サントリー ワイン スクエア
私たちの創立者ジョルジュ デュブッフはボジョレーの北、マコン地区で生まれ、18歳頃からワインの世界に入り、誰も真似できない独自のセンス、類い稀な鼻と舌の感覚で早くから醸造家として能力を発揮していました。会社を設立したのは1964年。自転車にワインを積み近隣のレストランに売り込むことから始めました。そしてボジョレーを愛する彼は、地元やリヨンだけで飲まれていた「地ワイン」を世界へ広めようと考え、積極的に活動を開始しました。
そのきっかけはボジョレー ヌーヴォー。毎年、夏に収穫した葡萄でつくる新酒。鮮やかな色合いで、渋みが少なく飲みやすいフルーティな味わいが魅力です。フランスの法律で解禁日が11月の第3木曜日と決められています。ジョルジュデュブッフは、解禁を味わう愉しみを世界に伝えボジョレーの名を広めたのです。今では世界中が解禁を心待ちにしています。その功績と醸造家としての才能が認められ、彼は「ボジョレーの帝王」とさえ呼ばれているのです。
ジョルジュ デュブッフは約400種類にも及ぶワインの香りをたったひと嗅ぎでその葡萄が採れた畑のタイプや、冬の剪定から秋の収穫までの世話の状態、醸造中の工夫までを語ることができるといいます。ちょっとした手抜きにも厳しく、けれども懸命に努力した作り手には惜しみない賞賛をおくります。また天候に恵まれなかった年は葡萄の魅力を最大限に引き出す努力を重ねます。その厳しさと誠実さ、そして卓越した能力で理想を追求しています。
私たちのワインのラベルには花があります。それはジョルジュ デュブッフが若き日、商用で初めて訪れたロンドンでの出来事。ある日、ホテルに戻った彼を部屋いっぱいの花が迎えてくれたのです。異国で独り奮闘する彼をもてなすために、取引先のオーナーが用意してくれたサプライズでした。これに強く感動し、自分のワインでも多くの人に歓んでもらいたいと、その「もてなしの心」を伝えようと花をラベルのモチーフにすることを考えたのです。
ボジョレー地区はリヨンの北に約55kmに広がる緑豊かな丘陵地帯。この地区の中でも畑の土壌や気候、作り手のこだわりによって実に様々な個性のワインが生まれます。格上とされるヴィラージュ地区ではワンランク上のワインがつくられています。北部10村では特級に相当する「クリュ デュ ボジョレー」と呼ばれワインに村の名をつけることができるのです。ジョルジュ デュブッフ社は、ボジョレーの中心から少し北のロマネッシュ トランという地にあります。