまざまな部門との連携や事前調整が必要ですが、これまでの業務経験から幅広い部門に相談相手がいることは、今の業務に活かされていると感じています。
サントリーが万博参加を決めた3つの理由
サントリーは、今回の大阪・関西万博が4回目の万博参加となります。1970年の大阪万博をはじめ、これまでの万博ではいずれも、人と自然の響きあい方をテーマにメッセージを投げかけてきました。これは今回の万博でも同じです。サントリーは「人と自然と響きあい、豊かな生活文化を創造し、『人間の生命(いのち)の輝き』をめざす」をパーパスに掲げています。今回の大阪・関西万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」は私たちのパーパスと親和性が高く、めざす方向性が同じであることは会社として参加を決めた理由の一つとなっています。
万博は、国際条約に基づいた大規模で長い歴史をもつイベントです。多様な文化が交流する場であり、公式参加国の方々をはじめ、世界各国からいらっしゃる多くのお客様にサントリーというブランドをアピールできる絶好の機会だと考えています。加えて、サントリーの創業地である大阪で開催される万博だからこそ、グループ全体で盛り上げ貢献したいという思いもあります。
「パビリオンではない」新たな試み
大阪・関西万博では、サントリーとしては初めて、パビリオンではなく「水上ショー」を出展します。さらに、コンセプトの異なる3つの飲食店を出店するほか、子どもたちと一緒につくる次世代環境プログラムも実施します。また、会場内のフードトラックや自動販売機などでサントリーの製品・サービスをお届けします。

万博史上最大級の水上ショー。「ウォータープラザ」の水上に、幅約200メートル、奥行き約60メートル、ショーエリア面積約8,800平米の巨大な舞台空間が誕生し、約300基の噴水をはじめ、照明やレーザーなどさまざまな演出装置が設置され、ショーを盛り上げます。
特に今回の万博を象徴するエリア「ウォータープラザ」で開催する水上スペクタクルショーにはご注目いただきたいです。この水上ショーは「水と空気」をテーマに、いずれも大阪を創業地とするサントリーとダイキン工業様が共同で実施します。「いのち輝く未来社会」にとって、水と空気は欠かせない存在です。水上ショーを通じて「水と生きる」サントリーと「空気で答えを出す会社」ダイキン工業の思いを表現します。お客様に心躍る体験を楽しんでいただき、「水と空気の大切さ」「人と自然の未来」について考えるきっかけにもなればと願っています。

日経SDGsフェスに登壇し、サントリーが大阪・関西万博に参画する思いや見どころを講演する前波さん
水上ショーに加えて、サントリーの出店するレストラン「水空 SUIKUU」でもダイキン工業様と共創します。店内は、清冽な水の流れや緑あふれる景色、清々しい空気を映像や空調技術で再現し、万博会場のウォーターフロントにいながら、まるで高原のレストランで食事をしているかのような体験をしていただけます。「水と空気」をキーワードに両社でコンセプトを考える中で、「爽やかな高原で飲む水やちょっとした食事がすごくおいしい」ということから着想を得ました。こういった“自然の中で自然をいただく幸せ“がこの先もずっと続いてほしい・未来に残したい、とお客様に思っていただけたらと考えています。
“水と生きる公園”をイメージした「SUNTORY PARK CAFE」は、賑やかな万博会場内をいろいろ見て回りたいお客様のことを考えたときに、“気軽に立ち寄れて、ホッとできる、心とからだが潤うような場所”というイメージが生まれました。ご家族や友人同士で、あるいはお一人でなど、多様なお客様が、それぞれ思い思いに楽しみながらも緩やかにつながっているような場所にしたいという思いから、公園というコンセプトに辿り着きました。

「水空 SUIKUU(すいくう)」で提供する再生農業原料(大麦・ホップ)を使用した当社初のビール「水空(すいくう)エール」やCO2削減びんを使用した日本ワイン「SUNTORY FROM FARM 登美の丘 赤 時のかさね」「同 信州 シンフォニー 2023」、サントリー天然水でつくられた氷を使用したかき氷など、自然の恵みがもたらす豊かな飲食体験をお客様にご提供します。
大阪・関西万博は、新型コロナウイルス感染症の収束後、初めての万博となります。コロナ禍では、人が集まって同じ空間で何かを楽しむ行為が大きく制約を受け、サントリーを含む飲食業界も大きな影響を受けました。家族や友人と共に飲食店で食事をすることができなくなり、飲食を通した「人と人とのつながり」の価値を改めて知りました。コロナ後の万博だからこそ、みんなで一つの場所にリアルに集まって水上ショーを楽しんだり、飲食を共にしたりすることに意味があると考えています。

「来場された方々に、『楽しい』『美味しい』をたくさん感じてもらいたいです。そして、この幸せを未来にもずっと残したい、そのために自分に出来ることは何だろうと考えるきっかけとなる“気づき”の場を提供できたらと思っています。」と語る前波さん。
サントリーは清涼飲料、お酒の他にもさまざまな事業を行っていますが、コーポレートメッセージである「水と生きる」の考えはいずれにも共通しています。自然の恵みをいただき、私たちのものづくりやイノベーションでより豊かなものにし、お客様に豊かな時間・体験をお届けする。大阪・関西万博を通じて、お客様が楽しみながらサントリーからのメッセージに共感していただけたらと思います。
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