2017年10月11日(水)、サントリーホールディングス株式会社は、work with Pride※1が策定する企業・団体等におけるLGBTなどの性的マイノリティに関する取り組みの評価指標「PRIDE指標」※2において、最高評価の「ゴールド」を受賞しました。
ダイバーシティ経営について
サントリーグループでは、人材の多様性を推進し、多様な価値観や発想を取り入れ、活かすことにより、より大きな価値を創出する「ダイバーシティ経営」を人事の基本方針としています。従業員一人ひとりが最大限に力を発揮する、創造性あふれる職場環境とするために、従業員の属性の多様化を推進し、違いを受け入れ、活かす組織づくりを目指しております。
それを推進するダイバーシティ推進室では、2012年に設定した「年齢を超える」「性別を超える」「国境を超える」「ハンディキャップを越える」という4つを重点領域と捉え、その課題解決に向けた取り組みを進めています。
2012年に設定された4つの重点領域と5つの重点課題
個性や価値観の違いにより、個人の能力が発揮できないのは、当事者にとってだけではなく、企業にとっても大きな損失になります。また、いろいろな価値観や立場の方がいれば、それぞれの個性がぶつかり合って、新たな価値を生み出すということに繋がります。それは企業にとって、大きなプラスになるはずです。
今はお客様の要望や求められる商品も多様化しています。それぞれの方に合った商品をどう開発するか、どういう手段でお届けするかというのは、いろんな人間の視野・視点があってこそ対応できるものです。そのためにも、多様な人材を生かせる社内環境が必要だと考えています。
LGBTの取り組み
ダイバーシティ経営の一環として、LGBTへの取り組みを強化すべく、プロジェクトチームを発足し、2016年より本格的に検討を進めて参りました。
まず、身近にLGBTの方がいることを認識し、自分自身の中にある固定観念を取り払うとともに、日頃の業務や企業活動へ活かすきっかけづくりとするため、社外講師を招いた社内セミナーの実施。社内向けに定期的に発信しているダイバーシティ通信「いろどり」においてもLGBTを取り上げました。その際の従業員向けのアンケートでは、「全くもって知らなかった」「仕事上や自分の身近にも存在する」「実際に相談を受けた場合は不安」等、様々な反響の声が上がってきました。
LGBTの当事者の方は、もし自分がカミングアウトしたらどういった目でまわりに見られるのだろうかという不安を抱えています。そういった不安を払拭するためには、社内の制度だけでなく、風土を整えていくことが不可欠です。従業員一人ひとりが多様な価値観を受け入れ、当事者に配慮した行動ができるよう、以下の取り組みを行いました。
具体的な取り組み
- 社内規定の配偶者の定義に「同性パートナー」を加え、育児休暇や住宅施策などさまざまな手当を異性の配偶者同様に受けられるように改定
- LGBTに関する相談窓口の開設
- 性別に関係なく誰でも自由に使えるよう多目的トイレマークの表示切りかえ
- LGBTも含めたセクハラやパワハラなどのハラスメントに関するe-ラーニングの実施
- イントラネット上にて、LGBT Allyの為のハンドブックを掲載
- お客様を含めた社外の方へ企業スタンスの発信
特にハンドブックでは、LGBTに関する理解を深めるために、様々なケーススタディを掲載する工夫を行いました。当事者の方がカミングアウトされるということは、とてもハードルが高いことであり、相手を非常に信頼しているからこそできるもの。万一、受け手側が間違った対応をしてしまうと、信頼関係が崩れ、取り返しのつかない事態になってしまいます。まずは相手の価値観を受け止め、信頼に対しての感謝を伝えることが大切です。決して、当事者の確認なしに他の人に伝えないようにするなど、基本的な対応について具体的に記しています。
今回のゴールド受賞も、こうした取り組みを評価していただいたものと思います。
しかし、LGBTに関する取組みは、その他のダイバ―シティ推進活動と同様に、一朝一夕に成しえるものではありません。継続的に、様々な手段を使って社内に発信し続けることで、少しずつ風土の醸成が進んでいくのだと思います。
全ての人がイキイキと自分らしく働けるサントリーグループ、そして一人ひとりの“Growing for Good”実現に向けて、今後もLGBTに関する取組みを含めたダイバーシティ経営を継続して推進して参ります。
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※1LGBTなどの性的マイノリティに関するダイバーシティ・マネジメントの促進と定着を支援する任意団体。日本の企業内で「LGBT」の人々が自分らしく働ける職場づくりを進めるための情報を提供し、各企業が積極的に取り組むきっかけを提供することを目的としています。
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※21.Policy(行動宣言)2.Representation(当事者コミュニティ)3.Inspiration(啓発活動)4.Development(人事制度・プログラム)5.Engagement/Empowerment(社会貢献・渉外活動)の5つに分類されています。日本初のLGBTに関する評価指標で、2016年に策定されました。