「酔い」のメカニズム
血中アルコールは、下図のように大脳辺縁系から延髄へと影響を及ぼします。
(爽快期~酩酊初期)
理性をつかさどる大脳新皮質の活動が鈍くなり、本能や感情をつかさどる大脳辺縁系のはたらきが活発化するのが「酔い」の初期状態です。
お酒を飲んでいると解放感を感じ、ストレスが解消されたような気分になるのは、このためです。
(酩酊期)
さらにお酒を飲み進めると、血液中のアルコール量は増え、小脳まで麻痺が広がると知覚や運動神経が鈍り、何度も同じことをしゃべったり、千鳥足になったりします。
(泥酔期~昏睡期)
海馬(記憶の中枢)が麻痺すると、今やっていることを記憶できない状態になり、さらに延髄にまで麻痺が広がると、最悪の場合、死に至る危険性もあります。
アルコール血中濃度と酔いの状態
酒量
- ・日本酒(~1合)
- ・ビール中びん(~1本)
- ・ウイスキー・シングル(~2杯)
酔いの状態
- ・さわやかな気分になる
- ・皮膚が赤くなる
- ・陽気になる
- ・判断力が少しにぶる
酒量
- ・日本酒(1~2合)
- ・ビール中びん(1~2本)
- ・ウイスキー・シングル(3杯)
酔いの状態
- ・ほろ酔い気分になる
- ・手の動きが活発になる
- ・抑制がとれる(理性が失われる)
- ・体温が上がる
- ・脈が速くなる
酒量
- ・日本酒(3合)
- ・ビール中びん(3本)
- ・ウイスキー・ダブル(3杯)
酔いの状態
- ・気が大きくなる
- ・大声でがなりたてる
- ・おこりっぽくなる
- ・立てばふらつく
酒量
- ・日本酒(4~6合)
- ・ビール中びん(4~6本)
- ・ウイスキー・ダブル(5杯)
酔いの状態
- ・千鳥足になる
- ・何度も同じことをしゃべる
- ・呼吸が速くなる
- ・吐き気、おう吐がおこる
酒量
- ・日本酒(7合~1升)
- ・ビール中びん(7~10本)
- ・ウイスキー・ボトル(1本)
酔いの状態
- ・まともに立てない
- ・意識がはっきりしない
- ・言語がめちゃめちゃになる
酒量
- ・日本酒(1升以上)
- ・ビール中びん(10本以上)
- ・ウイスキー・ボトル(1本以上)
酔いの状態
- ・ゆり動かしても起きない
- ・大小便はたれ流しになる
- ・呼吸はゆっくりと深い
- ・死亡
酔い方には個人差があります。この結果は一応の目安です。
出典:公益社団法人アルコール健康医学協会「お酒と健康ライフ」