ワイン用ぶどうの副梢栽培による気候変動への挑戦

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サントリーグループの製品は農作物の恵みに支えられており、気候変動が農業に与える影響は非常に大きな課題です。
11月、登美の丘ワイナリーでは22年のワイン用ぶどうの収穫を終えました。ぶどうは7月中旬頃から甘くなる成熟のステージを迎えますが、この時期の最低気温が下がることで寒暖差が大きくなり、ぶどうの糖度が上がり成熟が進みます。しかし近年、温暖化の進行により成熟が進みにくいという課題に直面するようになりました。そのため、サントリー登美の丘ワイナリーでは、地元の山梨大学と共同で「副梢栽培」という新しい栽培技術を導入しました。

副梢栽培とは、通常、ぶどうは4月ごろに芽吹き、これが新梢として育って9月ごろに収穫を迎えますが、副梢栽培ではこの新梢の先端をあえて切除し、そのあとに芽吹く脇芽を育てることにより、ぶどうの成熟開始時期を7月中旬から気温の下がり始める9月上旬ごろまで遅らせて熟期をずらして、11月中旬頃に収穫できるようにする栽培方法です。

副梢栽培は、新芽の先端を切除するというリスクも工数もかかる作業が必要ですが、歴史ある登美の丘ワイナリーで、より品質のよいぶどうを育て、おいしいワインを作りたいという思いから、今年は面積を約8倍に増やし、取組みを進めました。また、ぶどうの収穫には、サントリーグループ社員もボランティアで参加し、この栽培を後押ししています。(今年は延べ約350名の社員が参加しました。)

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登美の丘ワイナリーでは、この他、ぶどう畑で使用する農薬や肥料を最小限にすることで、土壌に微生物や益虫が増え病害虫が減る好サイクルが生まれ、生物多様性に富む豊かな土質となる「草生栽培」や、剪定した枝を炭化して土壌に混ぜ込みCO2を貯留する「4パーミル・イニシアチブ」と呼ばれる取り組みなどを行っています。

お客様にこの先もおいしいワインをお届けしたい。

100年以上続く登美の丘ワイナリーでのぶどうづくり・ワインづくりが持続可能な未来に向け、我々は気候変動に立ち向かいながら、これからも様々な挑戦を続けていきます。

以上