2014年3月25日
サンゴリアス ラグビー大辞典 #145『ドロップキック』
サンゴリアスやラグビーを語る上で、必ず出てくるラグビー用語やサンゴリアス用語。そんなワードをサンゴリアスのあの選手、あのスタッフならではの解説で分かり易く解説するコーナーです。
「ドロップキック」(解説:有賀 剛)
キックオフの時に蹴る形もドロップキックですし、ドロップゴールを狙う時もドロップキックです。ボールを1回地面に落として蹴るキックのことです。あとはドロップアウトの時、相手の蹴ったボールがインゴールまで転がってしまって地面にボールを押さえた時、22mラインの内側からのこちらのキックオフのような形で蹴って始めるプレーの時に蹴るのが、ドロップキックですね。
ドロップキックのコツは、ボールの落とし方にあります。落とし方ひとつで、自分の蹴りたい場所にコントロール出来るかどうかが決まります。ですから、どのキッカーもボールの落とし方と、ちゃんと足を振り上げる、というところに気をつけて蹴っていると思います。
落とし方は「常に同じにする」ように心掛けているところがポイントです。1回弾まないと蹴ることが出来ないのですが、楕円球ですし、グラウンドはゆるいところもあれば硬いところもあるし、晴の日と雨の日でもまた変わって来ますから、いろいろある訳です。芝の長さもすごく関係がありますね。
ボールを落とした時に、弾むグラウンドと弾まないグラウンドがあります。選手には試合の日は、グラウンドに着いて1回グラウンドを見に行くタイミングがあります。みんなその時に、グラウンドの状態をチェックしています。僕は風向きやグラウンドの状態を見たりするんですが、人によっていろいろグラウンドのチェックの仕方が違っているはずです。キックオフを蹴る人は、たぶん特にボールがどう弾むかなど、グラウンドの状態をチェックをしているのではないでしょうか。
キックオフやドロップアウトの時のキックは、キックを蹴るまでに時間があります。それと比べてドロップゴールを狙う時には瞬間的なプレーになりますが、その時にもいちばん気をつけているのは、ボールの落とし方ではないでしょうか。自分はどこに立っているか?ということと、落とし方が重要ですね。
落とし方の前に、ボールの持ち方という問題もあります。いろいろとコーチも教えてくれますが、いろいろな良いキッカーを見ても持ち方はそれぞれ違うので、やはりどうやって上手くボールを落とせるかというところが、いちばん重要なのではないかと思います。
キッカーの人はかなりキックオフの練習をしています。ドロップゴールの練習はあまりしませんが、結局キックオフと蹴り方は一緒だと思います。ドロップゴールを狙うのは、10番そして15番が多いんじゃないですかね。両者とも自由に動きやすいポジションですから。