持続可能な社会の実現に向けて取り組むサントリーグループのCSRをさらに充実させていくため、さまざまなステークホルダーとの対話を行っています。
2011年は、2つのステークホルダー・ダイアログを開催し、有識者の皆様から以下のようなご意見をいただきました。
ステークホルダー・ダイアログの詳細な内容については下記をご覧ください。
「水のサステナビリティ」の実現に向けた水源涵養活動について
2011年4月11日 サントリーワールドヘッドクォーターズ(港区台場)
2011年4月、昨年に引きつづき、地球環境・生物多様性の専門家である小田理一郎氏をお招きしました。サントリーグループの水源涵養活動に関する進捗のご報告を兼ねて、意見交換をさせていただきました。
より広い「水のサステナビリティ」をめざして
(有)チェンジ・エージェント 代表取締役社長
小田 理一郎 氏
2002年よりジャパン・フォー・サステナビリティのゼネラル・マネジャーとして事務局およびイベント・プロジェクトの企画・運営に従事。2005年(有)チェンジ・エージェントを設立し、企業の社会的使命追求とNGOマネジメント支援のコンサルティングを行う。
サントリーグループの水源涵養活動は、日本企業の中でもとても先進的です。「日本の森林が荒れている」といわれるなか、それが今どんな状況かを把握し、森林整備活動というかたちで対策もしています。自社の事業に必要な「水を守るために、水を育む森を育てる」という観点、すなわち活動の根幹がビジネスにつながっている点も、評価できます。
また、社外の有識者や専門家と密接に連携しながら活動している、そして、あくまでも主役は地元でという活動の方向性にも共感します。事業進出や水源涵養活動にあたり、自社の研究部門を活用して科学的に調査や評価をし、地域との合意形成を重視する姿勢からは、地域に配慮して活動していることが伝わります。作業道づくりなどにみられた「地元に正しく整備できる人材を育て、自社以外の森林にも活動を展開する」という方法は、いずれ人材が増えれば、大きく拡大していくことでしょう。
今後は、水源涵養に限定されない「水のサステナビリティ」への取り組みを、御社の事業活動の範囲から、ライフサイクル全体にまで広げることにぜひ取り組んでいただきたい。たとえば、原材料におけるウォーターフットプリントです。
「水と生きる」というフレーズの意味や位置づけ、御社の役割をうまく伝えながら、理念、具体的なコンテンツ、現場で活用するインフラの三本柱構築への取り組みが自然なかたちで実践されることを期待しています。
ご意見をいただいて
サントリーホールディングス(株) エコ戦略部長 内貴 研二
国内の水源涵養活動では一定の成果があがり、目標に近づきつつあります。一方で、森林の水源涵養機能向上の研究でも対外的にも発信できる段階になりました。原料をはじめとするライフサイクルでの取り組み、海外での取り組みは、まさにこれからという段階です。今後グローバルに展開していくに際して、「水のサステナビリティ」を追求していくうえで何が必要かをしっかり見極め、「水と生きる」企業として活動を一層推進してまいります。
ステークホルダー・ダイアログの詳細な内容については下記をご覧ください。
サントリーグループの文化・社会貢献への取り組み
2011年4月12日 サントリー美術館
2011年、サントリー美術館は開館50周年、サントリーホールは開館25周年の節目を迎えます。サントリーグループが創業以来受け継いできた「利益三分主義」の精神に支えられた「文化・社会貢献活動」について、鷲田清一氏、白石美雪氏と意見交換をさせていただきました。
サントリーらしさを発揮し、時代に先駆けた活動に期待
国立大学法人大阪大学 総長
鷲田 清一 氏
哲学者。専攻は臨床哲学・倫理学。現在は、哲学の発想を社会が抱え込んだ諸問題へとつないでいく臨床哲学のプロジェクトに取り組んでいる。
企業の行う経済活動が多様であるように、社会貢献活動にも企業文化が反映され、その企業らしい活動を行っていくことが大事です。サントリーは創業時から「利益三分主義」の精神のもと、先見的でユニークな活動を展開しており、時代を超えてその精神を引き継いできたことを評価しています。今年は美術館50周年、ホール25周年ということですが、芸術文化をより広く多くの方に楽しんでもらうためにも、時代に先駆けた活動に挑戦し、「ふかいことをおもしろく」伝えることに取り組んでいただくことを期待しています。
音楽と美術の融合など、新しい芸術文化の創造に期待
武蔵野美術大学 教授
白石 美雪 氏
音楽学者、音楽評論家。専門は20世紀の音楽。ジョン・ケージを起点に、現代の音楽を幅広く研究している。
サントリーは創業時から文化・社会貢献活動に一貫して取り組んできて、現在では音楽、美術、学術、スポーツから社会福祉に至るまで幅広い領域に及んでいます。時代のニーズを常に把握しながら、お客様視点に立って幅広い方々に豊かな生活文化をお届けしたいという思いに共感しています。今後とも、経済状況に影響されることなく、こどもたちなど次世代に対しての教育・啓蒙活動により力を入れていただきたいし、音楽と美術の融合など新たな芸術文化の可能性にもぜひチャレンジしていただきたいと思います。
ご意見をいただいて
サントリー芸術財団専務理事/サントリー美術館 支配人 勝田哲司
美術館は開館50周年を迎え、ミュージアムメッセージ「美を結ぶ。美をひらく。」のもと、文化の境界にとらわれずに美と美を自由に大胆に結ぶことで、新しい美の世界をひらいていきたいと考えています。今後は、古いものと新しいものとの融合、美術と音楽の融合など、新しい美の表現にも挑戦していく所存です。ご提案いただいた「ふかいことをおもしろく」伝えていくことを肝に銘じて、芸術文化の発展に貢献してまいります。
サントリーホール 支配人 福本ともみ
次の25年に向けて、敷居の高いクラシック音楽をもっと身近なものと感じてもらえるよう、「心かよう 心うごく」のメッセージを掲げ、新たな取り組みを始めています。室内楽の楽しさを伝える企画、秋の華やかなフェスティバル、音楽の可能性を探る先進的な企画、次世代教育などさまざまなプログラムを用意しています。今後も、良質の音楽を多くの方々に楽しんでいただけるよう、努力してまいります。
ステークホルダー・ダイアログの詳細な内容については下記をご覧ください。