- 原料
- CO2
循環型農業の取り組みを進める「登美の丘ワイナリー」をレポート【前編】
サントリーグループのさまざまなサステナビリティの取り組みを、従業員の生の声でお届けします。初回は、100年以上の歴史を持ちながら、先進的な循環型農業への挑戦でも知られる「登美の丘ワイナリー」へ。栽培技師長の大山弘平さんにお話を伺いました。
生産者の高齢化という課題に向きあい地域コミュニティと連携
100年以上の歴史を持つ「登美の丘ワイナリー」は2022年9月、体験・体感型ワイナリーにリニューアルしました。そんな登美の丘ワイナリーのぶどう畑では、社会課題や気候変動問題などに対応すべくさまざまなチャレンジを実施し、持続可能性を追究する、循環型農業の取り組みを進めています。
日本固有品種『甲州』の山梨県における生産量は、1999年頃の約8000tをピークにここ数年では約3000tまで減っています。生産者の高齢化や跡継ぎ不足で耕作放棄地も増えているので、山梨県など行政や地域の方と相談して荒れた畑をまとめ、山梨県内3ヵ所、合計で16ha規模のぶどう畑をつくりました。畑での植えつけを手伝っていただいたり、私たちは地域の清掃に参加したりするなかで、コミュニティが活性化したと喜んでいただけています。持続可能性は、環境だけでなく人の関係性でも言えることだと思っています」(大山さん)
循環型農業のキーワード「4パーミル・イニシアチブ」とは?
そして、農法におけるチャレンジの一つが、除草剤を使わず草が生えた状態で作物を育てる「草生栽培」という栽培法。近年は循環型農業として話題ですが、登美の丘ワイナリーでは粘土質の土壌を改善するため2000年頃から推進しています。下草の効果によって土壌の団粒化が進み、微生物や益虫が増え、生物多様性に富む豊かな土質となります。草の生えた地面を触るとふかふかと柔らかく、豊かな土壌であることが分かります。ぶどうの品質のためなら手間を惜しまない姿勢は、今も変わりません。
さらに、「やまなし4パーミル・イニシアチブ」へ貢献する農法でも注目されています。これは土壌の炭素貯蔵量を毎年0.4%ずつ増やし、温暖化を抑制しようという世界的な取り組みで、2020年から山梨県も参画。登美の丘ワイナリーでは剪定枝を炭にして畑に戻すことで、ぶどうが吸収した二酸化炭素を土壌に貯留する取り組みに着手しています。
「まずは有機栽培の畑で試しているところですが、興味を持った地域のワイナリーの方も視察に来られています。効果を数値化して発信することで、取り組みを広げていきたいと考えています」(大山さん)
(後編に続きます)
最新のストーリー
-
- 気候変動
- 原料
2024年10月11日
国産ボタニカルをサステナブルな原料に──そのカギはグローカルブランド化
続きを見る -
- 水
- 気候変動
- 原料
2024年6月7日
ウイスキーの重要原料である「ピート」と地球の未来のために──「ピートランド・ウォーター・サンクチュアリ」プロジェクト
続きを見る -
- 生活文化
2024年4月30日
目指すのはチャレンジド・スポーツをより良くする環境づくり
続きを見る -
- 人権
- 容器包装
- 気候変動
2024年4月30日
2024年より、新卒2年目の全員を対象に海外研修を開始!
続きを見る -
- 原料
- CO2
- 生物多様性
2023年11月30日
生産者とともに守っていくイギリス産カシス――サステナブル農業支援プログラム
続きを見る -
- 人権
2023年9月29日
障がいのある社員が最も輝く会社を目指して
続きを見る -
- 水
2023年7月31日
世界に広がる次世代教育「水育」──アジアの生エピソードをお届け
続きを見る -
- 健康
2023年6月29日
より多くの方にメッセージを届ける──新社内資格制度「DRINK SMARTアンバサダー」創設
続きを見る -
- 原料
- CO2
2023年6月29日
循環型農業の取り組みを進める「登美の丘ワイナリー」をレポート【後編】
続きを見る -
- 生物多様性
2023年5月10日
50周年を迎えたサントリーの愛鳥活動のこれまでとこれから【後編】
続きを見る -
- 原料
- CO2
2023年4月27日
循環型農業の実践場「登美の丘ワイナリー」をレポート【前編】
続きを見る -
- 健康
2023年4月27日
適正飲酒をより身近に感じていただくために──「ほどほどな仲間たち」誕生
続きを見る -
- 容器・包装
2023年4月27日
使用済みペットボトルから新たなペットボトルをつくる“水平リサイクル”
続きを見る -
- 人権
2023年4月27日
仕事と育児の両立を目指すオンラインコミュニティ「SUN-co- NEsT」
続きを見る -
- 生物多様性
2023年4月27日
50周年を迎えたサントリーの愛鳥活動のこれまでとこれから【前編】
続きを見る -
- 水
- 生物多様性
2023年4月27日
豊かな水を育む森を守るために~サントリー「天然水の森」活動
続きを見る