お客様志向経営の推進

考え方と方針

お客様志向自主宣言

創業以来脈々と受け継がれてきた「お客様志向」の取組方針について、「お客様志向自主宣言」として明文化しています。

お客様志向自主宣言

  • 2017年4月
  • サントリーホールディングス株式会社
  • 代表取締役社長
  • 代表取締役社長 新浪 剛史

サントリーグループの企業理念のもと、最高の品質を目指した商品やサービスをお届けし世界の人々の豊かな生活文化の発展、持続可能な地球環境の実現に貢献していきます。 よき企業市民としてお客様に支持される「Growing for Good」な企業を目指していきます。

取組方針

① お客様の心に響く商品・サービスをお届けします

お客様満足を第一に考え、お客様との双方向コミュニケーションを大切にします。お客様からいただくご意見、ご要望に真摯にお応えし、よりよい商品・サービスの開発・改善につながるよう、取り組みを強化していきます。

② お客様の立場に立って、安全・安心を徹底します

サントリー品質方針「All for the Quality」のもと、商品・サービスの企画・開発から水や農産物、包材などの原材料調達、製造、流通、販売・サービスに至るすべてのプロセスで品質の維持・向上に取り組んでいきます。グループ全体の品質マネジメントを推進する「品質保証委員会」の活動をとおして、商品・サービスの価値の向上、品質リスクの発生防止を徹底します。

③ お客様の声を企業活動に生かします

お客様から寄せられた貴重な情報やご意見を社内で速やかに共有し、商品・サービスの向上、リスクマネジメント強化など、企業活動や従業員の行動に反映させていきます。

④ お客様への情報提供を充実します

商品の表示や宣伝・広告表現について、正確な表示とわかりやすい表現を推進していきます。また、お客様センターを通じた電話、手紙、e-メールなどのコミュニケーションに加え、Webを通じて、ご自身で情報検索されるお客様に向け、ホームページの情報拡充に努めていきます。品質に関しても、お客様にご理解いただけるよう、わかりやすく情報発信していきます。

⑤ お客様視点で行動する従業員の風土・意識を醸成します

すべての従業員がお客様の視点で行動する企業風土の醸成を目指す「お客様視点醸成活動」を継続実施していきます。お客様から直接ご意見を伺う機会が少ない部門も含め、全従業員を対象に研修プログラムを実施します。

お客様志向自主宣言 活動報告書

上記、お客様志向自主宣言の内容に基づいた活動について取り組みの成果や改善内容などを年次で公表しています。

お客様満足のための基本方針・行動指針

従業員一人ひとりが、お客様へご満足を提供することを常に意識して行動するために、1999年に「お客様満足のための基本方針」を明文化。2002年にはお客様センターの「行動指針」を制定し、お客様センター全員での実践を徹底しています。

お客様センター

お客様センター

お客様満足のための基本方針

私たちは、社会のよき一員としての役割を果たすため、さまざまな活動を通じてあらゆるお客様の更なる満足の確保、維持、向上に努めます。お客様とのコミュニケーションを大切にし、お客様に信頼され、喜んでいただける安心・安全な製品、サービス、情報の提供を行うとともに、お客様の声を企業活動に反映させていきます。

お客様センターの行動指針

  1. 1.
    お客様からのお問い合わせ・ご指摘等に対して、「迅速・的確・丁寧」に対応してまいります。また、公平、公正であるように努めてまいります。
  2. 2.
    お客様に信頼され、喜んでいただけるさまざまな情報を、お客様に積極的に提供いたします。
  3. 3.
    お客様のご意見・ご要望や社会の求めるものを、社内に適切に反映させてまいります。
  4. 4.
    お客様の権利を保護するため、消費者保護に関する法規および社内の自主基準を遵守いたします。

「お客様対応規定」

サントリーホールディングス(株)とグループ12社は、基本方針・行動指針を実行するための行動規範として、ISO10002(JIS Q 10002)に則った「お客様対応規定」を制定しています。この規定では、お問い合わせやご指摘を申し出られたお客様の権利を認識し、企業活動へのお客様の満足を維持、向上することを目的に、お客様対応に関しての積極的な取り組みと責務を明確にしています。さらにこの規定に基づいた詳細な基準・手順を定め、周知徹底を図っていきます。

  • サントリー食品インターナショナル(株)、サントリーフーズ(株)、サントリービバレッジソリューション(株)、サントリーフーズ沖縄(株)、サントリープロダクツ(株)、サントリー(株)、沖縄サントリー(株)、サントリービジネスシステム(株)、サントリーシステムテクノロジー(株)、サントリーグローバルイノベーションセンター(株)、サントリーコーポレートビジネス(株)、サントリーフィールドエキスパート株式会社(2023年7月現在)

クレド:CREDO (SUNTORY MIND for Customer Service)

基本方針、行動指針が従業員一人ひとりの心、日々の行動に根付くように、2013年に、お客様対応を担う者としての信条を明文化した「クレド:CREDO(SUNTORY MIND for Customer Service)」をお客様志向経営推進本部全員で作成し、お客様によりご満足いただける活動を生み出す風土醸成に努めています。

クレド:CREDO (SUNTORY MIND for Customer Service)

推進体制

サントリーグループは、創業以来、お客様満足を第一に考え、お客様との双方向コミュニケーションを大切にしています。1976年には、お客様からのご相談窓口として消費者室を開設。現在は、サントリーコミュニケーションズ(株)お客様志向経営推進本部として活動しています。「お客様志向自主宣言」のもと、お客様からいただくご意見、ご要望に真摯にお応えし、よりよい商品・サービスの開発・改善につなげるなど、広く企業活動に反映させるよう、取り組みを強化しています。

取り組み

お客様とのコミュニケーション

創業以来、お客様満足を第一に、お客様との対話を大切にし、ご意見やご要望を企業活動に反映しています。

お客様の声への対応と共有、そして活用へ

お客様センターでは、社内独自の情報検索システムを活用し、お客様からのお問い合わせなどに対してお待たせすることがないよう、迅速かつ的確な対応を行っています。
また、ご連絡を受けた時点で、その内容を情報管理の基幹システムに入力し、対応結果を記録することで、お客様からいただいた貴重な情報を関連部署で速やかに共有し、品質改善、リスクマネジメント強化などにつなげています。 お客様から寄せられたご意見やご要望を、関連する部門と定期的に共有し、商品・サービスの向上、情報提供の充実などの企業活動や、従業員の行動へ反映するVOC活動を強化しています。

  • VOC(Voice of Customer)活動:お客様の声を経営施策に反映する活動
お客様情報の流れ
お客様情報の流れ
お客様センターに寄せられた声 (2022年件数:約74,000件)
お客様センターに寄せられた声 (2022年件数:約74,000件)
  • ※1
    ご指摘:お客様から商品や企業活動に対して寄せられたご不満、ご不快の声
  • ※2
    お問い合わせ・ご意見:上記以外にお客様から寄せられた幅広いご質問やご意見
お客様のご意見を商品づくりに活用

お客様から寄せられたご意見やご要望を取り入れ、商品開発、品質改善、情報提供の充実などを図っています。より安全で使いやすい商品の開発を行うためには、お客様の視点がなによりも大切です。お客様の声に真摯に耳を傾けることで、すべての人にやさしく親切な商品・サービスの提供を目指しています。
また、商品発売後の改善だけでなく、新商品の開発時においてもお客様の声を役立てる「事前評価活動」を重視しています。開発部門に、他社商品や他カテゴリー商品に対するお客様の声を共有することで、より幅広い視点での“気づき”を促すとともに、お客様視点での事前チェックを実施しています。

<ご意見を商品に活用した事例>
飲料のペットボトル(ロールラベル)の糊をはがしやすく新開発しました

お客様から分別の際にペットボトルのラベルがはがしづらい、また糊が残るというお問い合わせが寄せられていました。 そこで粘着強度はそのままで従来よりもはがしやすい糊を開発しました。今後幅広い商品に順次展開していきます。

従来の糊を使用した製品 → 新開発の糊を仕様した製品
緑茶 「伊右衛門 『お茶、どうぞ』」 冷温兼用ボトルにリニューアルしました

コロナ禍を機に来客用としてペットボトルごとお出しできることが好評を得ている緑茶 「伊右衛門 『お茶、どうぞ』」。
秋冬になるとボトルごと温めたいというご要望が寄せられていることから、冷温兼用ボトルを採用しリニューアル発売しました。
冷温兼用ということを分かりやすくするために、「冷&温 温めてもおいしい」の記載を追加しました。

[リニューアル前]温め不可 → [リニューアル後]水冷兼用
「BOSS カフェベース」 ボトル側面の目盛り(注ぐ量の目安)を復活

お客様がお好きな濃さでお楽しみいただけるよう注ぐ量の目安となる目盛りを廃止したところ、お客様より目盛りを目安に注いでいたので、目盛りをつけてほしいとのお声をいただきました。そこで、目盛りを復活させ、ご自由に目盛りを目安にしてもお楽しみいただけるようにしました。

[改善前] → [改善後]
「オールフリー」 ”プリン体”を缶正面に目立つように記載

リニューアルに伴い缶正面の”プリン体”表記がなくなったところ、お客様から「プリン体0でなくなったのか」とお問い合わせをいただきました。
これを受け、缶正面に”プリン体0”を再度表記しました。

[改善前] → [改善後]
緑茶「伊右衛門」 ボトル底部の沈殿の説明をWebサイトでご案内

緑茶「伊右衛門」のボトル底部の沈殿へのお問い合わせが寄せられることから、「伊右衛門」は石臼挽き抹茶を使用しており、底に見えるのは抹茶で、緑茶本来の味わいを引き出す重要な役割を担っていることをWebサイトでご案内するようにしました。

緑茶「伊右衛門」 ボトル底部の沈殿の説明をWebサイトでご案内
「メーカーズマーク」封ろうの開け方をWebサイトでご案内

「メーカーズマーク」の赤い封蝋の開け方のお問い合わせが寄せられることから、Webサイトに「開け方の説明」掲載。さらに裏ラベルにWebサイトへの案内を記載しました。

Webサイト 封ろうの開け方

Webサイト 封ろうの開け方

「ほろよい」<アイスティーサワー>と<カシスとオレンジ>を見分けやすくデザインを変更しました

<アイスティーサワー>と<カシスとオレンジ>を見分けやすくしてほしいとご要望をいただき、デザインをひと目で見分けやすくしました。

[改善前] → [改善後]

コミュニケーション接点の拡充:WebサイトやSNSの活用

お客様センターを通じた電話、手紙、Eメールなどのコミュニケーションに加え、Webサイトを通じてご自身で情報検索されるお客様のために、動画やイラストを活用するなど、お客様センターWebサイトの情報拡充に努めています。また、英語でのお問い合わせフォームも用意し、外国の方からのお問い合わせにもお応えしています。

  • サントリーお客様センターWebサイト(PCサイト)

    サントリーお客様センターWebサイト
    (PCサイト)

  • サントリーお客様センターWebサイト(スマートフォンサイト)

    サントリーお客様センターWebサイト
    (スマートフォンサイト)

サントリーお客様センターWebサイト

お客様志向の取り組みを社会に発信

サントリーグループのお客様志向経営の理念や取り組みについて、さまざまな媒体や活動を通じて積極的に社会に発信しています。

お客様志向自主宣言および活動報告

サントリーグループでは、創業以来脈々と受け継がれてきた「お客様志向」の理念や取組方針について、「お客様志向自主宣言」として改めて明文化し、2017年4月に公表しました。宣言に基づき取り組んだ具体的な活動については、「お客様志向自主宣言 活動報告書」として社会にご報告しています。消費者庁が主催する令和元年度「消費者志向経営優良事例表彰」において、消費者庁長官表彰に選定され、2020年1月に表彰されました。
また、お客様志向自主宣言の公表・表彰企業として、消費者庁Webサイトにも宣言や活動内容を掲載しています。

お客様志向を実現するための人づくり

お客様志向経営推進のために、従業員のお客様志向を醸成するための啓発活動を行っています。

お客様のご期待にお応えし続けるために

従業員一人ひとりが、お客様の意識や関心の変化への理解を深め、お客様の期待を超えた商品・サービスをお届けできる企業人になっていくことを目指し、お客様志向啓発活動や風土醸成に力を入れています。

お客様志向啓発活動の全体像
お客様志向啓発活動の全体像
  • VOC : Voice of Customer
テーマ別 Webセミナー

社会環境が大きく変化するなかで、「お客様」が企業に求められるものも変化し続けています。
こういった状況下で変化する「お客様」を理解し、求められる各現場でのお客様志向の考動につなげていくことを目的にテーマを設定し、そのテーマに関連したお客様の声を聴くWebセミナーを開始しました。
サントリーグループ各現場では、お客様の関心のポイントや声が寄せられた背景を理解し、お客様志向の感度を上げるとともに、現場の活動でのヒントにしています。

Webセミナー様子

Webセミナー様子

お客様志向の行動促進(風土醸成)

お客様志向啓発セミナーの実施
全従業員を対象に「お客様志向ブラッシュアップセミナー」を毎年開催しています。お客様からいただくご指摘や励ましのお声などを広く紹介し、社内の各現場で取り組んでいるお客様志向の活動事例を共有することで、従業員一人ひとりがお客様志向を深め、行動に移すきっかけづくりをしています。また、グループ会社にもセミナーを実施し、サントリーグループの全活動において、お客様志向の行動定着を図っています。

  • 経営トップメッセージ

    経営トップメッセージ

  • お客様志向の取り組みを動画で紹介

    お客様志向の取り組みを動画で紹介

経営層による電話音声リアルモニタリング

サントリーお客様センターに寄せられるお客様からのお電話を、経営層がリアルタイムで聴くプログラムを実施しました。各部門のトップである経営層が、お客様が生活のなかで感じられた商品やサービスへの疑問・ご不安・ご意見についてお電話でお話しされる様子を臨場感を持って聴くことで、経営にお客様の声を活かしていく、きっかけづくりとしています。

  • お客様の声を聴く経営トップ

    お客様の声を聴く経営トップ

  • お客様の声を聴く経営層

    お客様の声を聴く経営層

  • お客様の声を聴く経営層

    お客様の声を聴く経営層

お客様志向月間の実施

毎年5月を「お客様志向月間」とし、全従業員がお客様のためにできることを改めて考えるきっかけとしています。
各部署では、「自部署にとってのお客様は誰か?」「お客様志向で何ができるか考える」をテーマにディスカッションを実施。さらに、個人でできることを「私のお客様志向自主宣言カード」に従業員一人ひとりが記入しています。

  • お客様志向月間の実施
  • 表面

    表面

  • 裏面

    裏面

現場に推進担当者を配置

2018年より、お客様との直接接点が多い営業拠点を中心に、お客様志向をさらに浸透・定着させるための中心的な役割を担う「お客様対応推進リーダー」を配置しています。

キャリアパスのステージに応じた人材育成
キャリアパスのステージに応じた人材育成

人材育成プログラム「サントリー大学」の一環として、キャリアパスに応じた研修を実施しています。まず、新入社員研修において、創業以来脈々と継承されているサントリーグループのお客様志向の考え方を学びます。中堅社員になると、グループでお客様の声を聴き、お客様の思いや期待について推察しディスカッションすることで、お客様志向の重要性について改めて学ぶ場としています。さらに、マネジャー昇進時に、お客様志向を基盤とした意思決定の重要性を、ケーススタディーをもとにしたグループディスカッションなどを通して実践的に習得します。

お客様の声(VOC)と従業員の接点を強化

お客様から直接ご意見を伺う機会が少ない部門も含めた全従業員を対象に、お客様の声に触れる機会を強化する活動を行っています。

イントラネット・Eメールを通じて「お客様の声」を発信

全従業員が、当社商品や企業活動などに対するお客様の声に向きあい、自身の業務や行動につなげることを目的に、お客様から寄せられたご意見やご要望を、イントラネットやe-メールを通じて週次・月次で広く社内に共有しています。
また、お客様から寄せられた声について、読者である従業員の意見や感想も掲載。従業員同士の意見交換を通じ、自分以外のさまざまな捉え方なども知ることができるようにしています。

イントラネット・Eメールを通じて「お客様の声」を発信

イントラネット「ハーモニクスレポート」での情報発信