次世代環境教育「水育」の海外展開
サントリーの事業活動は、水や農作物などかけがえのない自然の恵みに支えられています。だからこそ、水、特に良質な地下水の持続可能性を将来にわたって保全する責務があると考えています。豊かな地下水を育むため、多様性に富んだ森づくりを行う「天然水の森」活動。そして、水と自然の大切さを子どもたちと共有し、共に考える次世代環境教育「水育」もこうした思いからはじまりました。2004年に日本ではじまったこの「水育」は、その後舞台を海外へと広げ、各国の水事情に合わせたプログラムをベトナム、インドネシア、タイで展開してきました。
グローバル水育の広がり
2015年に活動を開始したベトナムでは、水の大切さや衛生管理、水源保全の重要性などを学習するプログラムの実施と、小学校のトイレや洗面所の改修、子どもたちがきれいな水にアクセスできるようにフィルター設備を提供する取り組みを行ってきました。当初は北部地域6校のみの参加でしたが、その後2019年までにベトナム全土で70校、約18,000人の生徒が参加するまでに成長しました。また、同プログラムを通じて対象地域全体に50のフィルター設備が設置され、23,000人以上のベトナムの皆さんにきれいな水を提供することができています。
インドネシアでは、サントリー・ガルーダ社、地元の財団およびNGOと共同で、2019年7月に「水育」プログラムを開始しました。ベトナムと同様、オリジナルのプログラムを作成し、主に水資源を大切にする必要性や衛生管理を教えています。南スラウェシ州ゴワ、南カリマンタン州バンジャルバル、東ジャワ州シドアルジョ、バンテン州タンゲランに位置する14の小学校で実施し、約1,000人の子どもたちの環境意識向上を目指しています。
タイにおいては、サントリー・ペプシコ・ビバレッジ・タイランド社と地元のNGOが協力し、2019年より「水育」を開始しました。現在大きく分けて二つの地方で活動しており、35の小学校の1,100人を対象にプログラムを提供しています。同社工場の近くに位置するサラブリー県、ラヨーン県では、同地域における急速な工業化に伴う水課題に対し、教育プログラムのサポートを行っています。また、タイの水資源の中心地であるチェンマイ県では、地元の組織と協力して小川に土が流出することを防ぐための植樹をしたり、地下水の浸透を助けるための小型堰を設置する活動に加え、教育プログラムも開始しました。
サントリーグループでは、今後も国内・海外ともに水のサステナビリティ向上を目指し、次世代環境教育「水育」を推進します。それぞれの地域の水事情にあわせ、安全で豊かな水資源を未来に残していくべく取り組んでいきます。