次世代育成

考え方と方針

社会貢献活動方針

サントリーグループは、創業精神「利益三分主義」のもと、地域社会への貢献や文化、芸術、スポーツ振興、被災地支援活動、環境活動などに積極的に取り組み、社会・自然との共生を図ってきました。サントリーグループの社会貢献活動はさまざまな社会的課題の解決に貢献するとともに、サントリーグループが展開する事業の持続的な発展にも寄与すると考えています。
次世代育成については、子どもたちが音楽・美術・スポーツ・環境教育などのさまざまな分野で、本物や一流に触れる機会を提供しています。少子化が進み、次世代育成の重要性が高まるなか、これらの活動を強化し、子どもたちの豊かな個性・人格形成を支援しています。

サントリーグループ社会貢献活動方針

サントリーグループは、創業者の「利益三分主義」の精神を受け継ぎ、人々が心豊かに暮らしを楽しむことのできる社会の実現に寄与するため、社会貢献に積極的に取り組んできました。
私たちは、企業理念に掲げる『人と自然と響きあい、豊かな生活文化を創造し、「人間の生命の輝き」をめざす』ため、お客様に最高品質の商品・サービスをお届けするとともに、心豊かな社会と持続可能な地球環境の実現に向けて、グローバルに社会的責任を果たしていきます。

  1. 1.
    「文化・芸術振興」「スポーツ振興」「社会福祉」「自然環境保全」「ダイバーシティ」「被災地支援」の分野を中心に、次世代育成の見地と地域の実情をふまえた活動を、従業員とともに推進しています。
  2. 2.
    ステークホルダーとの対話を重視し、連携・協働に取り組んでいます。
  3. 3.
    従業員の多様なボランティア活動を支援しています。

取り組み

次世代環境教育「水育」

2004年に開始した次世代環境教育「水育」。子どもたちが自然のすばらしさを感じ、水や、水を育む森の大切さに気づき、未来に水を引き継ぐために何ができるのかを考える、次世代に向けたサントリー独自のプログラムです。親子で自然体験を行う「森と水の学校」と、小学校で行う「出張授業」の二つの活動を展開しています。2020年からはオンラインでの活動も開始し、より多くの地域の方々に参加いただけるようになりました。
また、サントリーグループの事業活動が世界に広がるなか、2015年から海外でも展開を始めました。海外の「水育」では、日本のプログラムを軸に、現地の水課題にあわせた活動を推進しています。

  • 後援:環境省、文部科学省など
  • 次世代環境教育「水育」
  • 次世代環境教育「水育」
  • 次世代環境教育「水育」

詳細は「次世代環境教育『水育(みずいく)』」をご覧ください

プラスチックに関する啓発活動

事業活動にペットボトルを多く使用するサントリーグループでは、持続可能な社会の実現に向けて、社外セミナーなどを通してペットボトルのリサイクルの取り組みへの理解促進および分別収集の促進に取り組んできました。2021年には早稲田大学と「資源循環型社会の実現に関する協定書」を締結するなど、次世代に向けた取り組みも行っています。ボトルtoボトル協定を締結した自治体の小学校や中学校でも、ペットボトルの「ボトルtoボトル」水平リサイクルと正しい分別について啓発授業を行い、リサイクルや資源循環について考えてもらうきっかけを提供しています。

プラスチックに関する啓発活動

次世代エンパワメント活動

サントリーグループは、日本の重要な社会課題の一つとされる「さまざまな困難に直面する子どもたち」が意欲・希望・夢を持ってチャレンジできる社会の実現に貢献すべく、子どもの支援として次世代エンパワメント活動に取り組んでいます。2024年から3年間で総額10億円を拠出し、同じ課題意識をもつNPO法人に対して助成金などの資金的支援に加え、社員の出向といった人的支援を開始しました。

「サントリー“君は未知数”プロジェクト」の開始

サントリーグループは、子ども支援の取り組みである次世代エンパワメント活動、「サントリー“君は未知数”プロジェクト」を開始しました。すべての子どもたちにはそれぞれの個性があり、その可能性は未知数です。プロジェクト名には、困難な状況にあっても子どもたちが自らの可能性を拓いていける社会の実現の一助となりたいとの思いを込めました。
子どもたちをとりまく状況やニーズを深く理解し、学校や行政、地域社会と協働するNPO法人の役割が重要だと考えており、NPO法人への支援やNPO法人との協働事業を通じて、社会課題を解決したいと考えています。プロジェクトでは各分野の専門家にアドバイザー・フェローとして活動をサポートいただきます。

「サントリー“君は未知数”プロジェクト」の開始

プロジェクトの詳細は特設サイトをご覧ください

音楽を通じたこどもたちの育成を支援

サントリーホールでは、こどもたちに一流音楽家による生演奏に触れていただき感動を経験してほしい、音楽を通して、豊かな人間性を育んでほしいという考えのもと、さまざまな次世代育成プログラムを企画・運営しています。

「こども定期演奏会」の開催

こどもたちが定期的にコンサートホールに行く習慣を身につけ、生活の中にクラシック音楽を取り入れてほしいという願いをこめて、2001年から「こども定期演奏会」を開催しています。これは、日本初のこどものためのオーケストラ定期演奏会です。聴くだけでなく参加できることが特徴で、チラシの絵やシーズンのテーマ曲もこどもたちから募集・採用しています。また、オーディションにより選ばれたこども奏者がピアニストと連弾したり、オーケストラの一員として演奏できるプログラムや、2021年からはこどもたちと音楽家を結ぶ企画として、こどもの書いた短いメロディーを使った新曲を、若手作曲家から募集する「新曲チャレンジ・プロジェクト」がスタートしました。

  • ピアニストの小山実稚恵さんと連弾するこどもピアニスト

    ピアニストの小山実稚恵さんと
    連弾するこどもピアニスト

  • オーケストラ演奏の一員として演奏するこども奏者たち

    オーケストラ演奏の一員として
    演奏するこども奏者たち

サントリーホール 佐治敬三 ジュニアプログラムシート

若い世代へのクラッシック音楽の継承を願ってやまなかった初代館長 佐治敬三の遺志を継いだプログラムです。
小・中学生を対象に各回ペア3組を大ホールでの土日祝日の対象公演にご招待しています。

  • 佐治敬三 ジュニアプログラムシート

    佐治敬三 ジュニアプログラムシート

  • 佐治敬三 ジュニアプログラムシート
サントリーホール アカデミー

プロフェッショナルとして歩みはじめた若手音楽家を対象とした、オペラと室内楽の二部門からなるアカデミーを開講しています。
世界の第一線で活躍するアーティストに学ぶのみならず、定期的に開かれる勉強会に参加して研鑽を積み、ブルーローズ(小ホール)公演で成果を発表します。

  • 元世界的テノール歌手で指揮者・声楽指導者のジュゼッペ・サッバティーニ氏がエグゼクティブ・ファカルティを務めるオペラ・アカデミー

    元世界的テノール歌手で
    指揮者・声楽指導者の
    ジュゼッペ・サッバティーニ氏が
    エグゼクティブ・ファカルティ
    を務めるオペラ・アカデミー

  • 室内楽アカデミーのワークショップの様子。館長の堤 剛(写真左から2人目)がアカデミー・ディレクターを務める

    室内楽アカデミーの
    ワークショップの様子。
    館長の堤 剛(写真左から2人目)が
    アカデミー・ディレクターを務める

学生向け楽器貸与事業

公益財団法人サントリー芸術財団では、2014年から毎年、「全日本学生音楽コンクール全国大会(主催:毎日新聞社)バイオリン部門中学校の部・高校の部」において「サントリー芸術財団名器特別賞」として、世界的名器のバイオリンを無償で3年間貸与しており、これまでに若手演奏家15人が貸与を受けてきました。
サントリーでは、さまざまな活動を通して、次代を担う若手演奏家に新たな機会を提供し、その活動を支援しています。

  • 2023年 第10回名器特別賞受賞者の大屋響さんTOMASO CARCASSIを貸与

    2023年 第10回名器特別賞受賞者の大屋響さん
    TOMASO CARCASSIを貸与

  • 名器ヴァイオリンTOMASO CARCASSI(1751年/イタリア)

    名器ヴァイオリン
    TOMASO CARCASSI(1751年/イタリア)

美術を通じた子どもたちの育成を支援

サントリー美術館では、いつでも子どものいる美術館を目標に、子どもたちが気軽に美に親しめるプログラムを提供し、楽しみながら美を愛する心を育む活動を幅広く展開しています。

「ラーニングプログラム」の実施

サントリー美術館は、ミュージアムメッセージ「美を結ぶ。美をひらく。」のもと、次世代への教育普及活動に積極的に取り組んでいます。
中学生以下は入館無料、さらに鑑賞支援ツール「わくわくわーくしーと」を無料で配布し、見どころをガイドするだけでなく、自由な発想で鑑賞を楽しむ心を育てます。展覧会ごとに、子どもから大人まで楽しめるさまざまな「ラーニングプログラム」を実施しており、講演会やワークショップに加えてオンラインでの動画配信も開始しました。また、「スクールプログラム」として、港区を中心とした小・中学校の児童・生徒の来館受け入れや出張授業にも積極的に取り組んでいます。

  • 子ども向け鑑賞支援ツール「わくわくわーくしーと」

    子ども向け鑑賞支援ツール
    「わくわくわーくしーと」

  • 中学生・高校生対象「サン美美術部」(中高生呈茶席)

    中学生・高校生対象「サン美美術部」
    (中高生呈茶席)

「まるごといちにち こどもびじゅつかん!」の実施

休館日の1日を小中学生とその保護者対象に開放し、さまざまな教育普及プログラムを行う特別イベント「まるごといちにち こどもびじゅつかん!」を、2014年より年1回程度開催しています。ワークシートを使ってクイズやスケッチなどを楽しみながら展覧会を鑑賞できるほか、対話型鑑賞やワークショップ、館内ツアーなどの子ども専用プログラムを通して、充実した美術館体験を提供します。

  • 「まるごといちにち こどもびじゅつかん!」の様子

    「まるごといちにち こどもびじゅつかん!」
    の様子

  • 館内プログラム

    館内プログラム

「サントリーアートキッズクラブ いろいろドレドレ」を開催

サントリーホールとサントリー美術館の共同企画であり、3~6歳の未就学のお子様を対象とした創作と鑑賞の芸術体験プログラムを実施しています。

  • サントリーホールとサントリー美術館の共同企画

    サントリーホールとサントリー美術館の共同企画

  • 「サントリーアートキッズクラブ いろいろドレドレ」

    「サントリーアートキッズクラブ いろいろドレドレ」

スポーツを通じた子どもたちの育成を支援

サントリーグループは、スポーツを通じた子どもたちの健全な心と体の育成を支援しています。活動の一つとして、サントリーのスポーツチーム「東京サントリーサンゴリアス」「サントリーサンバーズ」も競技の普及活動に取り組んでいます。
選手やスタッフが子どもたちを直接指導するクリニックを開催するほか、東京サントリーサンゴリアスはラグビースクールへの指導やイベントの運営、サントリーサンバーズは地域のバレーチームや学生への指導やバレーボール大会の運営サポートなど、子どもたちがスポーツに触れるさまざまな機会で協力しています。
また、チャレンジド・スポーツにおいても、普及・育成を目的に、小中学生向けに車いすバスケットボール体験会を行っています。

詳細は「チャレンジド・スポーツ プロジェクトWebサイト」をご覧ください

  • ラグビークリニックの様子

    ラグビークリニックの様子

  • バレーボールクリニックの様子

    バレーボールクリニックの様子

  • 車いすバスケットボールを中心とした体験会

    車いすバスケットボールを中心とした体験会

学校法人 雲雀丘学園を通じた支援

創業者の鳥井信治郎が1950年に学校法人 雲雀丘学園の初代理事長に就任して以降、同学園の幼稚園から高等学校までの一貫教育を支援しています。鳥井信治郎は「親孝行」の気持ちを大切にしており、「親孝行な人はどんなことでも立派にできます」が口癖でした。その創立精神は受け継がれ、学園では現在も、「親は子の成長を願い、子は親に感謝し尊敬するという、人としての自然なこころが基本となって、家庭の輪につながり、社会のために尽くす気持ちが湧き出る」と考え、人間教育に取り組んでいます。2008年からは「環境講座」の開講を支援し、現在は次世代教育の一環として、小中学校への「花育(はないく)」や「水育」、校外学習を通した環境教育支援をしています。2022年3月には、70周年記念事業が完了し、新文化館「道しるべ」が開設されたほか、学園の「探究活動」へのサポートとして、サントリーフラワーズやサントリー生命科学財団の研究分野の知見を活かしたカリキュラムを提供しています。

林間学舎での植樹の様子

林間学舎での植樹の様子

無人島でのキャンプ体験で挑戦する心を育成

サントリーグループは香川県小豆郡にある無人島の余島(よしま)で1950年からキャンプ場を運営している公益財団法人 神戸YMCAと、2007年から協働で「余島プロジェクト」を推進しています。これは無人島ならではの豊かな自然環境の体験・体感を通じて子どもたちの夢や挑戦する気持ちを育むプロジェクトで、夏に開催される「余島サマーキャンプ」など、年間を通じてさまざまなプログラムを企画・展開しています。毎年、約3,500人の子どもたちが余島を訪れます。

  • 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2020年以降は人数やプログラムを制限して実施
余島サマーキャンプ

余島サマーキャンプ