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未来に水を引き継ぐために──水の大切さを伝えるサントリー独自の次世代環境教育「水育」

次代を担う子どもたちに自然の素晴らしさや水の大切さに気づいてもらい、水循環への理解を深めてもらうために2004年から始まったサントリー独自の次世代環境教育プログラム「水育」。自然体験プログラム「森と水の学校」と、小学校の教室で行う「出張授業」を中心に、多くの子どもたちに水の大切さを伝えてきました。今ではその活動は国内のみならず、世界7ヵ国でも展開しており、累計参加者は約119万人にのぼります(2024年12月末時点)。2024年に20周年を迎えた「水育」の今後の展望について、日本の水育を支えるキーパーソン、サントリーパブリシティサービス(株)の田中省伍がご紹介します。

  • 「水育」はサントリーホールディングス株式会社の登録商標です
未来に水を引き継ぐために──水の大切さを伝えるサントリー独自の次世代環境教育「水育」

大切にしているのは“体験”と“アウトプット”すること

サントリーパブリシティサービス(株)は、サントリーグループで60年間、企業PR施設や文化施設の運営を通じて、ブランディングや地域共創に取り組んできた会社で、次世代環境教育プログラム「水育」の運営・講師育成も行っています。
「森と水の学校」や「出張授業」でも、重要視しているのが子どもたちの“体験”と“アウトプット”です。「森と水の学校」では自然体験を通じて、森で水が育まれる仕組みや水を育む森を守るためにはどうしたらよいかを学んでもらいます。まずは子どもたちが森の中で自らの五感で感じたこと、考えたことを大切にしたい。そんな思いのもと、まずは自然を思いっきり体験することが重要と考えています。「出張授業」でも、子どもたちが一方的に話を聞いて学ぶのではなく、地球上の水循環を体感できるすごろくのような教材や、森のはたらきが一目でわかる実験装置などの教材を使用して、体験型の授業を提供しています。

学術機関と共に開発した実験装置を用いて、森がどうやって水を育むのかをわかりやすく解説します。

そして、体験を経て「アウトプット」することも重要と考えています。子どもたちが自分の言葉で話すこと、同じ体験をしたほかの子どもたちの感想を聞くことを通じて、自分の考えを整理し、さらに自分ごととして捉えられるようになるのです。子どもたち同士でいろんな意見を交わしている姿はまさに“子どもたち主体の学び”だと感じています。

小学校4・5・6年生を対象に、小学校を訪問して先生方と一緒に行う「出張授業」の様子。

子どもたちの“初めて”に立ちあうたびに感じる自然の力

「森と水の学校」に参加する子どもたちの中には、楽しみでわくわくしている子どもだけでなく、少し緊張している様子の子どももいます。ある時、「森の中に入るのが初めてだから怖い」と尻込みをしていた子どもが森で深呼吸をした途端、さっきまでこわばっていた顔が嘘のように明るくなった瞬間を見ました。その時、自然の持つ力はすごいと強く感じました。

「子どもたちの“初めて”に立ち会う仕事と思うと、とてもやりがいがあります」と語る田中さん。

森の中では、五感を使ってたくさんの自然に触れてもらいます。だからこそ「水育」において、絶対に守らないといけないのが安全第一であるということです。自然体験プログラムである「森と水の学校」では、実施前の準備として、我々スタッフが必ず子どもの背丈にしゃがんで森を一周することにしています。大人のお腹辺りに突き出た小枝も、子どもの場合は目の位置になるのでとても危険。「あの木を見て」と言っても子どもの身長では見えづらい可能性もありますし、逆に大人では見つけづらい地面のキノコに気づくこともあります。だからこそ、プログラムづくりには文字通り子ども目線が欠かせないのです。
それは、小学校で行う「出張授業」でも同じです。使用する教材の角を丸くすることで手を切らないような配慮や、子どもが見やすい文字の大きさや色使いなど、子ども目線で工夫をしています。

豊かだからこそ見えにくい日本の水環境の危機

現在、「水育」は日本国内のみならずグローバルに展開しています。2024年4月には世界各国で「水育」をリードするサントリアンたちが一同に会する「水育サミット」がベトナムで開催され、私も日本の代表として参加し、各国の「水育」担当者と意見交換しました。その際に実感したのは、国や地域によって抱えている水に対する課題はまったく違うということ。日本の「水育」は水の循環とその循環の中にある森や自然がどのようにして水を育むかをメインテーマにしていますが、日本国外では国ごとの生活習慣や水環境の違いを踏まえその国の課題にあわせたアプローチをしていることを強く実感しました。

タイの子どもたちを白州蒸溜所に招待して行われた「森と水の学校」。「子どもたちの中にはお風呂に入るよりも川で沐浴をすることのほうが多いと聞き、水の使い方の習慣の違いを実感しました」(田中さん)

「水育サミット」を通じて改めて「日本の水課題は何か?」を自問したとき、水の豊かさに隠れて水に対する課題が少ないと思われていることが問題なのではないかと考えるようになりました。実際には手入れ不足により地下水を十分に育めない森も多く、その結果、気候変動による局所的な大雨で土砂崩れなどが起こるという災害が発生しています。蛇口をひねれば水が出てくるのが当たり前の日本ですが、未来の水やその水を育む森のことを考えないと、私たちの今の生活も水と生きるサントリーの事業活動も未来には続けられないかもしれないのです。こうした日本の水課題を考えると、子どもたちだけでなく、大人の皆さんにも水環境の大切さ、危機意識を持つ重要性を訴えていく必要を感じています。これから先、中高生や大人の皆さんとも、「水育」を介してサントリーが対話をする時間を生みだしていければいいなと思っています。

2024年8月には「水育」20周年特別企画として、当時小学生だった20~30代を対象に大人の「水育」体験を開催。「小学校で習ったはずの水循環の仕組みや森のはたらきをを忘れてしまっていたので、良い機会になったという声を多くいただきました」(田中さん)

サントリーグループは、「サントリー環境目標2030」において、2030年までに500万人に対して、水の啓発と安全な水をお届けすることを目標として掲げています。今手にしているサントリー天然水は、先人が自然を大切にしてきたからこそいただける自然の恵みです。だから今、私たちもできることをしていかなければいけない。これからも、一人でも多くの子どもたちに自然の素晴らしさや水の大切さを伝えていきたいと思っています。

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